埼玉県をほぼ縦断する緑のヘルシーロードと、JR東北本線(宇都宮線)が交差する踏切のあたり。東大宮駅と蓮田駅の間なので、鉄道ファンの間で”ヒガハス”と呼ばれている。
より大きな地図で ヒガハス を表示東北新幹線の開通や、その後の夜行列車廃止などで、今では通る列車も普通列車ばかりだが、時折お座敷列車などの臨時列車、訓練や各種検査のための列車、特殊な貨物列車などが通るという情報を聞きつけた鉄道ファンで賑わうことがある。そんなときは場所取りも熾烈で、お目当ての列車通過の数時間前から、アルミ製カメラバッグ、ごっつい三脚、複数台の一眼レフカメラ、中には6×7判と呼ばれる中判カメラなどで武装した鉄道ファンたちが集まり始める。
ごく普通の田園地帯を線路が突っ切るだけのところで、別に風光明媚な場所でもない。ありふれた田園地帯を前景に、何にもない背景。じゃまなものがなく列車が引き立つというのが人気の理由らしい。
「なにもない、だが、それがいい」というヤツだ。通好みなんだな、きっと。
陽の長い夏場なら、東京から始発列車で上り夜行列車の迎撃にも行ける北限でもあったことで人気を博したようだ。
写真は2009年4月8日撮影。運転士の訓練列車だったようだ。鷲宮神社の帰りに通ったら踏切に鉄道ファンが鈴なりになっていたので、何か変わったものが通過するらしいと思ってちょっと待って持ち合わせのコンデジで撮ってみたもの。行きに通ったときには既に数人場所取りをしていた。踏切そばの鉄道ファンの集団からやや離れて、画面左に桜の花をなめもの(前景のことを写真用語でこう言う)に入れる単独アタックを狙ってみたが、列車通過直前の強風で殆どフレームから外れてしまった。ピントは「この辺りに先頭が来たら撮ろう」という場所にピントをあらかじめ合わせておく”置きピン”という方法、連写なしの一発撮り、もちろんロードバイクの通りすがりなので三脚などない、そこは600mmでさえも手持ちが当然の飛行機写真屋の意地である。
機関車は寝台特急カシオペア牽引用のもの、あとに続く客車は寝台特急北斗星などに用いられるもののようだ(最近の列車はよくわからない)短い6両編成の客車が、Nゲージの鉄道模型のようである。桜の花がなくなって、何もない列車の後ろが間抜けな写真ではあるが…。
評 価→★★★☆☆(最近建物が増えてきた)
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年 式→1885年大宮・栗橋間開業