¥0
http://velonews.competitor.com/author/mbarryDiscoveryChannel→T-Mobile→Columbia HTC→Sky Pro Cycling Teamと渡り歩き今なお現役バリバリ、いぶし銀のMichael Barry。ずっと自身の成績を追い求めるというよりアシストとしてのキャリアを歩んできた彼が、VeloNewsに不定期ですがコラムを寄稿しています。プロの物書きとしての顔も持っている彼は、これまでにもNew York Timesへ寄稿するなど周囲の認知度も高い様子。
http://www.nytimes.com/2008/11/13/sports/othersports/13cycling.html?_r=2&ref=sports&oref=sloginレース中プロトン内で起こる物事を面白おかしく切り取って暴露的に書き立てるというスタイルではなく(そっちのスタイルはZabriskieの手によるものが圧倒的に面白い)訥々とした語り口の、しかし力強い文章でもってトッププロサイクリストの日常世界に引き摺り込んでくれます。文章のレベルは相当に高く、トピックのほとんどが自転車関連であることを差し引いて考えても文句なしで面白い。波乱に満ちたプロとしての自分のキャリアを時に突き放した目で考察してみたり、UCIやらレース運営陣営からの理不尽な扱いを痛烈に批判してみたり、身も心もボロボロになりながら一瞬の栄光を求めて苦難に耐え抜く仲間について温かい言葉で語ってみたり、とレース中継では決して語られない内容が盛りだくさん。かといってゴシップ的twitterエントリーでも到底切り取れないプロ選手の日常がそこに綴られていて、まとめて読むとちょっとした小説くらいの分量があるし、なんとなく個人的に大好きなPaul Austerの小説に近いものを感じます。割と息の長い連載で、フリーエッセイの形式をとってはいますがただの日記的内容には留まっていません。英語が苦にならない方は、飲み物片手に是非じっくり読んでみてください。
ついこの間、DC時代にチームメイトだったFloyd Landisにドーピング常習者として名指しで指弾されていましたが…事実無根と信じたい。
ちなみにRouleurからLe Métierというフォトエッセーも出しているので、読んでみたいのですが送料まで含めると確実に福沢さんが飛んでゆく価格に躊躇しています…どなたか読まれた方、いませんか?
Cervelo Test TeamのTed KingもVeloNewsにコラムを持っています。Barryと比べると肩の力が抜けた、リラックスして読める内容になっています(こちらもめっぽう面白く、決して劣っているという意味ではありません。)
価格評価→★★★★★ (無料です)
評 価→★★★★★