市販予定価格 ¥未定
2010年夏、OGK Kabutoによる問題作「Mostro 愛」はフランスで華々しいデビューを飾っていた。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=5593&forum=48ツール・ド・フランスに参加した全チームのアシストが「Mostro 愛」をかぶり、兜の緒を、いや、クラニウムロックを締めた。遠い日本の武士道精神は、ヨーロッパの騎士道精神に通ずるものがあったのか、「Mostro 愛」は非常に好意的に受け止められ、UCIもこれを特に規制することはなかった。
アシストとして活躍するプロサイクリストの誰もが、誇らしげに「Mostro 愛」を着用した。ただ一人を除いて。そう、それは、アスタナでアレクサンドル・ヴィノクロフのアシストをつとめるアルベルト・コンタドールであった。一説によると、エース・ヴィノクロフとチームマネージャーはコンタドールに「MOSTRO 愛」の着用を要求したが、この若く野心的なスペイン人は「契約にない」と言って断ったという。しかし彼は、第17ステージ(ポー~ツールマレー峠)のスタート時、OGK KABUTOが秘密裏に開発を進めていた「MOSTRO 恋」(プロトタイプ)を着用して現れた。

この「MOSTRO 恋」のせいで、好調なヴィノクロフ率いるチームアスタナの空気が一気に澱んだのは言うまでもない。というのも、エースを献身的な愛でアシストすることの強力な意思表示である「MOSTRO 愛」と違い、「MOSTRO 恋」は「とにかく俺が勝つ、勝つのはこの俺」という勝利への盲目的な欲求を意味し、着用者は自らの勝利のためならエースをも蹴落とすと公言しているのと同じだからである。
いま、先頭集団はツールマレー峠のゴール手前10km地点にいる。「MOSTRO 恋」をかぶったコンタドール(現在総合2位)の後ろで、現在総合1位のヴィノクロフは脚を休めている。この先頭集団には、チーム・レディオシャックのエース、アームストロング(現在総合3位)と「MOSTRO 愛」をかぶった別府史之もいる。同じく「MOSTRO 愛」をかぶったフランク・シュレックの姿も見える。総合上位3人のタイム差は僅差である。
あっコンタドールここでアタックだーっ信じられない、エース・ヴィノクロフを置き去りにしてアタックゥーッ何を考えているゥゥゥゥゥーッ!!
価格評価→ - / -
評 価→☆☆☆☆☆ OGKが「Mostro 恋」を市販することは、遂になかったという。
<オプション>
年 式→2010
カタログ重量→4500g