東京都町田市のハンドメイド工房、今野製作所が展開する小径車CRのフレームに溶接されているフロントシフター用支柱。
700Cロード用に設計されたフロントシフターを小径車に使う場合、そのままシートチューブに取り付けると、変速性能に問題が生じる場合があります。ManInsideさんの感動レポート
https://cbnanashi.net/cycle/modules/myalbum/photo.php?lid=35&cid=3によると、カンパのシフターで多少、問題が生じる場合があるようです。というわけで最良の変速性能を引き出すためには、シフターを後傾させる必要があります。
小径車の中には後傾対策が施されている(もちろん、そんなことはお構いなしの小径車もたくさんあります)ものが散見されますが、ケルビムは強靭な専用ポストを大胆にも与えています。画像のシフターはULTEGRAのFD6500ですが、現在はDURA-ACEのFD7401という旧品を使っています。
ヘタなエクステンションだとシマノの高剛性シフターの旨みを殺いでしまいますが、さすがにここまでやってしまえば完璧でしょう。
下図は、シフターを後傾させる理由を図解したものです。上段が700Cロード、下段が451mmリムの20インチ小径車です。
まず、前提として、この図での二つの自転車は
①クランク軸の対地高さが同じ
②シート角度が同じ
③クランク軸から地面に下ろした垂線とリアアブ軸から下ろした垂線が
それぞれ地面と交わる2点間の距離(リア・センター)が同じ
となっています。実はホイールベースやヘッド角度まで同じになっていたりします(笑)。
で、赤点線がチェンを示しますが、ご覧のとおりで、20インチのチェンは700Cと比較して前上がりの角度を持ちます。したがって700Cの赤点線と20インチの赤点線の角度の差分だけ、シフター(図の青い部分)を後傾させればよいことになります。この観点で見ると、実はケルビムCRのPowerPostは少々「やりすぎ」かも知れませんが、その「やりすぎ」が奏功しているとしか思えない見事な変速を見せてくれます。
私のCRはフロントのチェンホイルがTAアリゼの38×54に対して、フロントシフターとしてシマノのFD7401という、昔のデュラを使っていますが、全くストレスなくスカン!とチェンジしてくれます。実に爽快です。
そしてこの小径車フレーム、カイセイ019で各部寸法から角度まで完全指定で製作してもらって、何と11万円しませんでした。驚くほど良心的な価格設定です。もちろん、大事に扱って、くたびれてきたら再塗装すれば、30年は乗れるでしょう。
※ちなみに、今野製作所さんはPowerPosという呼称は使っていません。私が勝手に名づけました。あしからず。。。
※小径車を製作するにあたり、このPowerPost故、私はケルビムCRを選択しました。しかし、あいにく私のCRは、ケルビムのオリジナルCRとは全くかけ離れたジオメトリを持つので、オリジナルのCRとは別の乗物になっています。したがってオリジナルがどんな乗り味なのかは、よく知りません。(余談・・・)
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★★