Campagnolo Shamal Ultra '10
購入価格 ¥160.000
先の方と同じく、自分も「ロードバイクの科学」をバイブルとしている事を先に述べておく。
そしてユーラスで無い理由は、これも同じくタダの見栄だ。
ハブはカーボンでなくむしろアルミ方が良いので、ユーラスにシャマルのステッカーを貼りたいぐらい。

余談はさておき、2010年モデルの野暮ったいグラフィックのシャマルを選んだのには理由がある。
1つ目は、アルミニップル。
真鍮ニップルに信頼が置けるのは言うまでもないが、あえてチャレンジしてみた。
2つ目はリムハイト。
前後で高さが変わるのだが、リアは28mmと実物を見ると結構迫力がある。
理想としては大胆に30mm程度まで引き上げて欲しかったが、そこまですると太ってしまうんだろう。
自転車乗りはダイエットが好きだから、それは戴けない。
そこで1つ目の項に戻ってくる。恐らく、単純に考えるとリム重量は「増」だろう。
しかし計測の結果、マイナーチェンジ前のシャマルと比べると軽く、カタログ重量にも偽りの無い重さだった。
つまるところ@リム高を上げて増えた体重を、アルミニップルで相殺した@とでも言おうか。
アタリが出る前からハブもよく回り、スペック的には大満足。早速試走に出かけた。

インストールしたのは、VittoriaのCORSA EVO Slick.
タイヤに付いての詳細は、私のレビューを参照されたし。
比較は同じくカンパの定番ホイール、ニュートロンからの乗り換えです。
1、走り出しはニュートロンと互角。
踏み出し、発進、巡航速度までのスピードの乗り、全てニュートロンと変わりませんでした。
これは意外だったポイントの一つで、タイヤも軽い物を付けていた外周部の軽いニュートロンより劣ると思ってましたが、
それは間違い。と言うか、きっと誤差範囲なんでしょう。
マイブームのラテックスのチューブなんて、軽量な物と比べると30g以上重いですからね。
2、平坦の巡航は快適そのもの。
30km/h~を過ぎると、空気抵抗の割合が異常に増えるのは皆さんご存知のはず。
その30km/hに「えいっ」と乗せてしまうと、また違う世界が訪れる。
大体33~34km/hだろうか、流すには速いと感じるペースで、平坦ならずっと走れそうな気分になる。
ニュートロンなら、30km/hの壁を越えると集中して走らなければ維持できなかったのが、
シャマルなら高速時の安定感から、ついつい飛ばしてしまう。罪なホイールである。
3、軽さは正義か?
一番気になったのが登坂時の性能。平均勾配7%、3kmの坂でチャレンジ。
1回目はそんなに力を入れなかったが、見事それまでの記録更新。
しかし更新は数秒で、偶然か、或いは変わらないか?と思ったので、日を改めてチャレンジ。
すると今度は20秒以上更新。最後のスパート無しでの結果だった。嬉しかった。
低速での踏み心地も、踏み負けるか?と思うくらいしっかりしていて、
以後、普段使いのホイール1番選手に任命されたシャマル君なのであった。
4、高速走行時の安定性。
平坦で列車を組んで走るときなど、時速40km付近でドラフティングすると極端に自分が楽なのが分かる。
それは「ペダルを止めている時間」だ。
明らかに、メンバーの中で自分の脚が一番休めている。
比較が色んな自転車、ホイールなので漠然とした結果だが、これは事実。
やはりエアロダイナミクスが優れている証拠だろう。
更に特筆すべきは、G3組みの恩恵。
自転車屋さんで、「空力はG3の方がえぇで、やってみ」と言われたのでやってみる。
下りで「レーシング1」と並んだ時、自分の方が一歩前に出る。
そのまま踏み込めば70km/hまでは一気に加速。「ストーン」と落ちていくような錯覚だ。
そしてそのスピードから減速、そしてコーナリングだって一切の不安を覚えない。
やわなホイールだと、ハードブレーキや高速の切り返しでここまでの軽快感は味わえないだろう。
5、チューブレス化について。
2wayでなくてもチューブレスが使えるのか?という問いに対して、答えはグレーゾーンだ。
リムに空いている爪楊枝くらいの穴を塞いで、2way用のバルブ(1.000円相当)を入れれば理論上は使える。
しかし、結局のところチューブレスに耐えれるタイヤというのは、チューブレス設計のタイヤしかない。
ケーシングの隙間から、チビチビと空気が漏れてしまうのだ。
で、チューブレス用のビードは、もちろんチューブレスリムの「溝の深さ」に対して設計されている。
2wayとWO専用の差は、リムのビードが当たる部分だけなので、ここが焦点となるわけだ。
とすると、もしパンクなどトラブルの際、WO専用リムでチューブレスを使うと、
最悪の場合、タイヤが外れると言う可能性が出てくる。
これらの事から、WO専用ホイールでチューブレス化をするのは本当に自己責任で、
しかもリスクが伴う事を忘れてはいけない。
蛇足だが、私はラテックスチューブに大変満足しているので、もし乗り心地・性能云々で
タイヤを決めなければならない状況になれば、大人しくチューブラーを使おうと思っている。
価格評価→★★★☆☆(日頃より世話になっているショップへ愛を込めてw)
評 価→★★★★★(アルミ最強ホイール)
<オプション>
年 式→2010
カタログ重量→ 1415g(実測重量F:613g R:800g)
※最後に※
事情により店頭で買ったため、割高なホイールとなってしまったが、十二分に満足している。
ロードを始めた時から、「いつかはシャマル」の精神で頑張ってきたが、遂に夢が叶った形だ。
まだまだペルシャ湾岸に吹き降ろす強風、「シャマール」には程遠いが、
いつか風になって走れるように、ボーラに追い着くように、シャマルで鍛錬したい。