通崎睦美(つうざきむつみ)『天使突抜一丁目』淡交社、初版発行2002年12月4日。再版発行2002年12月28日。本体価格1,500円。
筆者はマリンバ奏者。
京都市内に実在する地名(著者の住所)からつけられた書名と、着物を着てブリヂストンの実用車に乗る著者の表紙写真で、出版当時話題になったような記憶がうすらぼんやりとあるんだが、どうか。出版社は地元京都の淡交社なので、京都近辺だけだったか。
でもそのころは読んでない。
「近くの図書館で自転車をキーワードに検索して出てきた蔵書を順番に借り出す作戦(自分、ヒマなんか?いや子供と一緒に通っているもんで。その間に自転車に乗りいなホンマ。という内なる声を説き伏せつつ)」の何冊目かで閉架書庫から借り出した本だ。
「着物」「京都」をキーワードに、なんということはない日常をそのまま書き綴ったエッセイ集。
いつもの着物を着て、お気に入りの場所で写真を撮る。撮影場所は「うちから自転車で行けるところ」に限定して選んだ…とのことで、今ならブログでの発表になるんだろう。
内容は京都のことば、京のわらべうた、骨董市のこと、祇園祭などなどのいわゆる京都本で、ほとんど興味がない(スイマセン)。
ひとつ面白かったのが「着物で自転車」と題した一節だ。なるほど、表紙の写真はダテではないわけね。
筆者によれば、練習も必要なくごく普通に乗るだけ。大事なのは座り方、腰掛けるときはおしりの縫い目に気を配るとよいそうだ(「サドル探しの果てしない旅に出かける」ではなく)。
ほかにはぴたっと着付けしすぎないこと、袖丈一尺七寸ならばたつかない、傷ついたら困るような上等な履物をはかないことなど。参考になるなあ。本当か。
ただし、これは実用車の場合。ロードやMTBでは着物での乗車は厳しいだろう。というか誰も乗らないだろうが。
本文中写真図版に何度か登場するブリジストンの自転車は、ピカピカなので撮影用の借り物だろうけど、クラシカルなスタイルでなかなかカッコイイ。
価格評価→図書館で借りたので評価なし。自分では買わないだろうけど
評 価→★★★☆☆着物を着たときに試してみよう…いつのことやら