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稀代のクライマーにしてダブルツールを達成したカンピオーネ、マルコ・パンターニの生涯についての本である。
著者はベッペ・コンティというスポーツ記者。
ツール・ド・フランスを20年連続取材し、表彰されたこともあるそうだ。
68点の写真とともに、マルコ・パンターニがいかなる栄光をつかみ、そして挫折を味わい、非業の死を遂げたかをドラマティックに描いている。
ジャンルとしては伝記なのだろうが、文章の巧みさもあって軽妙に読みすすめる。
ラルプ・デュエズを駆け上がるパンターニに引きずられるかのように、グイグイと一気に読了した。
マルコ・パンターニは不思議な選手だ。
読み物でさえ、こんなにも胸を熱くさせる。
リアルタイムでジロや、ツールでの勇姿を目の当たりに出来たら。
そう思うと残念でならない。
ほんの数年前まで彼は現役の自転車選手だったが、今ではもはや伝説になってしまった。
だが、伝説は語り継ぐためにこそあるのだ。
本書を読めば彼の魅力の一端に触れる事ができる。
ビアンキという自転車に出会い、彼の存在を知ることができてよかったと思う。坂を登るときに今まで以上に力が入るだろう。
なお、本書のラストにはパスポートに書かれた遺言らしきメモが全文掲載されている。
パンターニへの著名人による追悼文も添えられており、資料性も高いのではないかと思う。
装丁はマリア・ローザを意識したのか、ピンクをメインにデザインされており故人をしのばせる。
また、奥付には2009年2月14日初版発行とある。
いうまでもなく、パンターニの命日だ。
出版社である未知谷も粋(?)なことをするものである。
価格評価→★★☆☆☆(値段見ないでレジに行ってビビった)
評 価→★★★★★(文句なし。ビアンキ乗り必携?)