[Race & Event] ツール・デ・フランドル 2010
勿論、現地で見たわけではなく、J Sportsで閲覧。 このレースを見るのははじめて。北フランスを走るパリ=ルーベとはまた違った雰囲気。
奇妙な渋滞が頻発したりで、風変わりなペースがおもしろかった。
「俺はシクロクロスをやるためにツール・デ・フランドルに出場するわけじゃない」とエディ・メルクスが皮肉を言ったという激坂群「ミュール(Murr=壁)」の一つ、コッペンベルグはすごかった。バランスを崩して足をついてしまったら、もはやバイクにまたがり直すことはほぼ不可能で、シクロクロスのようにバイクを押して駆け上がらないといけない。石畳の大きさが半端ではなく、上りきるにはかなりスキルがいるんじゃないだろうか。
ボーネンが勝つかな、と思っていたら、最後のミュールでカンチェラーラがシッティングのまま激走。ボーネンはゼーゼーいいながら(聞こえてないけどw)ダンシング。カンチェラーラは時々、太ももを叩いたり揉んだりして乳酸を取っていた。「最後に俺はやるぞ。ボーネン、俺は爆発するぞ」という台詞が聞こえてきそうなほど闘志がみなぎっているのがわかった。
このレースでいちばん印象的だったのは、カンチェラーラがゴールするとき、観客から受け取ったスイスの国旗をフィニッシュ時には持ち上げなかったこと。ゴール手前では「やったぜー」という感じで赤い旗を振っていたのだが、ハッと我に返ったのか、ベルギーのレースでスイス国旗を高々と見せつけるのはやめておいたほうがいいと判断したようだ。右手に持った旗を下に向け、慎ましやかに左手を上げただけのポーズ。
2009年のパリ=ルーベでは、ポッツァートへのブーイングが半端ではなかった。一般にフランス人はベルギー人を小馬鹿にする傾向があるが、同じフランドル地方だからなのか、ボーネンへの応援はすごかった。
そういうナショナリズムがちょっと見えたりするところも、なかなか新鮮だった。 いつか現地で見てみたい。
評 価→★★★★☆ 気持ちの良いレースだった
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