かつて日本の競技者たちに大きな支持を受けたフジタのサドルです。
画像のサドルはその名もCONPYですが、何かのコピーかいな?とでも言いたくなるような名称です。すでに30年近く前の製品ですが、当時、Sanmarco CONCORというこれまた人気のサドル(コンコールライトの祖先)があり、それを細身にした雰囲気のサドルが、このCOPYじゃなくてCONPY、NJS認定品です。
表皮素材は表革のものと、東レのエクセーヌを貼ったきれいな発色のものがありました。大学生のころ散々乗りつぶしてぼろぼろになって放置してあったやつを数年前に、羊革を貼って再生してみました。太古のサドルの割にはカッコイイのですが、現代のサドルとの大きな違いは、鞍部から前の部分の幅が広めであるところです。
手順ですが、まず、表皮を剥がします。中のウレタンが捥げないように、とにかくゆっくり剥がします。そして、鞍部から前の部分の幅を狭めるために、カッターでウレタンを少々削り落します。
新しく張る革は、十分にテンションをかけてはりますが、まずは鞍部のサドルサイドを起点としてここをだけを5cmほど接着します。接着剤はG17などのゴム系です。鞍部が確実に固定されたらここからジワジワと周囲に接着範囲を拡げていきます。
なお、ゴム系接着剤ですので、塗布してから30分ほど待って、表面が乾いてから接着し、圧力をかければすぐにある程度の接着力が得られますので、1分も押さえていれば、手を放しても大丈夫です。左右対称に接着範囲を拡げます。テンションをかけながら接着していきます。革をカットするのは接着した後です。
意外と簡単に革を張ることができました。ところで張った革は羊革を使いましたが、適当なサイズの端材が手に入るならば、このサイズなら1000円程度でしょう。いろいろな色の物が売られていますので、好みに合わせて選ぶことも可能です。
さて、再生されたCONPYですが、モダンなサドルにすっかり慣れてしまうと、もうこの幅広には適応できなくなっていました。さして太くは無い自分の大腿部の内側が妙に擦れるのです。昔、こいつで飛び回っていたころにはそんなことは一切気になりませんでしたが。
羊革でカッコよさを回復したCONPYは結局、再びお蔵入りとなりました。
今頃こんな旧品をレヴューしても詮無きことではありますが、サドル再生のご参考まで。
なお、セライタリアのターボなども簡単に革の張替ができました。
価格評価→★★★☆☆
評 価→★☆☆☆☆
年 式→1982