購入価格 ¥44000程度(Wiggle)
■カンパニョーロのホイールの中でもおそらく一番のボリュームレンジを担ってると思われるZONDA。
カンパニョーロ公式でも、ミドルプロフィールというジャンルにあるように、リム高は多少あって、ディープというほどではないですが、後ろのほうが少し高くなってます。
2Way-Fitはチューブレスレディですが、自分が手にしたのはチューブレス用ではなく通常のもの。
年式は2015モデルで、いわゆるMEGA-G3最終型と言われてるもの。
新城幸也が所属していたユーロップカーでも、練習用で供給され使われてたというエピソードもあり、ミドルグレードながらポテンシャルは折り紙つきです。
とはいえ、自分自身はとりわけZONDA欲しい!と思って買ったわけでもなく 「万人が良いと言われているホイールを知っておく」 という感じで、知識、経験として所有しておくか……
という感じで手を出しました……
シマノハブ。
■作りの特徴としては、リムテープが無くてよいです。
買って面食らったといいますか、ニップルやニップルホールが蓋をされていて、直接チューブと触れる面が綺麗にスムージング処理されています。
確かにリムテープが無いのは軽量化に貢献するし、リムの剛性にも一役買ってるでしょう。
インナーチューブもエア量が増えるでしょうし、ホイールとの密着性も上がり、変形ロスの少なさも期待できそうです。
ちなみにリムのレターは「ステッカー」です、プリントではないので剥がそうと思えばはがせます。
個人的には、ZONDAに限らず、カンパニョーロのホイールリムに貼られている「オレンジ色のコーションマークシール」は走る前に剥がしちゃったほうが、やっぱりイカスと思います。
注意書きつけたまま使うのは、なんかみっともないっていうのは、僕の価値観かな……
■実際使ってみると、非常に良く走るホイールです。
信号からの加速や、カーブの立ち上がりの蹴りだし、ピックアップはやや鈍く、ドン!と出てくれるようなキャラクターではないのですが 「ペダルの奥で進んでくれる」 キャラクターといいますか……
なので、走りだして「あっ、軽い!」っていう印象を受ける感じではないですね。
ただ、踏み込んだ奥でグイグイ加速してくれるので、いい感じにスピードが乗ってくれる。
巡航がいいですね、速度の維持がやはりいい、ワンランク下のマビック・アクシウムや、シマノRS010とかに比べると、巡航性が素晴らしく、平地なら、帆を立てた追い風のヨットのように、スイスイ進んでくれます。
逆に市街地の信号峠や、アップダウンやヒルクライムはあまり得意と言えるキャラクターではないかもしれません。
ただ、そうは言っても得意ではないだけで、非常にバランスのとれたホイールなので、あらゆるシチュエーションでソツなくこなしてくれます。
他の方も書かれてますが「懐が深い」と言われればそういう気もします。
振動吸収・減衰に関しても、G3組が良いと言われてますが、言うほどのものかな?という感じもしました。 ただ、トラクションはいい。
多少ガレた、割れたコンクリートやアスファルトも安定した挙動で、地面を掴んでくれるし、バイクの操作もイメージしやすい。
疲労からペダリングが荒れてきても、足に蹴り返しみたいな反動もなく、とにかくスムースなので、そういう側面で言えば「足に優しい」といえるかもしれないし、それがいわゆる振動吸収・減衰性がいい、という評価につながってるのかもしれないです。
■もちろんミドルグレードのホイールなので、わぁという軽さはないし、レースで使いたいっていうようなハイパフォーマンスな感じではないのですが、あらゆるところで弱点がない、少ないホイールだと思います。
それからなんといっても感銘をうけたのは「リムがいい」ことです。
とにかくブレーキが安定していて、タフです、それでいてある程度の軽さを確保している……
(別の方がリムが重い!と話されてますが、個人的には500g切ってれば軽いと言っちゃっていいと思います、ARAYAのSA730や、MAVICのCXPシリーズなんかは概ね500g前後あるわけですしね)
自分はZONDAをブルベやロングライド、ファストラン、通勤で酷使していて、あらゆるシチュエーションで使いましたし、落車やヒッティングも何度もやりましたが、このホイールのリムは本当にどんな状況でもステディです。
例えば、ブルベで600kmも走ると、どこかで大抵は雨にふられるわけですし、場合によっては非常に長時間長い下り坂に付き合うこともある。
標高が高く、すごく寒くて、指先がかじかんでるかもしれない。
連続したつづら折り、それが疲労のピークに近い終盤にあったりする……
また、迂闊にもアスファルトの割れたところにタイヤを落としてしまうこともあるかもしれない
そんな時、ZONDAなら挙動不審になることはないし、コーナリング中も一貫性のある動きで、あらゆるシチュエーションで動きを捉えやすい……
ブレーキもスムース、更に例え不注意で落車してみたり、休憩中に風や他の人の不注意で自転車を倒されても、クリティカルなダメージを受けにくく、すぐにまたそれ以前のパフォーマンスで走り出せる。
さすが、あのランチア・ベータモンテカルロGr5に採用され、ル・マン24時間でのクラス優勝を支えたホイールを作ったメーカーであるなと。
やはり、レースには出ないけれど、ロングライドやサイクリングで、色んな所を気持よく走りたい!って言う人には、おそらく最適解の一つのホイールじゃないかなと思います。
価格評価→★★★★★(国内定価は(汗)ですが)
評 価→★★★★★(サンデーライダーのベストバイと言えると思います)
<オプション>
年 式→2015
カタログ重量→1575g程度だったと思います、1600くらいと考えていいかも。