購入価格 ¥10.000(特価)
商品の特徴:マグマという、ベースがマグネシウムのドグマに似合いそうな軽量サドル
前置き:
若干二十歳にして、既にサドル選びの樹海に突入している。
この1週間でテストサドルを含め、4種類のサドル(累計6種)のサドルをテストした。
きっかけ:
たまたまお店に売れ残りがあり、「使ってみる?負けとくよ。」と甘い囁きに惹かれて購入。
最近になって自転車に乗り直してから、ずっとどこかしらが痛かったので、
もう藁にも縋る想いで持ち帰りました。(あぁ、先人たちはこうしてサドルを持て余していくのだな、とも思いました)
本題:
このサドルを買うまでに考えたのは、サドルには大きく2種類あって、それが自分に合う合わないの決定的なポイントになること。
その2種類とは、サドルの上でお尻がある程度動いてくれたほうがいい人のためのフラットで滑らかなサドル。
(私はコレを面で捉えるサドルと表現します)
もう一つは、股にフィットして、一旦そこにお尻を嵌めてしまえばあとは目的地までまっしぐらな人のためのエルゴノミックなサドル。
(私はコレを立体的に捉えるサドルと表現します)
次に重要なのは長さよりとにかく「幅」!!であること。
人間千差万別なので、骨盤の幅も体重の大きい人小さい人によって様々です。
私の場合、少し特殊で身長が170を超えていながらも体重は僅か50kgしかありません。そう、ガリガリ君なのです。
それゆえ身幅も狭く、お尻も子供のように小さくて肉付きも悪いです。
従って幅の広いコンフォートを謳ったサドルを選ぶと、逆にサドルが大き過ぎて引っかかってしまいます。
それなら薄くて矢のように尖った、フルカーボンサドルの方が漕ぎやすい分マシということです。
話は逸れましたが、このマグマは横から見ると前立腺の部分をフローやコンポジットみたいに、抜くのではなく凹んでいます。
そして平らな部分と言うのは殆どありません。
一見すると先に書いた、「面で捉えるサドル」に見せかけて、実はお尻を立体的に支え安定させようという工夫が凝らされています。
マグネシウム合金が加工しやすいのかどうかは私の知る範囲では有りませんが、見た目以上に凝ったサドルです。
インプレ:
このお尻をホールドするサドルと言うのは、皆さんご存知のようにセッティングが非常にシビアで、
ミリ単位の調整を何度も繰り返したのは言わずもがなですが、
丁寧に合わせてやると、跨った感触もよろし漕ぎ味もヨロシで、久しぶりに出会った気の会う友を見つけたような気分になりました。
そして思いがけない特徴があって、それは高速コーナーの旋廻時に見られます。
皆さん大体、お尻をサドルに押し付けて外脚を下に向けると思うのですがその時のお尻に伝わってくる路面のインフォメーションが実に心地よい。
カーブを走るのが上手くなった様に感じて、次に現れるコーナーを攻めるのが楽しいです。
勿論タイヤの組み合わせもありますので、これを付けたからといってカーブが速くなるというのは言い切れません。
総評:
総合すると欠点らしい欠点は無い様に見えるのですが、やはり金属のサドルなので根本的な乗り味は硬いです。良く言えばしっかりしてます。
近頃の甘ったるいカーボンロードを、見た目で衝動買いしてしまったあなた。そんな自転車にはスパイスとして十分に性能を発揮出来るでしょう。
他にも体重があってしっかりしたサドルが欲しいけど重いのは嫌って人や、
レースで綺麗な道路しか走らないしといった場合にも大変有効な選択肢として生きるはずです。
最後に:
一応、サドル探しの旅が一段落したので集大成として長めのレビューを書きました。
そしてあまりスポットの当てられない可哀想な部品の中にも、磨けば光る物があるんだなということも教えてもらいました。
良く見てみれば、中々かっこいいサドルで今ではとても気に入っています。
価格評価→★★★★☆(今年モデルの定価はこれの倍以上です)
評 価→★★★★★(主観では一切文句はありません)
<オプション>
年 式 →2008年
カタログ重量→182g
サドル幅 →135mm
サドル長 →280mm
レール素材→チタン
サドル遍歴 →アリオネ→アリアンテテスト→アンタレステスト→セレイタリアSLR→コンコールライト