購入価格: ¥6,996 (税込)
標準価格: ¥10,800 (税込)
『とにかく美しいステム。細身のフレームとの相性も抜群で、±10度は見た目にも実用的にも絶妙な角度』
■ シングルスピードのハンドルバーと同時に交換
私はGIANT FIXER Rというシングルスピードバイクに、ピストハンドルを取り付けて乗っていたが、ロードバイクを手に入れてドロップハンドルの使いやすさを実感した。そこで、FIXERにもロード用のドロップハンドルを取り付けることを計画。FIXERの完成形が見えたので、ちょっといいパーツを手に入れることにした。ステムは見た目を最も重視して、憧れのTHOMSON Elite X2 Stemを選んだ。
THOMSON Elite X2 Stem 100mm ±10度。袋とFINISH LINEのFIBER GRIPが付属する
■ 削り出しによる造形美。細身のフレームとの相性も抜群
THOMSON Elite X2 Stemの高精度な削り出しによる造形は、私が所有する私が所有するTHOMSON SEATPOST COLLARと同様に美しい。ブラックアルマイトの質感は、Chris KingのヘッドパーツやBBにも遜色がなく、自転車のルックスは確実に高まる。
このステムはバークランプ径31.8mmの中では比較的細めにできており、FIXERのような細身のフレームとの相性も抜群だ。実は造形美よりも細身であることが、私の購入の最大の決め手になっている。逆に太めのフレームには、このステムは細すぎて似合わないと思う。
ただ、31.8mmのバークランプ部は、細身のステムに対してやや大きめの印象。そのせいか、ステム長が100mmでも長くは見えない。110mm以上の長さなら、ステムが前方にスッと伸びてもっときれいに見えると思う。
美しさが最大の特長。細めのステムなので、細身のフレームとの相性もよい
■ 取り付けには気を使う
ロード用のステムとしては珍しく(?)、ボルトの締め付けには、3mmアーレンキーを使用する。下手をすると、ネジ穴を舐めたりボルトを破断しそう。精度の高い(傷んでいない)アーレンキーとトルクレンチは必須だ。
加工精度が高いからか、このステムはFIXERのクロモリ製のフォークコラムの先端に引っかかってスムーズに入りにくい。この場合は、マニュアルどおりにフォークコラムに紙やすりをかける必要がある。
バークランプ部もハンドルバーに対してタイトにできている。これは組み合わせるドロップハンドルによっても異なり、Fizik Cyrano R3であればスムーズに取り付けられる。一方、完成車付属の安価なハンドルではきつめで、ボルトを締め付けるとフェースプレートやボルトを破損しそうで怖い。組み合わせるなら、加工精度の高いハンドルバーのほうがトラブルも起きにくいと思う。
ハンドルバーの固定方法はボルトの2本締め
■ ±10度は見た目にも実用的にも絶妙な角度
角度は±10度と±17度のふたつが用意されている。FIXERのヘッド角は73度なので、±17度を選べばトップチューブとステムが平行になる。ピストハンドルを装着してトラックバイクらしさのあるルックスに仕上げたいなら、迷わず±17度を選べばいいだろう。
ロード用のドロップハンドルなら、ホリゾンタルフレームに前上りのステムを組み合わせても、ロードバイクらしさのあるルックスが成立すると解釈し、私はあえて±10度を選んだ。FIXERの場合は、ロード用のドロップハンドルにも似合う角度ということになる。とはいえ、前上りが大きいとハンドルが上に出っ張ってしまうが、±10度ならハンドルの位置を低く抑えたスッキリとしたシルエットになる。
ステム・ハンドル上部・ブラケットを面一にした場合、ステムの角度が大きいとブラケットを手に乗せると手が痛くなることがあったが、±10度ならブラケットに手をスッと伸ばしたときに自然にフィットした。また、スタックハイトの低さ(36mm)とわずかな前上りのおかげで、コラムスペーサーを減らしてルックスを高めつつも、適度にハンドルを高くできる。ポジションを出す上でも、±10度のステムは有効だ。
±10度はホリゾンタルフレームと組み合わせても違和感がない角度
■ 十分な剛性感
購入前は高い剛性感を得られると思っていたが、実際に走ってみると、意外にもカチッとした硬さはあまり感じなかった。これは2つのハンドルバーで試しても同じ印象だった。とはいえ、ダンシングを多用するシングルスピードでも特に物足りないわけではなく、十分な剛性感を備えていると思う。
体感的には、GIANT CONNECT SLのほうが剛性が高いような気もする。特に剛性の高さを感じないのは、ステムの細さ、ボルトの2点止めのフェースプレート、フェースプレート自体の面積の小ささが影響しているのかもしれない。また、このステムの肉抜きされた部分を見ると軽そうに見えるが、肉厚にできているので見た目ほど軽くはない。見た目、重量、剛性のバランスをうまくとっているといった感じだ。
100mm ±10度の重量は144.5g
■ 私がFIXERに使うステムは多分これが最後
THOMSON Elite X2 Stemよりも軽量、もしくは、高剛性なステムは他にもあると思うが、これだけ美しいステムは他にあまりない。高精度な切削加工、アルマイトの質感は私の期待どおりで、細身のフレームとの相性も抜群だ。±10度を選んだのは大当たりで、ホリゾンタルフレームと組み合わせても見た目の違和感がない上、身体に無理のないポジションを出すことができた。
ステム自体のルックスもFIXERのシルエットは文句のつけどころがなく、固定力や剛性も実用上の問題はない。私がFIXERに使うステムは、多分これで最後になるはず。これまでいろいろとカスタムを経験した結果、最終的にTHOMSON Elite X2 Stemにたどり着けてよかったと思う。
このステムのおかげで理想的なシルエットとポジションを出せた
価格評価→★★★★☆ (海外通販ならおトク)
評 価→★★★★★ (見た目とポジションが大満足。剛性も特に問題なし)
<オプション>
年 式→ ー
重 量→144.5g