購入価格 310,000円
Cannondale CAAD9との比較。
セットアップ
Campagnolo Eurus Clincher
Campagnolo Record
Continental GrandPrix 4000S 23c
これまでアルミ・クロモリバイクに乗ってきたが、フルカーボンバイクを試してたくて購入した。そのため主にアルミバイク(CAAD9)との比較。
はじめてフレームを持ったときの軽さにまず驚いた。
軽さだけでなく、どこか実体のないものを持っているような奇妙な感触がした。乗り始めてからもその「実体のなさ」のようなものを感じた。
なんというか、金属のバイクとは全然違っていて、最初は「自転車に乗っている」感じがあまりしなかった。
喩えて言うと、「硬くて薄い段ボールとかプラスティックの筒」に乗っているような感じ。
しかし不思議なことに乗り味はまったく硬くない。ものすごくマイルド。
あまりにもマイルドなので「俺は本当に自転車に乗っているのだろうか」と思うほど。
この「不思議なマイルド加減」に慣れるにはしばらくかかった。
今ではすっかりその「軽くてスカスカしたものに乗っているのにマイルドな走行感」という奇妙な感覚にも慣れた。
乗車感はマイルドだが路面情報は非常に良く伝わる。
踏めば踏むほど前に進む。
ただし、アルミのCAAD9も「踏めば踏むほど前に進む」という点は同じ。
アルミは「グウン、グウン」と前に進むがBMCは「ビュオーン ビュオーン」と進む。
これが「鞭のようなウィップ」というやつなのだろう。はじめて知った。
非常に気持ちいい。40km/hまでは楽々加速できる。
ダンシング時にもものすごいウィップ感がありよく前に進む。
また、100kmくらい走行すると実感できるのは「疲れにくさ」。
いつもはヘトヘトになるような距離を走っても、まだ数十キロは行ける、と思ってしまう。「足に来ない」というのはこういうことを言うのかと実感した。自転車のレビューではバカの一つ覚えみたいに「剛性」という言葉が繰り返し使用されるのでその言葉は使いたくないのだが、「剛性」のあるバイクではないのだろう。しかし踏んだ分のパワーはもれなくフレームに伝わっているのを感じる。「パワーロスがない」というのはこういうことなのだろう。
乗っていて快適。疲れにくい。いつもより重いギアを踏めそうな気がする。いつもよりケイデンスをあげても苦しくない。今日は疲れているけど昨日より20km距離を伸ばしてもいい。そう思ってしまう。そして実際にそうしてしまう。その意味では危険なフレームだと思う。本当は筋肉も膝も疲労しているはずなのに、その疲労が巧妙に隠されてしまうため、気が付くと無理をしている。なので、快適性が高い反面、身体を壊してしまうかもしれない二面性を持った不思議なフレームと言える。
さすがドーピングで話題になった自転車だけのことはある 笑
ドーピングしたみたいに身体は楽ですが、身体には本当は負担がかかっているのかもしれません。
品質。
リアブレーキのインナーワイヤーを通すのに一時間かかった。これはよくあることらしい。ワイヤー内蔵タイプのカーボンフレームには二時間かかるものもあるとか。最初は途方に暮れたが、なんとかなった。
シートステーがぶっといせいか、リアホイールの着脱に苦労する。空気を抜けば着脱は簡単。そのため、パンク修理の際には、空気を完全に入れる前にホイールを装着し、その上でCO2でふくらませるのがいいと思う。
フレームはオルベアのオルカみたいにペコペコへこんだりしない。ただしどれくらいの強度があるのか試す気はさらさらない。落車していないので耐久性は不明。
プレッシャープラグは付属している。シートポストのヤグラ部には規定トルクが書かれている。シートクランプ部のボルトは二つあるので、3Nmずつ、合計6Nmで締めている。最初、シートポストがずりおちてきたが、カーボンアッセンブルコンパウンドを塗ったら規定トルクで十分に固定されるようになった。
ジオメトリー。
ヘッドチューブはかなり長めなので、人によっては慣れないかも。
(CAAD9に比べると10mm以上長いと思う)
ただしそういう人はTIOGAのBONEステムやLOOKとかが出している可変式ステムを使用すればいいだろう。ヘッドセットはFSAのものが付属している。また、ヘッドセットキャップには厚みのあるものが最初取り付けられているが、厚さが半分のものも標準で付属しているから、それを使用することでハンドルは5mm強下げられる。
塗装は非常にイイと思います。
また、この独特のかたちをしたフレームはたいそう掃除がしやすいです。BBやチェーンステー下の汚れも簡単に拭き取れます。
購入の際にはLOOK595と悩みましたが、安く買えたこともあり、十分満足しています。
フルカーボンフレームに乗ってみて思うことは、非常にいいモノだけれども、アルミやクロモリといった鉄の自転車はたぶんなくならないだろうということ。どちらがより優れているということではなく、どちらも違ったテイストがあっておもしろい。当分はこのバイクをメインに乗るつもりだがいつかまた間違いなく鉄の自転車を買うことになると思う。それくらい乗り味が違う。いろんな意味で、「次元の違う乗り物」。
今でも「これは本当に自転車なんだろうか」と思うことがよくあります。
価格評価→★★★★★(安く買えたので)
評 価→★★★★★(そりゃー勿論)
<オプション>
年 式→2007