THOMSON Seatpost Collar

購入価格 ￥2,650

トムソンお決まりの、製品イラストの入った麻袋付き。
小さい袋が非常に可愛らしい。中身を見ずとも、この袋でやられてしまった(笑)

それとは対照的に、愛らしい袋から取り出されたクランプはというと、クールな男前という形容がピッタリだ。
武骨にして繊細。思わず彼と呼びたくなる。
曲面とエッジを巧みに組み合わせたデザインは、従来見られなかった斬新なもので、
独特の質感と深い漆黒と相まって、妖艶ともいえる存在感を漂わせている。
ダウンライトの下で怪しげな光沢を放つ姿を見ていると、その魅力に引き込まれて、夢うつつの世界へと誘われる・・・

・・・能書きは程々にしまして。

説明書を読んで、まず驚かされたのが、推奨締めつけトルクの低さ。
何と、まさかの2.8Nm！
通常のクランプなら5～8Nmだろうから、その半分くらいということになる。
ほんとに大丈夫か、と不安が頭をよぎるほどだ・・・

気を取り直して、説明書の指示通り、
トムソンのシートポストでお馴染のバレルナットと、シートチューブの上端にちょこっとグリスを塗布し、いざ取り付け。

「トルクレンチが必要」とあるが、生憎、こちとら12年使い込んだ手ルクレンチしか持ち合わせておらず。
今までの感覚を頼りに締め込んでいく。

「サドルをこじっても、動かなくなるまで締めつけろ」と書かれているが、
4Nmは超えた、という感覚に達しても、サドルは動く。
ちなみに、アルミフレームにトムソンのピラー。
余談だが、このトムソン同士の組み合わせは最高にカッコイイと思う。
ピラーとクランプの織りなす調和・融合。またしばらく恍惚としてしまった。

さてさて、仕方が無いので、感覚推定（いい加減）4Nmのまで緩めて、サドルがずり落ちなきゃいいか、
ということで、実際に走ってみることに。
ダートでわざとサドルにどっかり座って、具合を見てみたが、
ずり落ちていることも、サドルの首が振れていることも無かった（体重59kg）。

気をよくして、まだトルクを下げて今は感覚推定3Nmくらいで固定されていると思われる。
走行中は問題無いが、手でぐっとサドルをこじると動いてしまう状態。
ちなみに、ピラーに塗るグリスは気持ち少なめにした。
また、「シートチューブがピラーに対して若干太いと、固定が甘くなる」みたいなことが書かれている。
たしかに、同じサイズでもトムソンより微妙に太いEA70では、より低いトルクで固定することができた。

取り付け時にひとつ戸惑ったのが、シートチューブの割りとクランプの割りの位置関係をどうするかだ。
バレルナットの関係からか、締めつけの力の関係からか、横にオフセットした形でクランプの割が入っているのだ。

時計で説明すると、
「フレームの割りが12時とすると、このクランプの割りは、11時から7時の方向にかけて入っている」形になる。
この「12時と11時で割りを合わせずに、クランプを取り付けるのか」、
それとも、クランプを1時間ぶん回転させて、「12時で割りを一致させて取り付けるのか」に迷ったのだ。

で、代理店に問い合わせてみたところ、
「どちらでもよいが、12時で割りを合わせるのが一般的」」との回答を頂いた。
まあ、説明書にも“Collar slot inline with frame slot.”とあるので、字義通り解釈すれば、12時で合わせるのが正しそうだ。
尚、「カーボンのフレーム、ピラーを使用する際は、割りを180°真逆にするように」とある。

非常に低トルクで締めつけるわけだが、今のところ問題は無い。
こんなトルクで体重を支えられているのが、ほんとに不思議だ。

ただ、ピラーとの相性（微細な太さの違いによる固定力の差）もあるようなので、この点は注意したほうがよいかもしれない。
ピラーが微妙に細い場合、説明書には「シムを使え」とあるが、そんな微細な差を補正するシムなどあるのか、と不安になった。
自分なら、シートチューブ内にクリヤーでも吹きつけるかな・・・


価格評価→★★★★★(他のメーカーと比べても、ちょっと安いくらい。関税がかかってない？）
評　　　価→★★★★★(見た目が良い。低トルクで固定できれば、フレームにも優しいはず）

年　　　式→2010
カタログ重量→28g

購入価格: ￥2,557 (税込) ※サイクリング・エクスプレス
標準価格: ￥3,045 (税込)

『ただただ美しい… 小さな締め付けトルクで確実に固定できる機能美のシートクランプ』



■見た目重視で選んだシートクランプ
シートクランプに求められるものは確実な固定力だと思うが、GIANT FIXER Rに付いてきたKalloyのものでも問題なかったこともあって、シートクランプは今まで手をつけてなかったパーツだ。激しい乗り方をするわけではないので、固定力はどれを選んでも多分問題ないだろうと考え、見た目重視で選んだのがThomson Seatpost Collarだ。

