購入価格 ¥3900
無印良品というのは、自転車も売っているが、食品から家具、雑貨まで
ありとあらゆるものを売る店である。当然ながら、自転車用の
ライトといっても、その道の専門家がいる訳ではない
想像するに、「無印らしい」ということで色々試行錯誤していく
うちに、資料として集めた自転車雑誌の中に懐中電灯をライトとして
使っていた昔のランドナーの画像を見つけて、「懐中電灯としても
使える」というコンセプトが出てきたのではないだろうか?
ランドナー用の懐中電灯型ライト
しかし、このデザインそのままでは昭和レトロになってしまう。
そこで、現代的なデザインにということで、アルミのパイプ状の
無機質なデザインが生まれたと思われる
こうして、全く素人の発想ゆえ、自転車用のライトメーカーなら
絶対やらない『大きく、重い』「懐中電灯としても使えるライト」が
誕生した。
HL-EL520と共に、パーツに分割して撮影
重さ:無印 305g 猫目 180g (電池含む実測)
長さ:無印 16.4cm 猫目 10.1cm
写真をみると、単2×2であるから当然だが、やはりデカいのが
実感していただけると思う。それにも関らず、この商品が評価されて
いるのは何故だろうか?
無印良品(画面の白い箱は、5m、10mの位置に置かれている)
520 (画面の白い箱は、5m,10mの位置に置かれている)
中央の一番明るいところは、520の方がはるかに明るいのだが、
周囲へ回る光が余りにも少なすぎるので、実際に使ってみると
使いにくい。
無印のライトは、中央部が余り明るくないため
前のレビュワーさんが、「40ルーメン」と書かれて、その後訂正
されているが、それくらい第1印象は良くないんだが、
実際に使ってみると、手放せなくなるライトである
520にも、真ん中の一番明るい部分の外側に、ほのかに明るい
エリアがかなり広くあるのだが、人間の目は瞳孔を大きく開いたり、
小さく絞ったりすることで目に入る光の量をコントロールしている
ため、暗闇の中に、非常に明るい所と、ちょっと明るい所が
あった場合、非常に明るいところしか認識できない。
そのため、猫目のライトは、「明るいところが狭くて、暗い夜道は
走りにくい」と評価されてしまうし、無印は「使いやすい」という
評価になるのである
本品は、屋内で良く使われるため、照射角が広い懐中電灯兼用
というコンセプト、また、電源部を共通にしLEDとハロゲンと
光源部を2つ作るという、これも今どき自転車用のランプ屋が
思いも付かない企画であったため、ハロゲンと照射した
感じを揃えたかったということもあるのだろうと思うが、猫目の
ように、真ん中の一番明るい部分で測定する、カタログ上の明るさに
こだわっていない。
この素人っぽい発想と、たまたまLEDを発光面が広いCREEにしたという
こともあって、非常に見やすい視界を得ていると思われる
CREEを使用する無印とLuxeonを採用する520。LEDの発光面の大きさの差に注目
前のレビュワーさんが、「ミラーボールみたいな」リフレクターと
評されているリフレクターだが、コンピューター仕掛けの機械で
金型を作るのに、曲面より安くできるためだと思われる
(猫目は金型を半分しか作らず、半分の金型からできた半円形の2個を
接合して1個リフレクターにしている。良く見ると継ぎ目が見える。
これもコストダウンのためだと思われる)
ちなみにリフレクターの口径を小さくして行くと、同じ奥行ならば
光が拡散していく。520と無印は奥行きはほぼ同じで、直径は無印が
2/3程度であるから、その分、光が拡散することになる
「充電式電池を使用しないで下さい」とあるのは、防水構造で
Oリングが入っているため、充電式電池を入れて長く放置すると
電池から発生するガスのため、爆発するおそれがあるためだと
思われる。
1)電池が無くなってきたサインが出たらすぐ交換する
2)1ヶ月以上、電池を入れたまま放置しない
3)バックの中などにしまいこんで、何かが触ってスイッチが
入ってしまい、そのまま放置されると、短い時間で極限まで
電池が消耗する危険があるので、自転車から外すときは
電池を取り出す
以上を守っていれば、経験上はまあ大丈夫だと思う。(保証は出来ないが)
充電式電池を使用する場合、単3-> 単2の変換アダプターを使用する
ことになるが、電池室のフタのバネが大きすぎてアダプターに開いた
穴を通らず、電池に接地しないため、点灯しないことがある。
アダプター部を少し削るか、ほとんどのお宅の冷蔵庫に1個ぐらいくっついている
小さな磁石をプラのカバーの部分をはがして、穴の部分にかますかすると解決できる
(単2のエネループも発売されてはいるんだが、あまり置いてないので)
ただし、この製品は、3WのLEDを採用したためランタイムが
短いので、単3の充電式電池を利用すると、単2×30%=単3で
あるので、点灯3時間、点滅51時間となる。点滅利用中心の
街灯が途切れない地域にお住まいの方なら不便は無いが、
点灯時間が長い方には、ちと問題がある
※一般的な自転車ライトの点滅時間は、点灯時間×2~4ぐらいの
ことが多いが、この製品ではなんと17倍になっている。
これは、点灯時間が短すぎるので、利用が多い点滅時間を
延ばすため、点滅回数を増やす代わり、1回の点滅時間を
減らしているためと思われる。(人間の目はいい加減なので、
一定以上発光時間が短くても、それを感知できない。たとえば
カメラのフラッシュの発光時間は1万分の1秒くらいしかない)
結論
この製品は、先にレビューしたSERFAS SL-70 レベルとほぼ同じ性能を
持ったライトであり、街中では使いやすいライトである
SL-70に比べて、側面への光漏れが無いことと、電池の持ちが悪く、
大きく重く、ブラケットがOSのハンドルに対応せず、製品がブラケットから
外しにくいのが欠点であり、反面、デザインとサポートの良さがこの製品の利点である。
あとは、実物をご覧になって好きな方をお使いになればよいと思う
無印良品のネットショップでも購入できるし
http://www.muji.net/store/cmdty/detail/4548076941811実物が見たければ、上の画面から近くの店舗の在庫状況を
確認することも出来る。ただし、店頭でお買いになる時は
前述のハロゲン球使用のライトと併売されているため
間違えやすいので注意して欲しい。また、LEDライトで
もっと小さく安いものも併売している。こちらも大きさ以外は
そっくりなので注意されたい
価格評価→★★★★★(猫目なら5000円以上の実売になるんじゃないかな?)
評 価→★★★★☆(色々問題点もあるけど、使いやすいです)