GRAVITY-ZERO 38mm Carbon Rim (Tubular)

リム高38mm、他メーカーも結構な数採用しているリム高なだけあって、さすがにバランスが取れている。
EASTONのEC90AEROも所有しているが、メリットとデメリットのバランスを考えるとこちらのほうが使いやすいと感じた。
スポークテンションが良いのか、柔らかくも無く、硬くも無く、良く走るホイールに仕上がっている。
特に加速が素晴らしく、軽い力で速度が伸びていく。
EC90AEROと比べても速度の伸びで特別劣るということも無く、加減速が多い場面ではこちらのほうが良いと感じた。
また、このメーカー独自のX oneハブが独特。
全くラチェット音がしない。
というかラチェットが無い。
ワンウェイベアリングみたいな物がラチェットの代わりに入っているので非常に回転がスムーズ。
通常、ラチェット式の場合、引っかかるまで少しの間トルクがかからずに動く無駄な分があるが、このハブの場合はそれが無く、踏み込んだ瞬間からホイールを回す力に変わる。
他のホイールから変更すると最初は違和感があるが、慣れてしまうとなかなか癖になる。
メーカーが謳うほどの効果は無い気がするが、フィーリングとしてはとても良い。

全体的に非常にバランスの取れたホイール。
重量面ではもっと軽量な物もたくさんあるが、リムもペコペコではないし、フロントのスポーク数が20本という安心感もあり、練習、本番、通勤とガンガン乗れる。
マニアックな物が好きな方にお勧め。

価格評価→★★★☆☆（有名メーカーがもっと安く購入できますしね）
評　　　価→★★★★★（試す価値はあると思うよ）
＜オプション＞
カタログ重量→1388g

購入価格 ￥150.000(オークションにて)

実は私もこのホイールを所有したことがあるので1票。
回想録みたいになっているので暇な人だけどうぞ。

新品がこの値段だったら試す価値アリかなと思ったのと、先の方が言うようなX-Oneハブとやらはなんぼのもんじゃい？
と思い購入。

立派なカーボンホイールで、リムはブレーキパッドの当たり面をなんちゃらとかいう素材で補強してあるらしい。
他には値段が高いくらいでスペック的な特徴は無いでしょう。

まず乗ろうと思ったら、チューブラー仕様だったので私のような初心者は困った。
一生懸命リムテープを貼って、何度も修正しながらやっとのことで装着。と思ったら、付属のカーボン用のブレーキシューまで登場。
もう家に届いた日は何がなんだか分からなかった記憶がある。

某メーカーから、カーボンリム・アルミリム兼用の高価なシューが出ているが、それはこういう人のためにあるんだなと勉強になった。

そして遂にご対面。不釣合いなフルアルミのバイクは、少し湿った路面でホイルスピンしながら(注:私は超貧脚)進みだし、乗ってる方としては何かクスリでもやっているかのような気分。
軽いホイールには自転車海苔を酔わす力が宿ってるんだと私は信じています。
あっというまに平らな道路で50km/hが出ました。
その後も嬉しくて夜中、走り回っていたのを覚えています。
またピストバイクのように、漕ぎ出しに全くロスが無いのも気持ちよくて、楽しいホイールでした。

何故全て過去形なのかと言うと、もう既にこのホイールは私の手元には無いからです。
理由はブレーキ。
軽さが売りのカーボンリムはやはり下り坂や悪天候には、アルミリムに対してもはや負のアドバンテージを背負います。
急な下り坂や、下りコーナーの進入は止まらないので攻めれません。
レースだったら対向車が来ることなんて無いから、こんな心配要らないだろうけど、スピードの出るロードこそ安全運転に徹するべきだと私は考えているので、いつか事故ってホイールが砕ける前に、と思い同じオークションで売りに出しました。
正直、ブレーキ性能以外は全てにおいて満足していたので悲しい別れでした。
プロの選手や玄人の方の自転車で、たまにフロントだけアルミのホイールを履かせたりしているのを見ると、これもまた同じ経験をされたんじゃないかな、なんて思うこともしばしば。

メンテナンス性も、この特殊なハブが一役買っていてシャフトを抜いて中を清掃。
新しいグリスを塗ってシャフトのネジを締めれば終了。
誰でもできる簡単な作業です。

最後に、やはりこれだけクリンチャータイヤの性能が上がっているこのご時勢に、あえて練習でもチューブラーを履くのに疑問を感じたという点も手放した理由です。

価格評価→★★★☆☆(定価はほぼこれの倍なので）
評　　　価→★★★★☆(BORAなんかはよく効くと聞いたので）
＜オプション＞
年　　　式→2008
カタログ重量→1338g(実測重量：量りを持ってません)