[ROAD] BMC Racemaster SLX01 2009モデル
購入価格 ¥160,000 正規品 ('08 SL01購入価格+アップグレードチャージ30,000 ※補償期間内の為)
シートクランプ部にクラックが発見されたため本国にドナドナされていった SL01に代わり、ちょっと?マッチョな兄貴分SLX01がやってきました。 コンポ:シマノ105 ホイール:Fulcrum Racing7 タイヤ:MICHELIN PRO3 Race
比較のためまずはSL01と同じセットで600km程乗った後のレビューになります。
[ルックス] 全てのチューブが太くてエッジが立った造形なので、結構マッチョなイメージです。カーボン製トップ/シートステイとアルミ製シートチューブの接着部分はそのままベタッとくっ付けて表面仕上げも無し。塗装仕上げに関しても、「お値段以上」的だったSL01と較べてそれなりといった印象。 でも全体としてチープな感じはしません。造形的には非常に凝っているので、むしろそっけない所が凄みを漂わせています。トップチューブにうっすらとカーボン地が見えるのも良い感じ。 グラフィックのセンスはなるほどBMCらしいですが、たくさん付いたロゴやレタリングはやや好みが分かれる所。試しにフレームを持ってみると…あんまり軽くない。カタログスペックで1400g。フォークも入れるとほぼ2kgになります。まあその分耐久性はあるんでしょうけど。あと印象的だったのが重心が低い事。これはそのまま乗った感覚にも繋がっていきます。
[剛性感] ガッチガチのレース仕様です。筆者のレベルではウィップの欠片も感じません。ちょっと前の7000系フルアルミの感覚。メイン構造がアルミなのでそれもその筈なんですが、SL01とは全く較べ物にならない。同じメーカーで1グレード上とは思えないほどの硬さです。ただカーボン部で多少は振動を丸めている感じはあります。荒れた路面でフルアルミならバチバチッと来る所も何とか踏むことは出来る。また硬いなりに全体の剛性はかなりバランスが取れています。 硬いフレーム+重く硬いホイールの組み合わせの所為か、ゼロスタートの掛かりはイマイチですが速度に乗ってしまえば反応性、巡航性能は良好です。
[ハンドリング] 極低速から高速まで接地感が強く、路面からのインフォメーションが変わらないので安心して攻められます。コーナーも機敏ではありませんがとても素直なので、ヘアピンでも高速コーナーでもオンザレールで安定しています。上りも脚が残っているうちはグイグイ進んでくれます。 おそらくこのフレームの高剛性+低重心という特性が生きる場所は、連続するコーナーがあるダウンヒルでしょう。
[振動吸収性] はっきり言って良くありません。SLX01に最初に乗った印象が何かに似ているな…と思い出したのが、水道管みたいな鉄フレームのダートジャンプ用BMX(笑) 剛性感や安定性と引き換えに振動吸収はバッサリ切って捨てています。レース用と割り切るならアリですがロングライドには不向きです。 それでなくとも脚に来やすいので、某インプレにもあるようにカーボンなどのなるべくしなやかなホイールとの組み合わせがお奨めです。 特にBB周りが硬いのでカーボンクランクにするのも効果があるかと思います。
[総評] '08 SL01が疲れにくく程好いウィップ感のあるフレームだっただけに、このSLX01には最初面食らいました。さすがにBMCプロチームでパワーライダー向けに供給されているだけの事はあり、性格は完全にレーシングバイクです。乗り手が調子良ければガンガン進んで、ヘタレたらそれなりにしか走らない。ある意味正直なフレームです。 全速度域でほとんど変化しない乗り味なので、乗って面白いフレームではありません。ただ絶対性能は非常に高く自転車を信頼できるので、良い意味で自転車の事を気にせず走れます。一言で表すなら「タフ」なフレーム。ヒンカピーを目指すあなたにお奨めの1本です(笑)
[その他(ホイールについて)] 先日振動吸収性の悪さに我慢できず、試しにシマノWH-RS80-C24-CLに換えてみました。その結果、路面からの細かい突き上げは6割程度減少しました。やはりしなやかなホイールが合うようです。スピナジーあたりを入れてみるのも面白いかもしれません。ただゼロスタートのもっさり感はあまり変わらず…。
価格評価→★★★★☆(デザイン良し性能良し'10の値段なら星5つ) 評 価→★★★☆☆(良くも悪くも割り切ったレース用)
<オプション> 年 式→2009 カタログ重量→ 1400g(52サイズ)
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