購入価格 1680円
携帯ポンプを選ぶ時、自分は『政治』を連想する
そのこころは、各社のカタログが謳う「最大気圧」が
政党のマニフェストのごとくあてにならず、携帯性を
求めると性能が犠牲になり、性能を追求すると
フロアポンプと変わらない大きさになってくる。
楽をしようとCO2のカートリッジを使うと、
結構なランニングコストが掛かる。
あたかも、子供手当てを支給すると消費税が
増税になるという、今の政治の如しである。
私が最初に買ったのはTOPEAK ポケットロケット
マスターブラスターである。世評が高いのを
聞いて購入したのだが、実際に出先で使用すると、
これで十分とは言えなかった。疲れもあるのだと
思うが、帰って確認すると5barを少し上回る
ぐらいしか入っていない。
以前、オリンピックで重量挙げを観ていて思ったのだが、
ご存知のように、あの手の競技は体重別に区分けしている。
ご承知のように、自転車に限らず、運動競技では必ずしも
身長体重が大きい方が有利とは限らない。しかし、
重量挙げのように、純粋に力を競う要素が強い競技では、
クラスが上がるにつれて、身長も高くなる。背が高くなれば
筋肉量が増える -> 力が強くなるという図式が成り立つようだ。
体格は人種によって大きな格差がある。ガキの頃の教科書に
掲載されていた北京事変に出兵した各国兵士の写真をみると、
日本の兵士はまるで小人のごとくであったが、今でも
自転車のウエアで日本のXLは向こうのLという風に、
標準が1サイズ分あちらの方が大きい。
当然、腕力も体格に応じて大きいはずで、海外のサイトでは
私の使っていたポケットロケットマスターブラスターとほぼ同形の
ポンプの持ち手をフロアポンプのようにT字(L字)にできるタイプが
主力のようだが、標準的な身長の日本人にはこれでは少しきつい
ように思う。
そこで、いわゆるミニフロアポンプと言われるものが人気を博する
わけだ。自分もTOPEAK ターボモーフ-ゲージ付き を愛用してきた。
このポンプ、使い勝手は非常に良いのだが、どうやって運ぶかが
問題である。ダウンチューブ下やチェーンステー下も試して
みたが、ポンプが動いてしまったり、汚れがひどくて、
結局、トップチューブ下に取り付けることになった。
しかし、トップチューブの部分にフックを引っ掛ける構造の、
上下2段のバイクラックでバイクを収納しているので、
自転車をしまうごとにポンプを外さなくてはならず、
面倒に感じていたところに、先人のレビューにあるように、
バルブからヘッドが外せなくなる現象が自分のポンプにも
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=2774&forum=92現れたのと、ゲージ部分に錆も出て来ていたので、
新しい商品を物色することにした。
まず、今話題のLEZYNEの製品を考えたのだが、
ROAD DRIVEはボトルゲージ横に取り付けられて
良いのだが、体重を掛けて楽にポンピングできる
いわゆるミニフロアポンプでは無いし、
かといって、MICRO FLOOR DRIVEでは
存在感がありすぎるし、取付場所にも困る。
できれば、ボトルゲージに取り付けられる製品と
言うことで、アサヒのサイトに掲載されている
『2007ミニフロアポンプ対決』を参考に、
http://www.cb-asahi.co.jp/html/tencho/2007/0221/index2.htmlこの商品を購入してみた。
ちなみに、同じブランドでゲージ付きという製品があるが、
設計が全く異なる。どうやら、別々なメーカーで製造された
ものを、どこかが統一ブランドで売っているだけらしい。
この商品の長所と短所を6つずつあげる
長所 -----------------------------------------------------------------------
1)ホースが付属していているので、空気を入れる時に
バルブに力が掛からず、ヘッド部分のレバーも大きいので、
軽い力でヘッド部分を固定でき、バルブを傷める心配が無い。
2)ホースは本体内に収納されるので、収納時はホースが見えず
コンパクトにボトルゲージ横に設置することができる
3)倒立式といって、普通のポンプの持ち手の部分が土台に、
土台の部分が持ち手になっているので、本体の全長は
一般的なフロアポンプよりかなり短いが、L字型になる
ハンドルを右手で掴み、左手で本体を押さえて空気を
入れると、体重を掛けて楽にポンピング可能である。
もちろん、底部には折りたたみ式の踏み板も用意されている。
4)倒立式であるので、通常、この手のポンプで気になる
手を挟むというような事故はあり得ず、安全である。
5)女性でも7barまでは、最後まで押し込まないで、
軽く往復運動するだけで、頑張らなくても
2分くらいで入れられる。男性ならば8barまでは
簡単に入れられると思う。
(アサヒのテストでは100回で8.2bar)
6)定価が1600円台と、この手のポンプとしては、非常に
安い。このサイトでも激賞されているgrungeのポンプ
アダプターが定価が609円なので、ホース部分を
除くと1000円そこそこ、以前使っていたターボモーフが
海外のサイトでも3000円前後なのを考えると格安である
短所---------------------------------------------------------------
1)TOPEAKのようなリビルドキットも、予備のホルダーの
販売も無いので、どこかが壊れたらそれまで。
複数のバイクで共用することもできない
2)5bar以上に空気を入れると、本体がかなり熱を持つ。
持てないような熱さではないが、安く上げるために、
本体をプラスティックで作り、外周だけアルミで
くるんで強化してある構造ゆえ、フロアポンプ代わりに、
前後のタイヤに連続して使用したりするのは、ためらって
しまう。(試したことは無いが)耐久性も不安である
3)使用説明書が簡略すぎるので、使い方が分かりにくい
この製品の当サイトでの先人の記述を参考にされたし
4)ボトルゲージ横に設置できるギリギリの太さゆえ、
シートチューブに設置すると、普通の服で乗る場合、
裾を擦る感じになる。また、ベルクロ等は付属せず
プラのブラケットに挟むだけの構造なので、足を
引っ掛けて外れやすい。前の方も指摘されている
ように、ブラケットを折る危険性もある
5)東京サンエス扱いなのだが、単価が安すぎて商売に
なりにくいためか、ネットでもリアル店舗でも
置いてある店が少ない
6)LEZYNEの製品のように妖しい魅力には欠ける。自分は
LEZYNEのポンプを製品をカルメンポンプ、
本品をミカエラポンプと呼んでいる。
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以上のように、色々欠点もあるが、女性でも子供でも
東京サンエスのカタログ値である7barまで空気が
入れられるというのは素晴らしい。
安いことでもあり、機会があれば、是非手に入れられてみることをお勧めする。
(今でもアサヒに扱いがあり、販売best5にもほぼいつも名を連ねている。)
東京サンエスさんには、是非、ブラケットのみの販売もしていただきたい。
価格評価→★★★★★(価格性能比を考えると格安)
評 価→★★★★☆(耐久性は不安だが、それほど回数を使うものでは無いので4点。
ブラケットが別売されれば満点としたい)