購入価格 ¥購入価格は6000円弱だったと記憶
馬鹿野郎!
「ゆっくり走るからヘルメットは必要ない」だと?
こちらがどんなに気をつけていてももらい事故の可能性はゼロにはできないし、
ヘルメットをかぶるということは「私は法規を遵守して車道をシェアします」という意思表示の具現、
つまりヘルメットは自転車乗りの誇りとも言えるんだよ!
こんなことを言っても、昨今の自転車乗りやヘルメットへの偏見や蔑視はそう簡単には拭えないだろうから、
どうやらこの先自転車乗りが生きのこるには俺の体験談を語らなければならない流れのようだな・・・
あれは俺がGIOS AIRONEに乗って、近所の喫茶店にコーヒーを飲みに行ったときのことだ。
俺はヘルメットを小脇に抱えて、自転車の見える窓際の席に座った。
物静かな雰囲気の正統派美少女のさよちゃんが注文を取りに来る。
コラリー・クレモンの流れる店内に俺の注文が響き渡る。
俺「ブレンドひとつ」
その直後である。さよちゃんが引っ込んでいった給湯室に、辛辣な噂話がこだまする。
「見た?あのキノコのコスプレしてる変な客、最近毎日来るのよ」
「こわいわ」
「どうやら髪も薄くなってきているようね」
「わかるわ」
ばっ、馬鹿野郎・・・!
これはキノコのコスプレじゃなくて安全のための・・・
それにヘルメット脱いだら少々髪の毛がペタッとするのは仕方がないじゃないか・・・!
どうやらこの場所にはもういられないな・・・
涙に咽ぶ俺は逃げるように店を後にした。
そんなこともあり、俺はそれ以後、近所にちょい乗りするようなときはヘルメットをかぶらずに走るようになったんだ。
そんなある夏の暑い日のことだ。
ちょい乗りの途中で熱中症気味になってしまった俺は、偶然にも目の前の公園に水をかぶるのにちょうどいい蛇口を発見した。
ここで水をかぶって頭を冷やそう・・・
頭から水をかぶったその直後、俺は後頭部に衝撃を受けその場に倒れこみ悶絶した。
どうやら頭を上げたときに剥き身の頭を蛇口にぶつけてしまったようだな・・・
ただならぬ雰囲気を察して、たまたま通りがかかった謎のベテランローディーが俺に声をかける。
謎のベテランローディー「おい!大丈夫ですか?」
俺「フヒヒ・・・大丈夫です。
ちょっと蛇口に頭をぶつけてしまって・・・
今日はゆるふわライドだからヘルメットをかぶってなかったんですアハハ」
俺は痛いのと恥ずかしいのとで愛想笑いを浮かべた。
その瞬間、謎のベテランローディーの表情が一変し、渾身の力を込めた右ストレートが俺の顔面に襲い掛かった。
バカヤロォォォーーーッ!!
謎のベテランローディーの剛腕パンチは俺の顎を的確にとらえ、俺は吹っ飛んだ。
あまりに一瞬の出来事だったため状況を把握しきれない俺に、謎のベテランローディーは手を差し伸べ、優しくこう言ったんだ。
「ヘルメットをかぶるのもきのこるのも恥ずかしいことじゃない。
ヘルメットは、俺たちローディーのお父さんみたいなものなんだ。
事故がないときにはその存在を意識しないが、威厳と誇りを持って陰から静かに見守っているんだよ。」
俺がはっとして顔を上げると、ちょうど数人のローディーが公園の前を通り過ぎるところだった。
みんな様々なヘルメットをかぶっているが、ある物は真新しく、ある物は古くぼろぼろになっている。
しかしどれにも共通して言えることは、どんなに雨風に打たれ、灼熱の太陽に焼かれてぼろぼろになりながらも、
主人の大切な頭を優しく包み込んで陰ながら見守る、まさにお父さんのように見えた。
謎のベテランローディーの彼のヘルメットにしてもそうだ。
彼のかぶっているヘルメットは OGK ENTRA というモデルで、決して高級なものではないが、
頭の形によくフィットしているので、これで3世代目とリピートして愛用しているのだそうだ。
しかしこのモデルも廃盤になって久しく、そろそろ買い替えの時期なのだが、
新たによく頭にフィットするヘルメットが見つからず、悩んでいるのだそうだ。
「ヘルメットのよしあしは値段で決まるものじゃない。
必ず試着して、違和感なくフィットするものを選ぶこと。
頭にフィットすることが最高の性能。
あと、サングラス、キャップ、バックパックとは相性があり、
相性が悪いものは干渉したり使用感が変わってしまったりするから要注意」
というアドバイスもくれた。
俺は愚かだった。
心無い人の中傷など、ヘルメットが俺に注いでくれる愛情に比べれば、ほんのとるにたらない障壁である。
にもかかわらず以前の俺は、ほんのちょっとの人目を気にするためにヘルメットの愛情を受けることができなかっただけでなく、
ローディーとしての誇りまでも見失っていたのである。
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【要点をまとめます】
安い、軽い、通気性も高級モデルと比べて違いを感じない。
でかあたまの私の頭に M/L サイズでフィットする。
他に代わりのない良いヘルメットだったのだが、廃盤になってしまった。
しかしなぜかAEON BIKEには在庫がある模様。
2007年モデル、購入は2009年(GIOS AIRONEと同時期に購入)。
耐久性についてであるが、ストラップ、留め具、クラニウムロック、もちろん本体、
どこにも傷みも故障もない。
それよりも本体発泡スチロール部分の経年劣化により、もう引退させるべきなのだろう。
後継はLEFFなのかと思ってLEFFも試着してみたが、まったくの別物。
あきらかにこめかみに圧迫があり、頭が痛くなってしまった。
頭にフィットするヘルメットと出会ったら大切にしよう。
ひとつ予備を買っておいてもいいのかもしれない。
最後に、参考までに。
OGK ENTRAのサイズ(M/L)がフィットする私は、他には
GIRO SAROSのサイズ L(59~63cm)実測重量323g、
MAVIC プラズマのサイズL(57~63cm)
BELL ルーメンのサイズL(58~62cm)
がよくフィットする。
もちろん頭の周長だけでフィット感は決まるものではないので、試着が大前提。
あくまで参考までに。
価格評価→★★★★★(より高級なヘルメットに負けてると思うのはデザインだけ。飽きのこないユニバーサルデザイン is 何。)
評 価→★★★★★(廃版悲しい。ぜひ復活して)
<オプション>
年 式→2007
実測重量→ 234g