購入価格 ¥不明
このホイール、とにかく素晴らしいです。
知人が使っていて、先日それに試乗させてもらった時のインプレです。
フレームは2008年(?)のCOLNAGO・ExtremePowerで、タイヤは不明です。
試乗時間は30分でした。
まずフレームに跨っただけでホイールの存在をほとんど感じないことにまず驚きます。
ちょっとオーバーな表現かもしれませんが、
黒光りするディープリムの大仰な見た目にそぐわなくて、
寂しいぐらい全くそれを感じさせません。
理由としては、ホイール重量がかなり軽いのと、
ハブの回転が滑らかで抵抗感がほとんど無いからだと思うのですが、
この印象は走り出すとより一層強まるから不思議です。
そのせいか、そこそこのスピードで流して走っていると
フレームごと宙に浮いて走っているような感覚になります。
当然気持ち良いです。
あと、このホイールが持っている独特の一体感もホイールの存在消失に影響していると思います。
タイヤ性能の影響もあると思いますが、
ロングライドで走っても全く問題ないぐらい乗り心地がとても良いので、
単に剛性が高いだけではないと思いますが、
大型のハブ、結線されたスポーク、ハイトの高いリム、硬質で精度の高いベアリング、
この4つの要素がうまく組み合わさっている感じで、
とてもしっかりした剛性感を生みだしています。
それぞれバラバラのパーツで構成されているはずなのに、
なぜかホイールに一体感があります。
この一体感に、強く踏み込んでも横にも縦にもほとんど撓ったりしない剛性力が加わって、
カーブや下りでは気持ち良いぐらいの安定感を生みだします。
今回走ったコース上には大きな上りが無かったのでちょっと、
上りに関しては分かりませんが、こんな感じで、
どんな状況下でも安定した性能を発揮するので、
ずっとホイールの存在を感じないで走っているような感覚を覚えます。
さらに、この剛性と一体感は加速力にも直結していて、
かなり素直に加速します。
気持ち的には、クランクからチェーンを通して伝達されるエネルギーを、
ほとんどパワーロスが無いように効率良く推進力に変えている感じがあります。
ホイール重量の軽さも手伝って、
いつもの感じで漕ぎ出すと軽快さからスカスカして、
バランス崩しそうになるくらいでした。
あと、風による影響についてですが、
走った日は横風気味のちょっと強めの向かい風だったので、
リムハイトは結構高いし、リム重量が軽いこともあって、
ハンドルは取られるのだろうと走りづらさを覚悟していましたが、
走り出してみると、やっぱりしっかりした安定感があって、
ほとんど風に影響を受けませんし、
それどころか横風を推進力に変えて進んでいるような感覚すらありました。
もっと強い風の中だとどうなのか分かりませんが、
これはただ軽いだけじゃないことを証明する、
素晴らしい空力性能の賜物だと思います。
ディープリム使用の一番のメリットとして、
リムの生み出す慣性力で高速巡航時にさらに前に進んでいくと言われますが、
このホイールは慣性力で進む感じはほとんどなく、
空力で進んでいくという感じがしました。
ゆっくり走るのが難しくなるぐらい簡単に速度が出て、
後ろから押されてスーっと前に自然と進んでいってしまうような感覚がかなりあるので、
ディープリムの恩恵は確かにあるのでしょう。
F1マシンの空力デザインの世界ってこんなことの追求なのかなと、
初めてカラダで感じている気もしたくらいなので。
ただその効果も、このホイールの魅力の一部でしかないくらいに感じてしまうから凄いですね、ホントに。
良いとこだらけです。
最後に、雑誌のインプレとか読んでもあまり書かれていないのですが、
ハブのベアリングの出来もかなり良いものと思われます。
とてもしっかりした良い意味での硬質感があるにも関わらず、
かなり滑らかに回ります。
回転を司る心臓部分だけに、
結構な精度で気合い入れて作ってるんだろうなと思いました。
インプレは以上になりますが、乗った総評としては、
多分、カーボンリム、カーボンハブ、カーボンスポークで作られたホイールとしては
既に完成の域に達しているのでは…と正直思いました。
もし、これ以上のものを作るのであれば、
全く違ったアプローチをしないと難しそうな気がします。
それぐらい弱点が見つからないくらい素晴らしい出来栄えのホイールだと思います。
ただ問題は金額ですが、
今年から輸入代理店がインターマックスになってしまったのが残念です。
LightWeightだけじゃないですが、
インターマックスは自転車の普及を邪魔するかのような値段設定(特にパーツ類)を大概しているので、
購入できる人なんてほとんどいないでしょう。
このホイールの凄さを知れる人がほとんどいないのかと思うと、
それがとても残念です。
一瞬しか乗れなかった私ではありますが、それでも十分満足でした。
「現在最高とされてる機材ってこんななんだ~すげー!!
でも、どんなにお金を掛けても機材ではあれ以上のアドバンテージは得られないんだな…」
というモノに頼ることの限界を知れたので、所有欲も吹っ飛びました(笑)。
やっぱり自分だなっと、初心に帰って。
いや、ホントに良い勉強になりました。
長くなっちゃいましたが、
こういう高額なホイールはインプレ投稿がなかなかされないので、
敢えてチャレンジしました。
実際に購入するような人は、インプレなんか見ないで、
お店で店員さんから「このホイール最高ですよ」って言われて、
「あ、そ~じゃこれで」的な感じで、
値札見ずにモノを買えてしまう人たちだと思うので…
参考されることもほとんどいないと思いますが(笑)。
ちなみに普段はcervelo R3にDura-Ace WH-7850-C24-CLを履いていて、
タイヤはVittoria Rubino Pro2を使っています。
体重は70kg、平坦・無風であれば大体40km/h前後で走ってます。
頑張れば50km/hオーバーぐらいのスピードは出せるぐらいの足です。
ありがとうございました<m(__)m>
価格評価→☆☆☆☆☆(分かりません。)
評 価→★★★★★(性能はホント凄いと思う!)
<オプション>
年 式→2008年
カタログ重量→1075g