購入価格 ¥52000くらい (PBK)

■あまり見かけない、カンパニョーロのスタンダードなハイパフォーマンスホイール、その名もニュートロン・ウルトラ。
ジャンルで言えばリムハイトの低い「ロープロファイルホイール」
2018年現在、ハイエンドのカーボンリムモデルのハイペロンが廃盤になっていて、カンパニョーロにラインナップされる唯一のロープロファイルモデルです。
「ウルトラ」ではないニュートロンが、カタログ外モデルとしてあるようですが……
カンパニョーロといえば、やはり特徴的なあのG3組みのスポークパターンですが、このニュートロンはG3組みではありません。
リムの内側も、ゾンダなどと違いスムージングの処理がされておらず、ニップルホールが開いており、リムテープが必要です。
重量はペアでシマノハブで1509g
わぁ!軽い!って感じの重量ではないですが、ロープロファイルなリムハイトも手伝って、普通のライトウェイトホイールという佇まいです。
「ウルトラ」なモデルでもフリーホイールは白い軽量フリーではないので、ここをチューンナップするともう少し軽くなるかもしれません。
リムはエトルト622の内径15のトラッドなステータス。
旧型のゾンダに比べて、あまり重量差がないものの、リムがゾンダよりも軽いと言われていましたが、実際ニュートロンのリムは、バラして公開してるのを見ると、410~20g程度のもので、すご~く軽いというシロモノではないようです。
じゃぁ、ゾンダとどう違うんだろう??
■実際使ってみた感想。
ライダー(自分)の体重はだいたい65kg、主にロングライド、ブルベでの利用です。
主にそれまでゾンダ(C15、旧型モデル)を使ってたので、それとの比較でのお話になるのですが……まず、ゾンダに比べて、言うほど軽快感は変わりません。
確かに、ペダルを踏み込んだ瞬間の「蹴りだし」 ピックアップはゾンダよりも若干良いなという印象ですが、高いタテ剛性感でバキッと加速する感じではないですね。
ヒルクライムという点では、以前試乗したシャマルのほうが坂道をかっ飛んでいく感じは強いです。
それから自転車を振って踏み込んでも。横剛性があって硬いな、という印象はあまり受けません。
ゾンダとは質が違うし、ゾンダよりもやや突き上げ強いな、剛性感あるなという印象はありますが「硬いホイールだな」という感じではないですね。
巷では 「ニュートロンはヒルクライム向け!」 って語られることが多いようですが、実際使った自分の感想では、シャマルのほうがはるかにヒルクライム向けのキャラクターで、あまりニュートロンそのものはヒルクライムで使いたいなというキャラクターではありませんでした。
(ああいう感想いう人は、実際履いて比較したのかな……単にリムハイトとカタログ情報だけのイメージで話してるんじゃなかろうか……)
閑話休題。
じゃぁ、ヒルクライム向けとも言いづらく、ゾンダC15モデルにスペックも似ていて、値段が単に高いニュートロンってどんな特徴があるの?って話。
・まず、リムが良いです。
カンパニョーロのホイールは、どれもリムがしっかりしていて、コーナリング中の動きに一貫性があって、非常に安心して曲がれる物が多いんですが、ニュートロンのリムはほんとうに良い、ゾンダも良かったけど、ランクが一つ上ッて感じですね。
ヒルクライムよりも、ダウンヒルですよね、下っていって、すご~くハイスピードな状況でブレーキしても、ストッピングパワーをしっかり受け止めて、タイヤを地面に押し付けてくれる。
ハンドルをステアする、ぐぐと横に力がかかって曲がり込んでいく時も、安心できる剛性感。
この速度域だった怖かったカーブも、ニュートロンなら怖くない。
例えば伊豆のCSCの下り、登り返しに備えて70km/hを超える、アウタートップでぶん回して気合一発、ノンブレーキでカーブに突っ込んだとき、その安心感がぜんぜん違う。
これ、多分、単にホイールやリムに剛性があるとかそう言う質の話じゃないんですよね、ホイールに一貫性がある。
どういうシチュエーションでも、抜けがないんですよね。
・それから、風に強いですね。
確かに、高速域はゾンダのG3組のほうがヒュンヒュンリズムよく加速していくのに対して、ニュートロンは30~35km/hあたりから、妙につまった感じがしてエアロ効果があるとは言いがたいキャラクター。
しかし、川を渡る橋の上で横風が吹いても、田園地帯が向かい風でも、ハンドリングがいい、全然フラフラしない。
リムハイト的にそんなに高くないゾンダでも、ニュートロンよりも明らかに横風や向かい風の影響は受けます。
つまるところニュートロン履くと、運転しやすいんですよね、自転車がね。
単純に「軽い」「スピードの乗りが良い」「剛性感がある」っていう感じのホイールじゃなくて、ホイールのパッケージをトータルで言えば「自転車を走らせやすい」ホイールなんですよね。
勿論このスペックですから、ヒルクライムも全然得意分野と言って差し支えないですし、西伊豆なんかのアップダウンなんかにはベストマッチでしょう……西伊豆は風が強い日も多いですからね。
■総括して
個人的な感想を言わせてもらえば、はっきり言ってニュートロンよりゾンダのほうが、走ってて楽しいホイールでした。
蹴り出しは、ニュートロンの方がよく、スペック的には全体的にゾンダのほうが劣ってます……しかし、平地で走ってる分は、スピードが乗ってきてからのリズム感があるといいますか……G3組みのキャラクターでしょうか?
そう言う魅力がゾンダにはありましたが、ニュートロンは平地での伸びがあまり感じられず、かつヒルクライム向けというようなハードなキャラクターでもなく、やっぱりなんか凡庸な感想でした。
でも、やっぱ良いよニュートロン(どっちやねん)
ロングライドなんかには全然良い、さっき書いたように、あらゆるシチュエーションで安定しているし、運転しやすいホイール。
ブルベに使うなら、自分ならゾンダよりニュートロンですね。
それに何より、ニュートロンのこの「わかってる奴」感、ありませんか?
ガンダムなら「ポケ戦」が良い……って言ってくるような、そんな、あらゆるホイールを履いた奴が最終的に無人島に1セット持っていくホイールに選ぶような……

▲ゾンダのほうが楽しいと言いつつも、ステッカーでチェレロゴにしてしまうくらいには愛しているのさニュートロン……
価格評価→★★★★★(最近お買い得感あります)
評 価→★★★★☆(好きだけど、でもG3のほうが乗ってて楽しいかな……)
<オプション>
年 式→2017
カタログ重量→1509g
・クイックレバーはBORAと同じもの
・ウルトラですがCULTハブではない、USBハブでもないです
・リムテープ付属
・ホイールバッグ付属