『聖地』というものがある。
例えば、キリスト教なら「エルサレム」、ヒンドゥー教なら「ワーラーナシー」、聖剣正統の十戦士なら「月」、漫画家なら「トキワ荘」、らき☆すたなら「鷲宮」、ハルヒなら「西宮」などなど。
聖地を訪れる行為、すなわち巡礼には、様々な理由が存在する。
自らの信仰を深めるため。
或いは確かなものにするため。
しかし信仰には、宗教的な意味合いだけでなく、ある人物・作品等に対し、強い思い入れや熱狂的なファン意識を持つことも含まれる。
かつて実在した或いは実在している人物、又はある作品の登場人物がいたとされる場所を、一度は見てみたい、訪れてみたいという欲求を満たすことによって得られる、対象との一体感。
その場所を自分が知る事実、登場人物と同じ世界に自分が居る事実を得ることが、いわゆる聖地巡礼における、最大の動機となるのだろう。
そして今ここに、全国ン十人とも言われる(少な!?)『チタニスト』達の聖地なるべき場所を紹介する。
兵庫県高砂市阿弥陀町にある、聖武天皇の勅願によって奉祀された神社。
──鹿嶋神社。
詳細は、各自検索して調べていただくとして、何故ここがチタニストの聖地なのか。
その理由は、コレだ。
はい、チタン製の大鳥居でゴザイマス。
平成10年に建てられた、幅35メートル、高さ26メートルで、チタン原色が眩しいこの鳥居。
もちろん全部がチタンで出来ているワケではないが(中身は鉄骨)、それでもこんなけデッケェ鳥居の全面にチタンパネルを張りまくっているのだ。
そんなに持つのかと思う反面、そんなけしか持たないのかとも思う、ちょっとドッチツカズの1500年という耐久性を誇るこの『チタン大鳥居』。
良く言えば凄い、悪く言えば意味が分からないこの仕様には、信心に乏しい者でも、驚嘆せざるを得ないであろう。
見上げた鳥居。
このチタンの鈍い輝きと、抜けるような空の青さがもう。
愛車と共に。
自転車と比較すれば、どんだけデカイ代物なのか、理解し易いだろう。
自転車での一番簡単なアクセス方法は、輪行でJR曽根駅下車、駅から国道2号線を利用することだ(もちろん、九州や青森の人でも、直接自転車で乗り付けてかまわない、全ての道は繋がっているのだ)。
しかし2号線までは良いのだが、そこから神社に向かう道は結構悪く、アスファルトで舗装はされているものの、小石や砂利が多い上にだいぶ荒れているので、ロードで行くには少々不安が無いでもない。
自転車を利用しないのなら、電車で歩きにするか(徒歩は約30分かかる)、車で直に行くか、姫路・加古川から出ている直通バスを利用するべし。
赤くて大きい鳥居や、たくさん並んだ鳥居、黄薔薇さまの鳥居も良いが、こんな鳥居も、余裕があれば見ておくのも良いだろう。
評 価→★★★★☆(口を開けたまま見上げてはイケマセン)