購入価格 ¥35000(中古)
マイナーチェンジが多く、前身のCR350から数えて一体何種類あるのか分からない。
リムのデザインはSPRINT350だと白い字で社名とモデル名をプリント、CR350はロゴマークにモデル名の入った小さなシールが張ってある。ハブは前期モデルの3色ロゴ、後期モデルの白一色ロゴがあるようだ。スポークはシルバーかブラックで、カスタムか公式リリースか分からないが、CX-RAY、DT Revolution、DT Competitionは見たことがある。フロントはラジアルとクロス組みがあるようだが、SPRINT350のクロス組みは見たことがないので、恐らくクロスはCR350のみだろう。自分の購入した物は恐らくDT COMPETITION 1.8-2.0のブラックにシルバーニップル、ハブのロゴは前期タイプでフロントがラジアル。
なんと言っても、各パーツの軽さがウリのホイール。かつて単体販売されていたリムは実測値でも360g前後と非常に軽い。ハブも価格の割りに公称値でF+Rが263gである。その代わり不具合が結構あり、リアハブはリコールがあったこともある。しかし、それでも使用者が絶えないのはやはりグラム当たりの価格がTUNE等より遥かに安価だからだろう。
初期の公称値は1300gを切っていたが、DT Competitionを28+32=60本も使用して切れる訳がない。リムとハブで約1000gあるため、恐らくCX-RAYで組んだ重量だろう。DT Competitionだと実測で1455g(リムテープ込み)だった。
ハブの回転はそれほど悪くない。フロントハブは軽量化のため左右が独立して動く。用はシャフトが通っていないわけだ。リアは従来のラチェット機構と異なり、1本の針金が起動を司る。穴の開いたリングの上を針金が通って行き、踏み込むとプレートの穴に引っかかった針金がラチェットの羽を開き、初めて駆動力が伝わる。タイムラグはそこまでひどくないが、ラチェット音は正直ひどい。やまかしいうえビチビチと上品とは言えない音を立てるため、メンテナンスの度に残念な気分になる。ラチェットの抵抗は非常に大きいため、ダウンヒルでも軽く漕いだ方が良さそうだ。
しかし、乗った感じは普通である。リムが非常に軽いため、普通のアルミホイールから移行した自分はダンシングでリズムが掴めなかった。逆に、これに慣れると他のホイールが重い。坂でギア1枚分軽くなったとかは思わない。自分は一定ペースで登ればリムの重さはあまり気にならない。ただし、20%を超える、一定のリズムで上がれないような激坂は少し楽になった。一踏みで踏んだ分しか進まないような場面だと、負担は結構違うようだ。
後輪のスポークが32本もあるおかげか、横剛性は高く、クッション性も結構高い。PRO3に軽量ブチルチューブだと本当に滑らかで、何気圧入れても1度のツーリングで後輪を何度も振り返って見てしまう。これではパンクしても分からないのである意味怖い。
スポークが多いことによる空気抵抗の増加だけが心配だったが、結局ほとんど変わらなかった。最高速の自己ベストを出したのはこのホイールだし、自分のレベルでは大きな違いではないのだろう。
総じて、バランスの良く取れたホイールだと思う。強いて言えば貧相なリアのラチェット音をどうにかしてほしいが、これはもう仕方がない。スポーク組み換え次第ではかなりの軽量ホイールになるため、手組みをする人は1セット持っていても良いのではないだろうか。
価格評価→★★★☆☆(普通)
評 価→★★★★★(万能)