購入価格 ¥3,000-
とあるリサイクルショップこのなんとも高価なヘルメットが明らかに未使用状態で販売されていた。あまりにも安かったので、中身をしっかりと確認し即購入。
それまではgiroのindicatorを使用していたが扱いが粗く発泡スチロール部分にしっかり亀裂が入りつつあったためちょうどいいタイミングであった。
OGKと言えば、redimos、ms-2、regas-2あたりが上位モデルとして思いつくが、この定価で3万近くするモデルとセカンドグレードのms-2の大きな違いは「カーボンロールゲージ」とやらでヘルメット全体が若干補強されているか、だけのようである。重量公称値は同じであり、regas-2との線引きになる消臭ストラップやパッドなどの技術はms-2にも採用されているようである。
なるほど見た目はなかなかカーボン柄もあいまってかレーシーな具合である。形状自体も変なゴツゴツ感はなく後方への流線型のデザインは無難にかっこいい・・・気がする。
しかし被ってしまえばそれなりに被りが深いこのメットは立派にきのこ感を演出してくれるのはご愛嬌。
不自然に主張するkabutoマークも無用の自意識を捨てれば気にならない程度であろう。
要は個々人の好みがあるのは当然として、やたら多いカラーの中からお気に入りの一つ選べれば造形物としての所有欲を満たしてくれる製品であるとは思う。
実際に使用してみるとやはり頭部に乗っかるものが100g軽くなったわけで確かに気持ちすがすがしく走れる。まとわりつくような鬱陶しさはだいぶましになり、走りながら脱ぎたくて仕方なくなるような印象は消えた。重量だけでそのような思いに囚われていたわけでもないだろうから、通気性などの快適性も最低限は向上したと考えられる。何よりメットを被らない選択肢はない以上、この高級メットを拒否しても仕方がないというあきらめが効くのも実は大きいのでないだろうか。メットを拒否りたくなる煩悩を取り去ってくれるのはこのメットの隠れた特性かもしれない。
しかし残念なのは細部の仕上げであろうか。角張ったデザインで削れやすいというのはあるにしろ、打ちつけようもない内側などにも顕著なバリがあったりする。アジャスターは軽量化を狙ったのはわかるのだが、ベルト部分などがあまりに華奢過ぎて、下手に調整すればすぐに断裂しそうな具合である。調整一つもデリケートな作業になってしまうのでこういった使用感に大きく影響する部分で軽量化をはかる必要性があるのかは疑問である。
一方で他の方がメガネとの組み合わせが難しい、肌に触れると痛いというような評価がなされているストラップはフィット感が絶妙で締め付け感やこすれ感はないがホールド感が得られる程度で好印象である。当方サングラスとの組み合わせでも特に干渉は起こらなかった。
以上製品としては軽ければ、外見もなかなかで、おそらくメットとしての本来の機能(頭部を守る)に関しても何ら弱点のない製品なのであろうが、敢えて大きく値の下がるregas-2やms-2を超えてこれを購入するのかという理由づけのしづらさを感じてしまう、若干の洗練されてなさを感じてしまった。
裏返して言えば、特にデザインや軽さにこだわりがなければ、おそらくregas-2、ms-2がベストバイなのでは。
価格評価→★★★★★(←20000円程度なら★★)
評 価→★★★☆☆(←やはり”高級品”としては細部が甘いのでは)
<オプション>
年 式→2011
カタログ重量→205g(S/M)(実測重量 206g)