購入価格 €210 + 送料20 @ Starbike
こちらをお読みになる前に、
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=3689&post_id=11682&forum=82#forumpost11682を是非読んでみて下さい。
いざ、オープンセサミ!
ず〜っと欲しかったんだけど、買おうか止めるか悩み続けてきた一品。プロ中のプロが組んだホイールを入手できたのを機に、奮発してみました。
もうね、呆れるくらいの作り込み方です。アルミCNC切削の分厚いアームに非常に綺麗なアノダイズ加工。メインピボットにはベアリングが仕込まれ、ダイアルゲージ(測定単位0.01mm、アームに装着した状態で計測できるのは5.5mm位まで)装備で、本体・ハードケース・果てはDTからの発送に使われたであろう外箱にまでシリアルナンバーが刻まれ、calibrated(校正済み)のステッカーが誇らしげに貼られて…もう徹底的に管理された精密器具であることを、これでもか!とアピールしてきます。調整用に付属している2.5mmヘックスレンチなんて、安物ではなくみんな大好き(俺だけか!?)PB Swiss Toolsですよ…これより値の張るハンドツールは世に幾らでもあるけど、私にとって見た目の押し出しで堂々の王座ですねこれ。
テンションメーター使用に際しての基礎はTM-1のところでカバーしましたから割愛します。セットにも換算表は付属しますが、オンラインでも入手可能。
(注: PDFファイルをダウンロードします)
http://www.dtswiss.com/getdoc/ae573d55-4b20-49e2-ad37-02b99b8ee8cb/Datasheet.aspx実際に使用してみると、288gと結構重量感があり僅かな手のブレにもゲージがガンガン反応するので慣れないうちはかなり神経を使います。特にCX-Rayの様なエアロスポークは僅かでも捻れていたりスタッドを当てる角度がスポーク水平面からずれると、トンチンカンな数値を返してきます。アナログは1/100mmですがデジタルだと1/1000mmまで出るようなので、使いこなすにはそれなりの心得が必要かと思われます。ごく細かいことまでこだわるなら、計測時の温度管理まで考えなきゃならないんでしょうね…とにかく、その気になればイヤになるくらい精密に測れますw。付属しているダイヤルゲージはDT Swissのロゴが入っているけどどこかのOEMでしょう。値段と性能から言って、多分国内で売られているミツトヨの¥5,000位のゲージの方が高精度なんでしょうけど。デフォルトのやつが気に入らなければ差し替えることは可能ですが、1/1000mmまで計測してもそれを張力に換算することが出来なければ、無駄なのではないでしょうか。という理由で、アナログのさらに倍値の張るDigital Tensioは存在意義が???です。
このダイヤルゲージは裏からイモネジ1本で固定されているだけなので、強い力を加えると簡単にズレてしまいます。ズレたらイモネジを緩めて、もう一度ダイヤルの大小両針がゼロを差す位置で固定し直すゼロ出しが必要になります。文字盤もフタに連動して外側の文字盤のみ動きますから、1/100メモリ1個分くらいの細かな調整はゼロ出ししなくても使えますが、精密機器なだけあって、扱いがちょっとやっかいです。
Park Tools TM-1のレビューでも測ったCX-Rayですが、Tensioでは0.42mmと出ました。換算表で最も近いのは0.41mm=1050N≒105kgfですから、Park Tools TM-1もTensioもどちらも校正の必要はなく正確であることを物語っています。それにしても、wheelbuilder.comで組んでもらったZippは話し合った結果1100Nでオーダーしているので、ものすごく正確に組まれていたわけです、脱帽。それと校正についてですが、アームやピボット、スタッド類が摩耗したりするとは考えにくいし、面白半分で緩めたりしなければその辺はメンテフリーと考えて良さそうです。ただしダイヤルゲージは使用回数や条件によっては交換が必要になることも考えておかねばなりませんが、作業はごく単純でユーザーでも出来ますし、先述の通りDT純正でなくてもそこそこのお値段で高精度のゲージが入手できるのでそんなに心配しなくても良いでしょう。あとはゲージ測定子横のスプリングですが…ここは頑丈であってくれ、と祈るばかり。交換は全部バラさなきゃ無理っぽいし、諦めてまるごと買換かサービスセンター送り(国内にはないので多分台湾送りか?)でしょうかね。
その他注意点としてすでにPark Tools TM-1の項でも既に述べましたが、Tensioはごく低いテンション域は構造上計測できない場合があります。Parkのをすっ飛ばしてこちらを最初に購入する人はまずいないと思いますが、ご自身が使う予定のスポークと想定テンションを予め調べておき、計測可能かどうかを確認しておかないと、美しくも無駄なオブジェと化してしまうかも知れません。
・まとめ
+圧倒的な美しさと存在感!!
+ 各部の精度や動作感も抜群に滑らかで歪みや曖昧さが一切無い。数Nまで徹底的にこだわってホイールを組みたいのなら、心強い味方。Parkのメーターとセットで使うと さらに効率的か。
- 重量や測定の感度など、神経質でやや扱いにくい。
- 高ぇ!!!
価格評価→★☆☆☆☆(ヒャッハー!!!そんな問題じゃねえぜ!)
評 価→★★★★☆(精度・使用感・見た目は抜群!ただ、使い勝手が厳しい。)
カタログ重量→ --g (実測重量288g)