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標準価格: ¥3.542 (税込)
『これはおすすめ。空気入れの作業で感じていた煩わしさは全て解消。快適に空気を入れられるようになった』
■ 空気入れの作業にストレスを感じるようになった
私はPRO FLOOR TOURING PUMPというエントリーモデルのフロアポンプを使っている。高圧になるとバルブからスッポ抜けることがあったが、その他はこれといった問題を感じることなく使えていた。だが、3年半以上も使うとパッキンなどが劣化するのか、空気を入れる際に、以下の図のようなストレスを感じるようになった。不満のほとんどはポンプヘッドの部分に関するものだ。
ストレスが溜まりに溜まったところで、以前から気になっていたヒラメのポンプヘッドに交換することにした。私が選んだのは、横カムではなく縦カムの方だ。私の自転車は2台とも前後32Hのホイールで、何となく横カムではカムレバーがスポークに干渉したり、バルブに取り付ける向きが限られそうな気がしたからだ。しかも、縦カムの方がリーズナブルだ。
写真: HIRAME Pump Head Tate (平目3号ポンプ口金 HP-30)
図 : PRO FLOOR TOURING PUMPで感じるようになった不満の一覧
■ レトロな外観、工芸品の美しさ
ヒラメのポンプヘッドは、日本の職人が手がけた美しい工芸品といった感じのレトロな外観をしている。ズッシリした金属の重みは高性能を期待させ、きれいな切削加工はヒラメのヘッドスペーサーのきれいな仕上げを彷彿とさせる。よく見ると、カムレバーの断面の仕上げが粗かったり、HIRAMEのロゴがシールだったりする。普通なら安っぽさを感じさせる部分だが、ヒラメのポンプヘッドだと何故か味がある。個人的には好きなデザインというよりも、好きになるデザイン。使うほどに愛着が湧いてくる。
写真: これぞ職人技という感じのデザイン
■ 元のポンプヘッドの取り外し
ヒラメのポンプヘッドを取り付けるには、元のポンプヘッドを取り外す必要がある。PRO FLOOR TOURING PUMPの場合、ポンプヘッドの根元のネジを緩めれば、ポンプヘッドの上部が取れる。あとはホースの先端に刺さっている部品を抜けば、ヒラメのポンプヘッドを取り付けられる状態になる。他のフロアポンプも同じような構造をしているようだ。
ただ、ホースが高圧用で固くて分厚く、ホース先端の部品を手で抜くことができなかった。だから、私はホース先端の部品ごとカッターナイフでカットした。先端の部品をプライヤーなどで掴まなかったのは、元の状態に戻すのを考えてのことだ。しばらくは元の状態に組み直さないと思うが。
写真: 元のポンプヘッドは分解可能だが、カッターで切り取った方がスムーズ
■ ヒラメのポンプヘッドの取り付け
元のポンプヘッドを取り外したら、ヒラメのポンプヘッドをホースに挿入するのだが、これが結構大変な作業だ。ホースが固くて接続部がなかなか入っていかない。だから、私は接続部に石鹸水を塗り、力をかけてねじ込んだ。接続部には段差が設けられているが、私が挿入できたのは二段目の最初の部分のみ。これ以上はどうやっても入らなかった。
最後に、接続部をホースバンドで締め付ける。私は高圧で抜けないように、ドライバーが回らなくなるまでガチガチに締め込んだ。ホースバンドは頑丈なので、強く締めても大丈夫だった。尚、ホースバンドは、接続部の挿入前にホースに通す必要がある。
写真(左): ホースに接続部を挿入
写真(右): 取り付け終わったヒラメのポンプヘッド。ホースバンドをきつく締めて空気が漏れないようにする
■ 軽い力でスルッとバルブに装着
さて、ここからタイヤに空気を入れる作業に入る。まず、チューブの丸ナットを緩め、軽く押して少し空気を抜く。これは元のポンプヘッドと同じ。次に、カムレバーを起こした状態で、ポンプヘッドをバルブに差し込むのだが、この時点で今までのポンプヘッドとの大きな違いを実感。スルッと軽い力で容易にバルブに差し込むことができる。
写真(左): スルッと優しく入る感じが心地良い
写真(右): カムレバーとスポークは干渉せず、ホースの角度の自由度も高い
■ レバーのロックにも大きな力は不要
ポンプヘッドバルブの先端に差し込んだら、加圧調整ねじを回して調整し、カムレバーを倒してロックする。レバーを倒すと中のパッキンがつぶれ、つぶれたパッキンがバルブを締め付ける。更にヒラメのポンプヘッドは、加圧調整ねじでパッキンをつぶす量を変えることができる。
ある程度加圧調整ねじを締めないと、空気が漏れたり、ポンプヘッドが空気圧で外れたりする。締め付けに強い力は必要なく、カムレバーに少し抵抗を感じる程度で大丈夫。元のポンプよりもずっと軽い力でロックできる。何度か練習すれば、すぐにコツは掴める。ロックはかっちりした感触ではなく、クッとかヌルッといった小さな抵抗感だ。
