米津一成『ロングライドに出かけよう』自転車で遠くを目指す生き方・走り方
河出書房新社、定価1,300円税別。
2009年4月30日初版発行。
全国学校図書館協議会選定図書とのこと。
■目次
プロローグ
第1章 楽しさの鍵は距離感
第2章 半径50㎞を自分の距離感にする
第3章 距離感が壊れている人たち
第4章 ロングライドの乗り方・ブルベのノウハウあれこれ
エピローグ ロングライドは人生だ!
■体裁 ソフトカバー、B5版、無線とじ、巻頭カラー4P、本文206P
■内容
『自転車で遠くへ行きたい。』の続編です。
プロローグで自転車乗りが普通の人に語ってはいけないタブーがあげられています。
自転車の値段と走行距離。
あ~、そうですよね~。自分の場合も一生懸命説明して「ふ~んそうなんだ(棒読み)」で終わることが多いです。
前著もそうでしたが、紹介されているエピソードが具体的なので「そうだよね、あるある」とか「そうなんだ、なるほど」と思うところがしっくりきます。
100キロ単位の距離を自分の距離感として手に入れることが、本書のテーマ。
「距離感が壊れている人たち」として200km、300km、400km、600kmを走りきってしまう
ロングライドの達人6人へのインタビューが面白い。
「壊れている」って、600kmというテキストを入力しながらふとわれに返ります。
600km…これ、たしかに普通の人には理解できない数字ですね。
ロードとの出会い方、そんな距離まで走ることになったきっかけや、つらい時の乗り越えは6人それぞれです。
でも共通するところもあるようです。
(インタビューした6人は皆)…ぎりぎりのところでどこか楽観的であり、自分に対して肯定的なのだ。
自分を信じることができなければ、きっと本当の「遠く」には行くことができない。借りものの自分で
そんな距離を走ることはできないのだと思う。
…ブルベはしんどくなってからがおもしろい。そしてそれはぎりぎりの自分を信じられる、自分に肯定的な人
だけが楽しめる「大人の遊び」なのだと僕は思うのだ。/でもそれは、ブルベにかぎったことではない。
200㎞でも300㎞でも、それが自分にとってチャレンジであり、チャレンジする自分に肯定的であれば、
誰にでもロングライドは楽しめるはずだ。
後半のブルベ/ロングライドのノウハウも具体的で、600kmを走らないにせよ参考になります。
エピローグのタイトル「ロングライドは人生だ!」にあるように、自転車で走ることの意味を振り返るきっかけになる本です。
結局、楽しいから走るんですけどね。
価格評価→★★★★★本って安いですよね
評 価→★★★★★面白かったです