今年はソメイヨシノの桜並木を見たくない気分に襲われてしまい、10数年間通った埼玉の見沼田んぼにも行かずじまい。
実は、山で自然に咲いている山桜(葉芽も一緒に出てくるヤツ)の方がいいなあと思うのですが、今年は特にその気分が強くなり、反対に、川沿いとか公園にある桜並木を見たくなくなってしまったというわけです。うちの人も同じことを言っていました。歳をとると我儘になるんですかねぇ。
山肌に浮き上がる山桜の遠景や、山を徘徊していると時々現れる山桜というのは、ふ~、イイですねぇ。
吉野の山桜のような凄いヤツではなくて、さり気ないそれが癒されます。山中の開けた日なたにある一本の山桜の巨木におびただしい数の蜜蜂などが集い、花を渡り歩きながら立てる無数のvvvvvv~という羽音と小鳥のさえずりだけが、静寂の中で聴こえてくる様は、実に不思議です。
というわけで、都心から東武日光線で簡単に訪れることができる栃木県の新大平下駅から、のんびり農道と林道をつないで、太平山の謙信平へとアプローチする短いコースをご紹介します。オンロードなので、静寂、というほどではありませんが。
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=1bddccaea800df7324e27e091c0ccfcf4月11日に行ってみました。私は延々走って駅まで自走で辿りつきましたが、東武日光線で埼玉から来た知人は、「いや~、日光線って空いていて、いい電車だねぇ」と。どうやら、輪行楽勝!のようでした。なお、すぐ近くにあるJR両毛線の大平下駅も、同様に都心からのアクセスが簡単です。
ここから目指す謙信平までは、大した距離ではありません。登坂がありますが、ゆっくり登って春の空気を楽しみながら行けば、安い折りたたみ自転車でも、全然、大丈夫です。
まず駅東口隣の物産店で、何故か「お食事処」の幟を発見。他にも「ラーメン」「手打ちそば」「閉店セール」など等、多数。180cm×60cmの大きなモノですが、たったの200円。
「お食事処」を、いきなり衝動買いしてしまいました(トホホ・・・)。
これはたたんだ状態
主要道は避け、農道に出て、チンタラ行きます。
そろそろ田畑をトラクタで耕す季節なので、泥んこが時々、道路に転がっていたりします。山桜が所々に咲く低山が、段々と迫ってきます。遠くから見るのも、いいですねぇ。
林道に入ります。
しかしこの舗装された林道。以前のALPS LABでは表示されましたが、サービス移管先の現行ルートラボでも、Googleマップでも表示されません。あとで私のクルマの安物NAVIで調べたら、やっぱり表示されませんでした。そんなわけだからかどうか、とにかくクルマが少なくて、サイコーにいい道。
でも自転車ブームなんですね。
時々、アホみたいに飛ばす、とことん場所をわきまえない無粋なロードバイクが出没するので要注意。この道はハイキングの人がよく歩いていますが、気をつけたいものです。
それにしてもこの日は、曇っている割には暑かった~。
途中、清水(せいすい)寺と、名刹、大中寺で立ち止まり、徘徊します。こんなときSPDシューズは便利ですね。スニーカーっぽい靴だと更に便利。
桜の時期、観光地としての太平山の表側の道路(地図で見ると、東側の国学院大学辺りから太平山へ周回する道路)は、見事な桜並木が続いていますが、この時期限定で一方通行規制されるこの道は、反時計回りで、壮絶な渋滞が最高地点の謙信平まで続きます。
謙信平の駐車場に何とか辿りつき、この辺に軒を並べる店の前の青空座敷で、風光明媚な景色を眺めながら、うどんやそば、たまご焼きや焼き鳥などを食うためです。
これはこれで、とても楽しい。
しかし、駐車場はそれほど大きくはなく、とにかく回転が悪いので、ここで駐車待ちするクルマの列がズラーと並び、それが原因で山麓まで大渋滞が続くというわけです。
というわけで、気分よくチンタラ走って、裏側の極秘ルート(笑)から謙信平に辿りつくと、そこは表側のクルマが織りなす渋滞地獄絵図。
顔色を失った運転手と、イライラが募りつつも平静を装う同乗者。クルマの中には楽しそうにしている人が全くいない。クルマという文明の利器で自由を手に入れ、そして翻弄され、自由を失った現代人がここに集結しています。(←これは完全に言い過ぎですね、スミマセン)
結局駐車場に入れるのを断念し、そのまま下って行ってしまう人も多数。悲喜こもごものドラマが展開しています。
そんなひどい渋滞路を、どこ吹く風とばかりに自転車野郎が時々現れ、通り過ぎ、あるいは団子を食い、景色を見ながら楽しそうに喋っています。山を縦走してこの場所にたどり着いたハイキングの人々も、実に満足そうです。
今回の極秘ルート(笑)。
それは実にすばらしい、自転車とハイキングの人々にだけ与えられる至福の空間です。
(自転車以外の人に決して教えてはいけませんヨ!!)
私たちはうどん、たまご焼き、焼き鳥、団子を食って満足し、再び裏道へと下りました。
渋滞地獄絵図に巻き込まれず、いとも簡単に「陸の松島」と謳われる太平山謙信平にアプローチできるこのルート。今週末は、かなり散っていると思いますが、山の新緑が芽吹いて、春の美しさが増しているかもしれません。
東京の方も、機会があったらいつか試してみてはいかがでしょうか。
なお、たくさん走りたい方にはこちらがお勧めです。
http://route.alpslab.jp/watch.rb?id=3598b95dffaf048bf7bdd0d86ff8c868※上の文章で出てきた林道の入り口は、このルートの36km地点付近です。林道の部分はこちらをご参照ください。
評 価→★★★★☆