「伊丹は大阪ちゃうわ」っちゅうツッコミはさておき。
実際敷地の半分ぐらい、大阪府豊中市や池田市にかかっている。敷地どころか航空誘導施設さえ東京にかかってない成田空港を、かつて「新東京国際空港」と呼んでいたよりは実態に即していると思うけど、どない?
大阪在住時代のお気に入りポタリングコース。折り畳み自転車をリムジンバスの床下荷物室に預けて空港突入を図り、ターミナルビルを起点に南側の滑走路端、最近新設された西側の公園などを回りターミナルに戻る。
まずは空港への道のり。空港ターミナルへの輪行可能な公共交通機関はリムジンバス、大阪モノレールがある。空港だから、もちろん飛行機でも行ける。自転車で空港行きリムジンバス乗り場に乗り付けられるなら、リムジンバスがお勧め。
近隣の駅まで輪行して自転車で空港に接近するなら、JR福知山線の北伊丹駅、JR福知山線と阪急伊丹線の伊丹駅、阪急宝塚線の曽根駅が比較的近い。
阪急曽根駅と隣の岡町駅にはレンタサイクルもあるから、公的身分証明書があれば自転車を持参する必要もない。
http://rail.hankyu.co.jp/service/rental01.htmlそれではリムジンバス降り場の係員から自転車を受け取り、出発するとしよう。バス降り場は南北二つあるターミナルビルの間、モノレール駅との連絡橋下あたりになる。どちらに進んでもターミナル前のバス乗り場なので、ここで自転車を開いてはいけない。ターミナルビル北端まで輪行袋に入れたままで、北ターミナル到着口を過ぎてから自転車として出発する。輪行袋から自転車を出していると、どこからともなくおっちゃんが寄ってきて「ええ自転車やな、シマノか?」などと聞いてくるのはもうしょっちゅうである。
府道11号線で空港前交差点に出る。高速道路が上を通る交差点が二つあり、二つ目が空港前。右折してここから府道10号線を南下する。高速高架下の道をしばらく我慢の徐行で歩道にお邪魔し、走井北で右にそれてお別れ。千里川を渡る橋の手前で右折(二本あるけどどっちでもいい)してしばらく行くと、途中から砂利敷きになり、さらに行くと古くからの飛行機見物のメッカ、航空ファンの間で「32(さんにい)エンド」「千里川の土手」と呼ばれる場所に着く。すぐ頭上を降りてくる着陸機の迫力は、日本ではここだけでしか味わえない。航空ファンでなくても一度は行ってみることをお勧めする。公園とかではないから、弁当を食べるとかにはあまり向かない。純粋にただひたすら飛行機を見物する場所。飛行機写真を嗜む者が、その技倆を研鑽する虎の穴でもある。w
掲載の写真はデジタル一眼レフ(Canon EOS-1D Mk-IINなど)によるものだが、焦点距離は35mm版換算で130mm以下のものから選んでいる。最近のコンパクトデジカメの多くでこの程度の焦点距離を実現しているので、この機会に飛行機写真にチャレンジしてみてはどうだろう。手持ちのカメラの機能を引き出せるなら、あとはスピードに慣れるのが課題で、何機か撮ってみるとコツは掴める。
「32エンド」を後にして、千里川を渡る橋のたもとに出たら右折(ちなみにここを左折すると阪急曽根駅に行けるが、帰るにはまだ早いだろう。300m程行った原田南1丁目交差点にはサンクスがあるので、補給の寄り道をしてもいい)下水処理場やスポーツセンター、清掃工場が並ぶ一角を通り過ぎ、小さな川を渡り、信号を右折。しばらく直進すると、このあたりでもひときわ巨大な下水処理場の建物が現れる。ここの屋上が公園になっていてる。入口は建物が終わった角を右折、建物北側になる。二つ目の飛行機見物ポイント「スカイランド原田」にご到着。駐車場と屋上(公園になっている)から空港を望める。トイレ、飲料自販機、ベンチなど、ひと休みに必要な最低限は揃っている。屋上は飛んでいる飛行機を「見下ろせる」という、なかなか貴重な場所。
スカイランド原田の北隣には2008年7月に完成した「伊丹スカイパーク」が滑走路に沿って続いている。航空機騒音の緩和のために設けられた緑地帯で、高さ7mの土手を作ってその上に公園を造成している。南の遊具広場では着地する飛行機を真横から、北のだんだんテラスでは機首を上げて離陸して行く飛行機を真横から見ることができる。残念ながら園内は自転車通行禁止なので、南、中央、北と三カ所ある入口ゲート近くの自転車置き場に置いて入ることになる。輪行袋に入った「手荷物」ならば、園内に持ち込んでも問題ない。
伊丹スカイパークの北端が府道99号線。空港地下道西交差点を左折すれば、桑津橋を経て伊丹市街地へ行ける。空港地下道西交差点から約300m行ったところにはファミリーマートがあるので補給に立ち寄れる。弁当でも買ってスカイパークに戻るのもいいだろう。
府道99号線を途中西桑津で右折して北上すれば、住宅地を抜け、空港のフェンス沿いに空港北端に出られる。空港北端にはエアフロントオアシス下河原という公園があり、年に数回ある北側からの着陸進入の際には貴重な見物ポイント。近くの国道171号線軍行橋(航空機の進入経路に当たるので、橋に街灯の柱がなく欄干に街灯が内蔵されている)を渡ればJR福知山線の北伊丹駅。エアフロントオアシス下河原の東側から阪神高速池田線に沿って行けば、ターミナルビルに戻る空港一周もできる。
空港地下道西交差点を右折すれば地下道を経て、走井西または走井交差点左折で空港ターミナルビルへ戻れる。
さて、空港ターミナルビルに戻ってもこのポタリングはまだ終わらない。自転車を輪行袋にしまってコインロッカーに預けてしまい(Panasonic Traincleやブリジストン トランジットコンパクトなど一部車種限定だが)ターミナルビル屋上へ行こう。
屋上はウッドデッキのある庭園風に整備されていて、空港を発着する飛行機をゆっくり眺めることができる。空港ターミナルビルだから喫茶も食事もお土産もすべて揃う。なんなら理髪店に寄ってヘルメットと風でぐしゃぐしゃになった髪を直したり、家具店に寄って(そんなものがなぜか空港にある!)ソファの配送を頼んだり、中央ビル2階の「いせや」で飛行機のミニチュアを買い漁ったりもできる。
さて、今日も一日お疲れさまでした。リムジンバスの最終と、預けた自転車を忘れないようご注意を。
評 価→★★★★☆(最近飛行機のバリエーションが些か寂しい)
<オプション>
年 式→1939
滑走路全長→14R/32L:3,000m、14L/32R:1,828m