　　
・Thomson Seatpost Collar 31.8mm Black。イラスト入りのポーチが高級感と期待感を高める。





■高い加工精度とアルマイト処理の美しさ
ポーチから取り出したシートクランプは、アルミ削りだしの加工精度の高さ、美しいアルマイトの表面処理が芸術レベル…というのは言い過ぎか。ロゴのデザインはシンプルで、小さくさりげなく付いているだけだ。あくまで作りの美しさで存在をアピールする。

実際に取り付けてみると、自転車に与える高級感は想像以上。黒くて目立ちにくいパーツなのかと思いきや、造形美による圧倒的な存在感は隠しきれない。同じくらいの高さにあるChris Kingのヘッドパーツと相まって、自転車の品の良さをますます高めてくれる。

　
・遠目では分かりにくい小さなパーツだが、目の前で見た時の存在感は大きい。





■小さな締め付けトルクでも確実に固定
説明書には「組み立てにはトルクレンチが必要。締め付けが緩すぎてもきつすぎても失敗する」とある。一般的なシートクランプの締め付けトルクは5~7Nmくらいだった思うが、Thomsonは2.8Nmとかなり低い。Thomsonのシートクランプが大きな固定力を生み出すことができるため、締め付け過ぎるとフレームやシートポストにダメージを与えてしまうこのことだ。

以上の点に気をつけて取り付けを行った。とはいえ、トルクレンチを持っていないので、手加減で慎重に締め付けた。FIXER純正のシートクランプよりもずっと弱めに締め付け、シートポストを左右に捻る等して動かないかを念入りにチェックした。

こんなに弱い締め付けなのに、実際の走行でサドルがガクンと下がることもなくしっかりと固定されている。なんだか不思議だ。部分によって厚みを変えた形状、シートクランプにねじ切りしない別部品による固定方法等、小さな力で固定できるように計算された結果なのだろう。尚、カーボンフレームには前後逆向きに取り付けるよう指示されている。

　　
・左　: 締め付けトルクの表示 。
　中央: 本体にねじ切りされずナット止めになっている。
　右　: 応力集中を防ぐオフセットデザイン。




■機能美という言葉がふさわしい
シートクランプは走行中には存在感を感じない地味なパーツだ。だからこそ、自転車から降りた時に自分の目を楽しませてくれる美しさがあると嬉しい。Thomson Seatpost Collarは機能美という言葉がふさわしく、見た目と性能を両立する優秀な自転車部品のひとつだと思う。さすが航空部品の信頼性と強度設計に基づいて作られるだけのことはある。固定力で選んでも見た目で選んでも大きな満足が得られるオススメパーツだ。




価格評価→★★★★☆ (納得の値段)
評　　価→★★★★★ (素晴らしい機能美。文句のつけどころがない)
<オプション>
年　　　　式→不明
カタログ重量→27g

購入価格 ￥2600

軽い力で確実に締まり、精緻な切削仕上げがインテリアにも最適なシートポストクランプ。
非常に使い勝手の良い小袋が付属する。

正直、シートクランプとしては高めの価格だし、別に軽くもないし敬遠していたのだが、
チタンフレームにトムソンのピラーを挿したらどうしても欲しくなって買ってしまった。



いかに固定力が優れいているかは他のレビュワー諸氏によって語り尽くされているが、本当に低トルクでがっちり固定される。
ボルトにはコニカルワッシャーとバレルナットが使われているうえに、肉厚なクランプは高精度高剛性。力が逃げず、均等にシートピラーを掴む。
しっとりとネジが締まっていく感触を味わえ、終わりのないサドル高調整が少し楽しくなる逸品。




価格評価→★★★★☆　割高なのに買ったら割安に思えてくる不思議なパーツ
評　　　価→★★★★☆　非常に満足度が高い。
カタログ重量　27g
実測重量　29g

購入価格 ￥2998 (海外通販)

LZPT2IBさんのレビューにある布袋にシートクランプと英語表記での取扱説明書が入っていました。
説明書に"MADE IN THE USA"という表記があり、アメリカ製で間違いないみたいです。

説明書の内容をざっと要約すると以下の通りです。
・グリスは取付ボルトに塗らず、クランプ内部にあるバレルナットに薄く塗る
・通常の取り付けの向きは締結部が後側にある状態
・カーボンのフレームやシートポストは180度回して締結部が前側にある状態にする
・サドルをよじっても回転しない所までクランプを締め付ける(最大2.8Nm)
・2.8Nmで締め付けても滑る場合はフレームとシートポストのグリスを除去する

私はトルクレンチで2.5Nmで締め付けましたが、全くずれていません。
カーボンフレームにカーボンシートポストという組み合わせです。
滑り防止のためのカーボン用グリスも一切塗っていません。
シートクランプとしては高い商品ですが、それだけの価値があるものでした。

実はADEPTのCARVED CLAMPというシートクランプがよく似た形状をしています。
ブラックとシルバー以外のカラーが4色あり、コーディネートしやすそうです。
個人的にはそちらも気になっているので誰かレビューしてもらえないかなぁと期待しています。

価格評価→★★★★★(高いがそれだけの価値があります）
評　　　価→★★★★★(とても良いです）