さすがにスポーツサイクル乗りには遭遇しないだろうと思っていたら、到着初日にいきなりタクシーの中から二人のローディを目撃。一人はサーベロにカーボンディープリムで、二人ともカラフルなジャージにヘルメット・サングラスという正装の西洋人であった。この季節は昼の最高気温が30度前後なので、幾分自転車に乗りやすいのかもしれない。
この二人以外にロードに乗っている人はもう絶対に見ないだろうと思っていたら、「アブラ」と呼ばれるドバイ川の渡り船でもロード乗りを見かけた。こちらは中華系の人で、T-Mobile仕様のGIANTロードに。この「アブラ」だが、1人1ディルハム(約30円)で乗れる。20人が集まると出航する仕組みで、それはつまり、20ディルハムを払えば貸切ができることを意味する。多人数でドバイサイクリングをする予定のある方は、貸し切ってみては如何だろうか(6台~8台乗れると思う)。
←アブラという船 GIANTの人→
「こんな小さな船に自転車を乗せてもいいの?」などと心配する必要はない。アラブの国では、宗教を除くかなり多くのことがいい加減である。
一般道だが、クルマの運転は非常に悪い。まったりしたアラブ人(現地人)もクルマに乗ると乱暴な運転をするようだし、タクシーやその他の商業車輌の運転は本当にひどい。自転車は十分注意して乗ったほうがいいだろう。とはいえ、主要な道は広くて視界も良い。
↓ニュー・ドバイの道路状態は概ね良好。交通量は曜日と時間帯によって激減
この国のスポーツサイクル普及度は低い。ごく一部の駐在員か、超富裕層の楽しみだろう。「普通の自転車」は主にインド・パキスタン系労働者が仕事に少しだけ使っている感じ。よく見かけたのは"Phillips"という家電製品メーカーみたいな名前のルックMTB。これは本当に多かった。その他、威力号的な自転車を数台見かけたが、ルックMTBまたは威力号のどちらかしかない、という感じ。
自転車ショップも極端に少なく、主要なショッピングモールのスポーツ用品店でもほとんど取り扱いがない。別にレビューしたWolfi's Bike Shop (
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=5805&forum=125) が有名だが、そのくらい(CannodaleとSpecializedのショップあり)。夏には体感気温が50度にもなろうというのだから無理もない。中東にはツアー・オブ・カタールというステージレースがあるけれど、あれは相当に過酷なものではないだろうか。
ドバイからアブダビに向かう150km程度のシェイク・ザイード・ロードは、機会があれば一度走ってみたいと思った。道も広々としていて、半分砂漠のような何もないところを走るのは魅力的だろう。しかしボトル四本持っていたとしても、サポートカーがないと怖い。水が尽きてガソリンスタンドもなくパンクしたら死ねる。クルマの往来はあるだろうが・・・
↓こういうところを走ってみたい。熱による体力消耗も半端ではないだろう。砂も結構吸うかも
自転車が似合う国では、あんまりないと思った(砂漠沿いの道を走るのは気持ち良さそうだけど・・・)
評 価→★☆☆☆☆(自転車的には)