写真(左): バルブを上の方に持ってくると、バルブへの脱着とレバーの操作が片手で行いやすい
写真(右): 加圧調整ねじの微調整は、もう片方の手で行うとスムーズだ
■ 高圧でもスッポ抜けない
実際にポンピングしてみると、スコスコと面白いように空気が入る。思いっきりハンドルを押し下げても、高圧になってきても、ポンプヘッドが空気圧でスッポ抜けることがなく、安心してポンピングを行うことができる。パッキンの圧縮の強さや逆止弁のおかげか、今までよりも1ストロークで入る空気の量が多く感じる。また、元のポンプヘッドのように、途中で空気圧が下がることもない。
写真: 元のポンプヘッドのように空気圧で吹っ飛んだりしない ※イメージ画像
■ バルブから外すのも簡単。しかも空気が漏れない
元のポンプヘッドでは、レバーを開放するときに、ブシュー!!という大きな音がした。バルブから外すのにも大きな力が必要で、この時にも空気が漏れていた。一方、ヒラメのポンプヘッドでは、カムレバーを開放する際に、一瞬プシュッと小さな音がするだけ。バルブから抜くのにも大きな力は必要なく、スルッと取り外せる。これで空気入れの作業は終了だ。
写真: ヒラメのポンプヘッドは取り外しも簡単
■ 空気圧ゲージの値が同じでも、ヒラメで入れた方が高圧
実際に走行してみると、空気圧ゲージの値が元のポンプヘッドと同じでも、感覚的にはヒラメの方が5〜10psiくらい高めだった。つまり、元のポンプヘッドでは、取り外しの際に空気が漏れて、低い空気圧で乗っていたということだと思う。
700×28Cのタイヤを装着しているクロスバイクは、空気圧の上限で入れているつもりだったが、今までより空気圧が高くなって良く進むようになった。これは嬉しい誤算だった。一方、700×23Cのタイヤを履かせているシングルスピードバイクは、空気圧が高すぎて固い乗り心地に。こちらは5psiほど下げて乗っている。
■ 空気圧にばらつきが生じない
元のポンプヘッドでは、最適な空気圧が得られるときもあれば、空気圧が足りなくて進みにくく感じることもあった。つまり、ちゃんと空気を入れたつもりでも、取り外しの際の空気の漏れにばらつきがあって、毎回同じような乗り味にはならなかった。かといって、空気の漏れを想定して多めに入れると、固い乗り心地になったりする。
ヒラメのポンプヘッドなら、バルブの取り外しで空気が漏れず、空気圧にばらつきがほとんど生じない。毎回、狙い通りに同じような乗り味で走行できるのは気持ちがよい。
■ バルブ形状による使用感の差
複数台の自転車で使用するチューブが異なる場合、バルブの径に合わせて加圧調整ねじの微調整が必要だ。これはほんの数秒で調整可能なので、毎回行っても全くストレスにならない。
また、SCHWALBEのようなねじ切りされたバルブよりも、MICHELINのようなねじ切りされていないバルブの方が着脱しやすい。ねじ切りされたバルブでは、ねじで少し引っかかりを感じるからだ。それでも、元のポンプヘッドよりずっと小さな力で着脱できるし、取り外しで空気が漏れることもない。全く問題になるレベルではないが、一応触れておいた。
写真(左): ねじ切りされていないバルブの方がスムーズに着脱できる
■ エントリーモデルでも大幅にアップグレード可能
特筆すべきは、PRO FLOOR TOURING PUMPのようなエントリーモデルのフロアポンプでも、ヒラメのポンプヘッドで大幅にアップグレードできたということだ。感想以前とはまるで別物。私の自転車に入れる120psiくらいの空気圧なら、このフロアポンプの能力でも全く問題なくスムーズに作業できる。
また、フロアポンプの性能は、ポンプヘッドにも大きく左右されると感じた。同程度のフロアポンプに買い替えるよりは、ヒラメのポンプヘッドに付け替えた方がずっと満足感が高いはずだ。フロアポンプより高い値段で買ったが、この性能なら大満足。しかも、耐久性が高く、補修用のオプションパーツが用意されているのも嬉しい。
写真(左): ヒラメのポンプヘッドを取り付けたPRO FLOOR TOURING PUMP
写真(右): 使わないときは、圧縮してパッキンが劣化しないようにする
■ 空気入れで感じたストレスは全て解消
ヒラメのポンプヘッドは噂に違わぬ使い勝手で、空気入れの際に感じていた煩わしさがの全てが解消された。ヒラメのポンプヘッドにしてから、空気入れの作業がとても楽になり、確実にタイヤに空気が入るようになった。横カムの方が好まれるようだが、縦カムで特に使いにくさは感じない。多くの人が縦カムで満足すると思う。ヒラメのポンプヘッドは、今までレビューしてきたものの中でも特に満足感が高く、自信を持っておすすめできる。
図: ヒラメ ポンプヘッド(縦カム)の良い点のまとめ
価格評価→★★★★☆ (良い買い物。コストパフォーマンスが高い)
評 価→★★★★★ (付け外しが簡単。高圧でのスッポ抜けず、空気が漏れない)
<オプション>
年 式→不明
カタログ重量→不明