購入価格 ¥3,780
TOPEAK Turbo Morphの踏み板がもげてしまったので、携帯ポンプとしては久方ぶりの新規購入となりました。LEZYNEの携帯ポンプはラインナップが豊富で、MTB用として展開されているAlloy Driveの購入も検討しましたが、訳あってこちらのMサイズを選びました。
【外観】
まず何と言っても、ホース部をボディに格納するという斬新なアイデアに感服させられました。携帯ポンプの至上命題でありながら相反する要素になってしまいがちな、使いやすさと携帯性のどちらをも飛躍的に向上させる構造なのですから、手放しで称賛せざるをえません。また、切削跡がわずかに残ったアルミボディは、従来のポンプにはない高級感を漂わせています。出番が少なく目立たない携帯ポンプであっても、妥協なくものづくりに取り組む姿勢には好感が持てます。ただ、若干ムラが見られるLEZYNEのロゴのせいで、完璧な美の実現には至っていません。
【タイヤポンプとして】
ハンドポンプとしては、まったく問題ないと言えるでしょう。サイズがサイズなので、先述のTOPEAKのものよりは多少入れにくく、ポンピングに時間もかかりますが、完全に許容範囲内です。太めのシャフトの滑らかでブレのないピストン運動が、精度の高さをうかがわせます。
26×2.0サイズのタイヤでテストしてみましたが、ポンピング約250回で3 bar、約330回で4 bar (58 psi)に達しました。300回を超えたあたりから、ポンピングに抵抗を感じるようになりましたが、苦労するというほどではありませんでした。カタログ値では120 psiまで対応しているので、当たり前のことなのでしょうが。この回数さえ記憶しておけば、ゲージなしの携帯ポンプでも何の問題もないように感じました。
【サスペンションポンプとして】
※上段のポンプは、ROCKSHOX社のサスペンションポンプ
冒頭で訳あってと申しましたが、その訳というのは、携帯ポンプをタイヤの空気入れとしてのみならず、サスペンションポンプとしても使いたいという事情です。Alloy Driveだと最大空気圧が90 psiですので、サスポンプとしては役不足ということになります。そこで、120 psiまで入れることのできる、こちらの製品を選んだのです。
今まで使っていた携帯ポンプでは口金部分が大きいために、サスペンションのバルブには取り付けることができませんでしたが、この製品ならまったく問題ありません。試しにサスペンションのエアを抜いてポンピングしてみましたが、ポジティブ側で110 psiまで、ネガティブ側で80 psiまではなんとか空気を入れることができました。普段の設定空気圧は両方とも100 psi前後ですので、応急用としてなら充分でしょう。ホイールのバルブはフレンチで、サスペンションのバルブはアメリカンなのですが、切り替えも手間いらずで言うことなしです。
【ちょっとした問題点】
口金が回転しないので、バルブにねじ込む際にはホースごと回転させることになります。多少煩わしいですが、とりたててあげつらうほどの事でもないかと思われます。
それから、ねじ山保護のためにボディの両端にゴムのキャップが付いていますが、すぐに外れてしまいます。私は、キャップが外れた場合でも他の荷物と擦れ合ってねじ山が傷まないように、ザック内の仕切られたスペースにポンプを収納しています。フレームに取り付ける場合も走行中の振動で外れてしまいそうですが、構造上ポンプ本体から脱落することはないので、気にするほどのことではないのかもしれません。ただマッドコンディションを走る場合は、キャップをテープで留めるなどの対策が必要になるのではないでしょうか。
【総評】
扱いやすさ、携帯性、精度、デザイン、全てが考え尽くされた傑作でしょう。しかも、サスペンションポンプとしても使えるという、メーカーの想定外とも思えるおまけつきで、もう大満足です。また1つ有望なメーカーが自転車業界に現れたことを嬉しく思いました。
価格評価→★★★★☆(この高級感と使い勝手の良さなら)
評 価→★★★★★(全てにおいて高レベル。サスポンプとしても使えるのが嬉しすぎる)
カタログ重量→107g
実測重量→本体:99g、ブラケット:11g