秋田書店 少年チャンピオン・コミックス 弱虫ペダル
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少し前になりますが、発売直後に35巻を読みました。 無残、としか言いようがありませんでした。 21世紀のシャカリキにもなり得た漫画がと思うと、あまりにも哀しかった。 もう少し、あと一巻だけ、と思いながら読み続けてきましたが、35巻を読み終えて、まとめて全部捨てました。 最初のインターハイが終わった27巻まではとっておこうかとも思ったのですが、以降があまりにもあんまりだったので、綺麗さっぱり捨てました。
一巻からしばらく続いた面白さは上の皆さんのレビューの通り、間違いありません。 伏線の回収下手や完全放置、冗長に過ぎる進行の遅さなどは初期の頃より指摘され続けていましたが、それを補って余りあるほどの魅力がこの漫画にはありました。 現実的にはあり得ない展開に冷静な頭で突っ込みを入れたくなる部分は多々ありましたが、さらに冷静な頭では、そんな部分のないスポーツ漫画なんて未だかつて一つもあった試しはない事を理解しています。 だからこそ皆、この漫画を『自転車漫画』として楽しんでいたのでしょう。最初のインハイ終わりまでは。
あそこまでは、本当にこの漫画は面白かった。
最初の今泉との勝負、新入生レース、合宿、どの巻もまずは何度か読み返しました。 インハイに突入してからもそれぞれのキャラクターから生まれる物語は『自転車漫画』として楽しめましたし、特に巻島先輩のとこなんか何度も読み返しちゃいましたよ。巻島先輩も東堂も、お前らすげぇイイやつじゃん。
しかし、今の『弱虫ペダル』は欠片も自転車漫画ではなくなってしまいました。 スポーツ漫画ですらなく単なるバトル漫画、そこに偶々小道具として自転車が使われているというだけ。 アマゾンのレビューでは最初のインハイ終了までは賛否どちらもありましたが、ここ数作ではほとんど否定的なレビューがありません。 これはもう、とうの昔に自転車乗りからは見限られている事を示しているのではと感じます。 確認する気すら起きないほどにこの漫画には興味を失ってしまったので、これが合っているのかどうかは分かりません。
これは、『はじめの一歩』や『ああ播磨灘』と同じパターンなのだろうと思います。 ライバルの魅力、努力、カリスマ性、強さを描いた上で、それに主人公が何事もなくアッサリと勝ってしまう
「あんなスゲエやつに勝ったんだから、主人公は当然もっとスゴいわけよ」
と言いたいわけなんでしょうが、読んでいる方としては鼻白む一方。
編集部からの強い要請やゴリ押しがあったにしても、終わらせるべきところで終わらせていれば、そう思うと残念でなりません。 第二部とか何とかやりようは幾らでもあったろうに。
そう考えると、曽田正人ってやっぱスゲエわ。
価格評価→★☆☆☆☆(自転車漫画としての評価、バトル漫画としては知らん) 評 価→★☆☆☆☆(27巻で終わってれば4つ付けました) <オプション> 年 式→ カタログ重量→ g(実測重量 g)
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