購入価格 ¥1,239
世の中には、マニアと呼ばれる人種が存在する。
「良いマニアは、死んだマニアだけだ」なる格言があるが(無い無い)、確かにマニアなる者は、一般人とは良くも悪くも一線を画してしまっているのは事実である。
そしてマニアには、曰く「フリーク」、曰く「フェチ」、曰く「バカ」等、あまり聞こえの良くない別称(蔑称?)も多々あって、更に輪を掛けてしまう始末。
例えば、「アルマイト処理」と聞けば胸を高鳴らせずにはいられない人や、「チタン」と聞けば心沸き立たせてしまう人もおり、また「CNC加工」と聞けば血沸き肉踊ってしまう人も多かろう。
彼らが持つ、決して中途半端では終わらないコダワリ・執着心・渇望・欲求。
その熱狂の果てに手にするのは、
「クックック、カッコえぇなぁ……」
只の自己満足か、
「凄いな~。よう真似せーへんわ」
違う意味も含む羨望か、
「お前アホやろ」
単なる変人の烙印か。
そして、そんなマニアの一人、自称「アルマイティスト(アノダイジストでも可)」の変人が、コイツをここに紹介するもである。
……前フリが長くてゴメンナサイ(汗)。
7075(航空産業用アルミ)をCNC加工したこのボルトは、ホローテックIIの樹脂製フィキシングボルトと交換することによって、地味で味気ない装いの左側クランクを、華麗にドレスアップしてくれる。
パッケージには、こうある。
・CNC-made
・aircraft aluminium
・laser engraving
・high quality anodizing
カラーはレッド、ブルー、グリーン、ゴールド、シルバーの五色。
尚、購入したのはゴールドだが、メタリックイエローと言う方がしっくり来る色合い。
装着には、12mmのヘックスレンチが必要。
某店で着けてもらおうとしたが、12mmが見つからなかったので断念したのはここだけの話。
自宅にあった小さい万力に、丁度12mmの六角形部品を見付けたので、それを利用して締め付けることが出来た(そんなに力入れんでええし、レンチ買わずに済んだし)。
このボルトを着けて走行したところ、疲労が軽減し、最高時速が増加し、クランクの回転が滑らかになり、空気抵抗が減少した、なんてことは全然無く、自身と愛車の性能にはサッパリ寄与しないのだが、何故だか心だけは満たされる(笑)。
『持つこと』に喜びを感じられる人(すなわち同類)なら、この気持ちをご理解していただけるだろう。
でも、もしあなたが普通の人なら、それこそ「お前アホやろ」と、一言で切って捨てるのはほぼ間違いない。
ハイ、結局これも、自己満足パーツってことですな。
『NC-17』は、CNC加工を得意とする(?)ドイツのメーカーで、ボルトや何やの小物ばかりではなく、ハンドルやシートポスト、クランクやチェーンリング、BBやハブ等、数多くの自転車パーツをリリースしている。
しかし、いささか知名度が低いのと、入手性に難があるのは否めないところか。
アルマイティスト、シーエヌシストの皆さん、食指は動きませんか?
価格評価→★★☆☆☆(1,000円以上は高いなぁ)
評 価→★★★★☆(10mmで締められたら良かったな)
カタログ重量→5g