購入価格 ¥630
見城徹氏が発行人の幻冬舎から何故か出ている石田ゆうすけの、この文庫本。旅の人、椎名誠が解説を書いていて、随分と褒めている。
買ってみました。
サイスポでの石田氏の連載は、地元の人と温泉に浸かっているとか、味わい深いモノとかの映像があったりで、じんわり面白く、ゆっくり読んでしまうページです。そして昨年春頃の『「沖縄本島、離島の旅』などという、素晴らしい文章に出会って、何度も読んでしまうこともあります。
だからというわけでもありませんが、この本、毎朝ほんのすこーしずつ、3か月ほどかけて読んでみました。昨年の出来事ですが。
この遅さはちょっと馬鹿げているかもしれませんが、実は意外と面白い。これだけゆっくり読むと、何だか最後には、ついに旅が終わってしまうのか、みたいな感慨が沸いてきて、いろんな出来事が浮かんでは消えていきます。自分が石田ゆうすけと一緒に、世界を回っていたような感覚すら覚えます(そりゃ言い過ぎだわナ)。
世の中、時間の有効活用とばかりに速読がもてはやされたりしますが、遅読もいいものです。速く大量に読書すればイイってものでもないな、と。
「私はCDを2000枚所有しているんですよ」とかいう人の話を聞くと、それでどうするんだ?なんて思ってしまいますが、「でも、何度も聴くのはせいぜい、100枚。あとは大抵、一回聴いたらそれっきりですよ」と言われると、納得したりして。。。おっと脱線。
長丁場の旅行記は、ものすごくゆっくり読むと、大変味わい深くなる・・・これはもしかしたら発見かもしれない、と思いました。
こんな風に書いていたら、この本の中身のことをあれこれ書くことが、何だか無粋なことのように思えてきました。読んでみて大変よかった、と言うだけに留め、中身のことは書かないでおこうかと思います。
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★★