購入価格 $280 (eBayで落札、送料込み)
・ さよなら290g台
軽量フォークとして定番(?)のEaston EC90 SLXの2009年モデルです。
昨年モデルまではコラム未カットで300gを切るフォークだったはずが、
EUでの対衝撃基準をクリアするためにクラウンレース周辺を強化した結果
2008後期モデルから325gに増え、今回のモデルチェンジでITTと呼
ばれるコラム内スレッドを実装したためにコラムまで重くなり、とうとう
350gを超えてしまいました。もはや取り立てて軽量なフォークではあり
ません。
・ラインナップ
Boboのレビューでも触れましたが、非インテグラル対応を謳う商品は
もうそれほど多くありません。SLXは1 1/8in.のみですがSLの方は1in.
を継続するようですし、Eastonは割と古いフレームのユーザーにも親切
なのかも知れません。モデルチェンジのハイライトはやはりITTでしょう。
カーボンコラム内にウレタンでスレッドが切られているためにエキスパ
ンダーもスターナットも不要。たしかStorck Stilettoが以前から使って
いる仕組みですが、パテント取っていなかったようです。ちなみにSLX
だけではなくSLにも採用されるようです。
・製造品質
このスレッドに、重さ8gのアルミ製プラグをねじ込みます。Easton
曰くスレッド強度は抜群で、衝撃が加わるとスレッドが剥離する以前に
ヘッドセットのベアリングが潰れるだろう、とのこと。しつこいくらい
の耐久テストをするEastonの事ですから嘘ではないんでしょうが、
写真でも分かる通り漫画に出てくるチーズみたいな穴があちこちに空い
てますよ???しかも、定価ベースで$600近く、実売でも$400のフォ
ークなのにやたらと重いステンレスボルトとやけにごついステムキャッ
プが付属してきます。私は激安で入手しましたが、もし$400以上払っ
ていたらもっと口汚く罵っていたかも知れません。クラウン・ブレード・
ドロップアウトは、値段に相応しい綺麗な仕上りです。
このスレッドはクラウンレース上10cm辺りまで切られていて、ヘッド
セットのスタックハイト込みでチューブ長125mmの私のバイクでも
問題なく装着できました。説明書によればステムキャップとステムの間
に10mm以上のスペーサーを必ず噛ませること、とあるのですが装着後
はコラムがニョキッと突き出てちょっと不格好です・・・。
・ SLXはフニャフニャ?
過去モデルをレビューされた方も触れられていますが、手でエンド部を
圧迫するとちょっと驚くほど撓ります。クラウン付近は相当ガッシリして
いる一方、ドロップアウト付近が柔らかいのでホイール未装着だとちょっ
と大げさにたわむのだと思います。走っている時は特に気になりません。
それどころか、60km/h位までは路面からのショックを大小問わず綺麗
にこなしてくれるので楽に安心して走行できますし、ブレーキ性能も良好
です。もっと高い速度域での反応を試すには峠に持ち込まないと分かりま
せんが、中低速域では荒れた路面でもしっとりした穏やかな乗り心地を
与えてくれます。ハンドリングは弱アンダーステア、加速性能はまあ平凡
だと思います。
・総評
アップダウンの多いコースや峠より、ディープリムを装着して平地を淡々
と走る使い方が向いているのではと思います。打てば響くような加速や
ナイフで切り裂くようなハンドリングを期待するとガッカリさせられる
でしょうが、40km/h位までで長時間平地を巡航するにはもってこいの
フォークだと思います。アルミや硬いカーボンフレームとあわせると光る
でしょう。逆にフレーム自体がすでに振動吸収性の高い最新のものやスチ
ールフレームだとモッサリした感じが強調されてしまうかもしれません。
SLはSLXより若干硬めに作られているようですし、今や重量差は殆ど無
いですから柔らかさのあるフレームにはそちらの方が良いかもしれません。
もちろんホイール・タイアとの組み合わせもありますが、極端に快適性に
振ったものよりは硬めのものと組み合わせた方がいいのではないかと思い
ます。Eastonのカーボンホイールは硬く作られているようなので、いつか
試してみたいですね。
価格評価→★★★★★(今年一番のお買い得品!)
評 価→★★★★☆(重量サバ読みだけは止めてください・・・)
年 式→2009
カタログ重量→ 325g (実測重量: コラム未カット時352g
カット後コラム残175mmで320g、共にプラグ・ステムキャップ・
ボルト合計25g及びクラウンレースを含まず)