購入価格 ¥2,500
尊敬する写真家、砂田弓弦氏の写真集。
まさに「眼福」と言う一言に尽きる。
購入して一月近くになるが、その間、この写真集を見なかった日は無い。
純粋に写真集として、選手の肖像として、自転車の変遷の証拠として、写真の勉強として、
様々な角度から楽しめる。
miaさんが仰る「カメラマンとしてコースを知り尽くした砂田氏だからこそ」の写真であるのはもちろんのこと、
「自転車競技を知り尽くした砂田氏であるからこそ」の裏方写真やホッと息を抜いた写真も多数。
自分の尊敬する写真家は、ほぼ全てスナップショットの名手であるが、砂田氏も類に漏れない。
レースの裏側でのスナップショットは、まさにその場の空気をも写しこんでいる。
ご本人も後書きで書かれているし、miaさんも書かれているが、ジロの写真集も期待したいし、
ブエルタの写真集や、あるいは自転車選手達の一年のような写真集も見たいものだ。
移動の写真やホテルでの滞在写真なんてのも興味あるところではあるからだ。
今回のCICLISSIMO 2009 no.16で、砂田氏が「レースは”旅”だ!」として特集しているが、
アレの写真集版が欲しい、と言う事である。
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少し機材の話をしておこう。
砂田氏が使っている機材はCanonであるが、特に90年代のリバーサルフィルム使用の時代に見られる、
Canonのレンズ独特の緑の発色が実に美しい。
特に1996年のツールで、サンテミリオンの緑をバックにTTに挑むビャルネ・リース(現サクソバンク監督)の写真は、
CanonのLレンズならではの緑である。
あの色はNikonのNikkor EDレンズでは出ない(もっと渋めの発色になる)。
フィルムは、恐らくはエクタクローム(EPN、時としてEPLやEPR)だろう。
落ち着きがあり、肌に赤みを与えるような発色がそれを物語る。
90年代と言えば、既に富士フイルムの名作RDPII(初代フジクロームプロビア)が発売されており、
はっきりとした発色と、素晴らしいシャープネスで、自分も随分愛用したものだ。
Canonのレンズとプロビアの組み合わせは、あの当時のプロカメラマンの御用達であった筈であるが、
旅先での緊急入手性と言う点で、行く先々ではエクタクロームの方が上であったと言う事なのだろう。
なにせ年間150日を旅して過ごす人だから。
それ故、普段からエクタクロームを愛用していた、と言う事ではないかと(単に好きだったのかもしれないが)
2000年以降、最近の写真は言うまでも無くデジタルカメラ。
デジタルと思われる映像はフィルム時代と比べて色見が安定している。
この脱線、一体何の役に立つんだろうw
てか、フィルムに関する推理が間違っていたら、超恥ずかしいwww
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写真集なので、どんなに語っても始まらない。
ともかく、買って見ろ!と言うのが結論。
なお、砂田弓弦氏のWebサイトは以下。
Photographer YUZURU SUNADA
http://www.yuzurusunada.com/Diaryもあり、ロードレースの裏話も話されている。
とても楽しいので一読をオススメする。
ちなみにこのDiaryの中で、今はディスコンのパノラマ/35mm切替カメラであるFUJI TX-2一式を買う話がある。
砂田氏も人の子、やはし物欲の塊となる時があるようだ(Macの類でも結構物欲の塊になっているが)。
そこに書かれている文章を引用させて頂く。
> 以下、購入に至るまでの葛藤状態です。
> 「商売道具に金をかけないのか。それでもプロか」
> 「良心あるカメラマンはフィルムを忘れないだろ」
> 「高い買い物でも、また仕事で稼げば良いじゃないか」
> と、自分を追い込んだけど、今思うと、単に理由が欲しかっただけだったのかも。
(2009-03-09のDiaryより)
・・・何と言うか、理由やブツは違うけれど、オチが自分や他のレビューワーやモニターの前の君と一緒だw
氏もこっち側(ダメな人w)の模様だwww
価格評価→★★★★★ 25,000円でもいい。
評 価→★★★★★ さぁ、買いに行きなさい。私を信じて。さぁ、さぁ!!(怪しい宗教