購入価格 ¥20万円(カセットのみコーラス、ブレーキ、ペダル、ヘッドセット無し)
今更感のあるレビューですが然り。
来年から上位機種は軽量化が進みますが、基本性能は同じなのでどうぞ。
新車を組むにあたって、最初はコーラスでいく予定だったが、スパレコの復活によりコーラスの位置づけに疑問を感じたのと、
ブレーキは例のMAVIC.SSC、更に為替の関係もあるのか10Sのレコードより値段も若干下がったので選択。
なのでブレーキアーチだけはカンパではない。
比較は10Sのケンタウル、一度だけ乗った10Sのレコード、試乗で何度も乗っている79のDURAなどなど。
まずヴィジュアル的にも変わったブラケット、賛否両論ありますが小さな手の自分には大変有り難い設計です。
見た目よりスリムなブラケットなので、手のひらとの接地面が増えた割にリーチは10Sと変わらず、
路面のバンピーな下り坂、また「つの」の部分を持つシマノのブラケットでしか出来なかった伏せるポジション、
2段階にくびれのあるレバーへのコンタクト、これら全て旧型のブラケットに優っていると感じました。
コレだけでも十分なのですが、変速性能も申し分ないです。
特に、自転車界で最も秀逸と言われているDURAのフロント変速と比べても、
フィーリングにこそ違いがあるもののワイヤーで引いてる事を忘れさせてくれます。
対してリアの変速がイマイチ。これはきっと自分の個体だけの可能性が高いですが、
新品の時のフィーリングから比べると随分落ちました。(現時点で3.000㌔弱)
スペアのホイール用にスーパーレコードのスプロケットを入れてから余計悪くなったような。
現在、対策を模索中で新品をもう一つ買って試してみる予定です。
これも賛否両論のある11Sは、今の自分にとっては重宝しています。
12-25を入れていますが、のんびり走るとき一番よく使っているのは18T(フロント50T)、18Tは11Sの専売特許のような歯数です。
また、19Tよりトップまで1段飛ばしは僅かな起伏にも逐一対応できるので、これも11Sの良さかなと。
非力さゆえ、感じたメリットですね。
クランクはスーパーレコードと違い、CULT(潤滑油無しベアリング)ではないのですが、
非常によく回りますし、豪雨の中を走った次の日もイイ感じに回っていました。
高回転時(110回転前後)のスムースさは、気のせいではないでしょう。
以下、不満。
1、チェーンが外れない
コネックスリンク、ミッシングリンク、豪脚さんはだいたい2.000㌔程度でそのリンク部分がダメになると聞きますが、
非力な自分には関係ないので早くリンクを出して欲しいです。
チェーンに砂利が詰まっている音を聞くほど、精神に悪影響を及ぼす事は他にありません。
2、下ハンから変速をするとき、シフトアップが硬い
これも現在、対策をショップと相談中なのですが、ラチェットかスプリングが硬すぎて、
変速すると1段ではなく2段以上ギアを上げてしまいます。
フロントのレバーはそんなに硬くない(むしろ柔らかいくらい)ので、自分の個体が原因の可能性大いにアリ。
3、早くもチェーンリングのコーティングが剥がれてきた
これも事前に情報は仕入れていましたが、近頃、高ケイデンスで走ることにハマっており、それも原因の一つかと。
11Sのねずみ色チェーンリングは、チェーンとの摩擦軽減の為のコーティングと言われているので、先が思いやられます。
◎総評
こまごまとした文句があるものの、投げ出さずに使っているのはやはり「性能が高い次元で落ち着いている」と言えるのではないだろうか。
10Sのレコードがあまりにも完成しすぎていたコンポであるので、それ以上を期待すると痛い目に遭うかも。
また、やはり下位グレードとは一線を引く何かがあり、モチベーション向上にも一役買っている。
エンジンが己の心臓であるスポーツ、自転車の世界では、大変意義のある事柄だろう。
レーシングコンポーネントだけに、日々の調整は欠かせないが、それもまた楽しみの一つ。
話を聞けば聞くほど、シマノの技術力の高さ、製品の巣晴らしが見えてくるが、
そこであえて、今の自転車界ではクラシックな存在となったカンパを選ぶことも、
決して間違ったことではないと断言できる。
価格評価→★★★★★(カンパの歴史に免じて、今回だけは許す)
評 価→★★★★☆(コンポに完璧は無い)
<オプション>
年 式→2010
カタログ重量→ 2025g
(スプロケだけでかなり重かった(+30g)ので実測重量は更に膨れ上がるかと)
調子乗って手袋も11Sにしてみた(笑)