購入価格 ¥近所のショップで定価購入
自転車の上の人は身長170cm、体重59kg、チェスト91cm、ウエスト73cmの自称クライマーである。
2008年12月7日、納品。装着フレームはCAAD8。
CAAD8完成車装着ホイールはSHIMANO - R550だったので
まずは持って軽い。また、もろ金属な質感のあるR550と比較すると、
プラスチッキーでスカスカで、何だか心もとない。段差にゴッツンしたときなんかは…
この日のトレーニング日誌が残っていたので、そこから引用。
--引用ここから--
ハァ、ハァ、ハァ・・・
薄く雪化粧をまとった白糸の山奥に、俺の吐息がこだまする。
「白糸」というのは、俺がここ2年で120回登頂している峠で、距離7.3km、標高差530m。
この峠を上るときはいつもタイムトライアルのつもりで上っている。
「ガハハハハハ!!こんなに軽いホイールはいたら、一発で1分くらい記録更新だぜ!!」
序盤の緩斜面を高回転でいなすと、目の前に迫ってくる急坂に向けて、
俺はやおら腰を上げてダンシングを開始した。
デヤァァァァーーーーー!!
ローギアを一枚余して、ダンシング80回転で16km/hを下回ることはない。
い、いける!これは、まさに「いつもよりギア一枚分軽い」!!
「ブハハハハハ!!俺は強くなった!!!インナーローでクルクルまわす日々とはサヨナラだぜ!」
そのまま下り区間に入ると、45、50、60・・・と瞬く間に速度が伸びてゆく。
ゴオォォォォォォーーーーーー!!
風を切る音だけが俺の聴覚を支配する。下ハンエアロポジションをとる俺の体には、
心地よい路面の感触が伝わってくる。
材質が薄く、ホイール内で反響しているのであろう。
「クアァァァァーーー」というような、独特な走行音も耳に心地よい。
軽い車輪というのは、高速下りの安定感はどうなのだろうか・・・
と心配していたのだが、それは杞憂であった。
真円度が高いのか非常に安定しており、安心して体を委ねられる。
ブレーキのききも良好で、安心してコーナーリングに臨むことができる。
下り切ると、直線区間である。上りで消耗しきった体から最後の力を振り絞る。
パチン、パチン・・・とシフトアップしてゆく。グン、グ ン、グ ン・・・と加速する。
ヌゥオォォォォーーーーーーー!!!
ステムキャップにゴツゴツと頭をぶつけながらのスプリント。
スカッ。右手の中指が空を切る。俺は驚愕した。
リアを使い切ってる・・・!?
初の経験である。おれは迷わずフロントをアウターに上げた。
ガチャャャーーーーーーーーーーン!!!
タイムトライアルの果てにかかるアウター・トップの負荷。
かつてないトルクに俺も自転車も悲鳴を上げる。
最後のコーナーをまわると、おれはストップウォッチのボタンを押した。
29分37。約1分も届かず、記録達成ならず、である。
「ばかな・・・あんなに踏めたのに・・・いつもより遅いとはどういうことだ・・・」
その時だった。道端でやまめを焼いていた初老の男の目が鋭く豹変し、
岩山のように隆起した豪腕が俺の腹直筋に向かって放たれた。
不意を突かれた俺はなすすべもなく悶絶し、
やまめ水槽からだだ漏れする水たまりの中に膝をつき、崩れ落ちた。
「馬鹿野郎!それだけの脚力があって何だあの走りは!!
そんな節操のない走りをしていて、タイムトライアルができると思っているのか!!」
俺は朦朧とする意識の中、心拍計のログを見た。最高心拍194、平均心拍161。
最高、平均ともに普段より10ほども高い。
おれは愕然とした。
そうか・・・今日の俺は、新ホイール装着に浮かれて、自分のペースを見失っていた。
序盤で上がりすぎた心拍はもはや戻ってくるはずもなく、
中盤以降は心拍は上がっているもののトルクは出ていなかったのである。
軽い機材を使えば、速度は上がるけれども、その速度に見合った力を必要とされる。
軽い機材は持っている力を引き出すきっかけにはなるけれども、実力が上がるわけではないのである。
--引用ここまで--
【要点をまとめます】
C24デビューのこの日は、29分37で記録達成ならず、だった。
(それまでの記録は28分33)
C24での記録達成はそれから20日後の12月27日(その間、3度チャレンジ)。28分30だった。
劇的な記録更新をひそかに期待していたのだが、そんな効果はなかった。
【柔らかく衝撃吸収が良い】
乗り心地を求める人には朗報です。本当によい。
硬いフレームをしなやかにしてくれるでしょう。
購入から1年半が経過した現在、アンカーRNC7に装着していますが、クロモリとの相性もよい。
【25km/hまでに壁がない。勝手に出る。】
これは現在でも感じる。やはり軽さが、初速のよさにつながっているのだろう。
軽いギアでスタートすると、クルクルクルっと足が回る。
重いギアでのダンシングゼロスタートも、グイっと前に出る感覚が心地よい。
【踏んだときの加速は劣る?】
これは今は感じない。何を言っているのか、我ながらよくわからない。その感覚を忘れた。
想像するなら・・・この頃の私は、自転車をまっすぐ走らせる技術が低かったのだろう。
ホイールの軽さも手伝って、車体がふらついて、力をロスしていたのではないだろうか。
【メンテナンス】
フレません。本当に。DURAの信頼性は並じゃない。
購入後1年半を過ぎているが、いまだほぼノーメンテ。
フレもないし、ハブは本当によく回る。
唯一、落車でスポークを一本曲げたとき、その一本だけスポーク交換して今に至る。
スポーク代300円(たしか)でした。
【タイヤのはめ易さ】
よく「シマノとパナは相性が」と聞きますが、私は大丈夫。
このCL24で
ミシュラン PRO2RACE → マキシス クールシュベル → パナレーサー DURO PT
→ パナレーサー RACE TYPE L(まさに今日装着した)
と遍歴しましたが、どれも外すのはタイヤレバーなし。
新品はめるときだけ最後の一押しをタイヤレバーに頼ります。
噛み込みパンクはしたことない。
【それから】
2010年8月19日、件の峠タイムトライアルでひさしぶりの記録更新。25分58だった。
実はこのとき使ったホイールは、前輪RS80、後輪C24という変態仕様。
走行前にC24前輪のタイヤ(クールシュベル)がたんこぶ状態
(→画像)
になっていたので
急きょ、通勤車に履かせてたRS80前輪を差し換えて出発したのだった。
と、いうことで。
C24はいいホイール。これは疑う余地はない。
しかし、廉価版のRS80も、ほぼ同等の性能を持っているといっても差し支えない。
このことも追記しておく。
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価格評価→★★★☆☆(良い。しかしRS80との性能差がほぼないことを考慮)
評 価→★★★★★(文句ないです)
<オプション>
年 式→2008・冬
カタログ重量→(実測重量 690g・・・前輪だけ。QR、リムテープ込み)