購入価格 ¥16709-(Amazonセールにて)
中国メーカー、iGPSPORTのGPSサイクルコンピューターのBSCシリーズハイクラス機種。
iGPSPORTはサイクルコンピューターを始めとして心拍モニターやセンサー類でここ数年の間に日本ではシェアを伸ばしつつある企業。
…という事はSNSに強いサイクリストならご承知の事と思う。
以前は販路がamazonを含むネット通販のみだったが、最近では商社のトライスポーツや日直商会が卸を務めた事もあって実店舗でも目にする機会が増えた。
さて、X(旧Twitter)やネットではiGSシリーズハイクラス機種のiGS630の使用レポは索引すればすぐに出てくるが、
このBSC300に関しては今の時点(2023年8月現在)では殆ど?出てこない。
思えばiGSPORTがcbnで名を広めた(ってか、自身が書いた)サイクルコンピューターiGS618もそうだった。
誰も書いてないならまた自分が書こうという事で、この場を借りて簡単な部分をレビューさせて頂く。

パッケージに関しては紙製の物。
上位のiGS630はもっと高品位なパッケージケースだという風に思えたが、元々は中身が分かって商品が壊れなくするための代物なので、これはこれで納得か。
中身は本体並びに多言語に対応したユーザークイックガイド、ガーミン互換のマウントベース、USB-TypeCの充電ケーブル。
充電ケーブルに関しては長さ30cm程度の、今時100均でも売ってないだろと思えるくらいの簡素なケーブルなので、手持ちのTypeCケーブルを使用する方が良いと思う。
それとユーザークイックガイドが曲者。
一応の初期設定のやり方から始まって、画面上のアイコンの説明や専用アプリのインストール方法、ライド前ライド後等々描かれてはいる。
……が、多分今までサイクルコンピューターを使用した事がない、もしくはスマホやiPhone等のアプリを介して
機器を設定した事がないユーザーはつまずく事が出てくるのでは、と思うような説明が多い印象。

一応説明文の最後に「詳細のマニュアルは公式サイトまでログインしてご覧ください」とあり、QPコードが記載されているが
開いてみてみるとこのクイックガイドが見れるだけ。なんじゃこれ。
中華メーカーにありがち?な「習うより慣れろ」の方式だと思われる。
と、まあのっけから不安になる様な文章を書いたが、ここからが本番。

ここ最近のサイクルコンピューター業界?のトレンドは「スマホ、iPhoneとペアリングして設定やルートをそちら側で行う」事がトレンド。
このBSC300やiGS630もその流れを汲んでいて、本体の電源を入れると言語選択の後QRコードにて専用アプリのインストールを求められる。
はっきり言ってこのアプリをインストールしないとBSC300の機能を生かすことは不可能に近い。


本体の設定項の中にはant+、Bluetoothのセンサーのペアリング並びにスマホiPhoneとのペアリング確認画面、
オートスリープオートオフを司るバッテリー管理画面、GPSやバックライト等の設定のシステムしかない。しか、ない。
なので「中華だし個人情報抜かれそうで嫌」とか考える人はこのサイクルコンピューターは向かない。
それを考える人はそもそもこの機種を考えないか。
バッテリー駆動は公式発表で20時間。
ただ注釈があって「通常使用時」とあり、何をもって通常なのかは計り知れぬ部分はあるが、
多分GPSの補足数や後述するナビの使用、バックライト有無で実使用時間は大きく変わると思われ。(モバイルバッテリーを繋いでの使用は可能)
ブルベ等々でやたらと長い距離を充電も無しに何日もかけて走るなら兎も角として、日帰りくらいなら普通?に持つだろう。
アプリに関しては、何気に「あれ?これ出来良くね?」と妙に感心した。
ファームウェアの更新、自身が走ったログ、ナビの管理とSTRAVAを始めとするサードパーティアプリの連携、
もっと言うなら同じiGPSPORTのGPSサイコン並びにこのアプリを使用している人をリスト化してグループを作る事が可能。
(SNSとかのフォロー、フォロワーみたいな感じ)

写真の右側がアプリを立ち上げたスマホ、左側が実機。
この画面で表記の入れ替え、増減が可能。
BSC300の本体部分の表示を全てこのアプリで設定できてフィールドは4つまで増やす事が出来、一つのページに付き8項目まで増減可能。
そんなフィールド増やすのもどうかとは思うが、歳を取ると中々に小さい文字を読むのが難しくて…。
なので、2~3つフィールドを作ってそれぞれ項目を作るというのも一つの手かと考える。
で。
肝心?のナビの部分。
BSC300はiGS630と同じくOSMのマップを使用していて、必要最低限の注釈しかつかない。(縮尺は50/100/200/400/800)

マップ画面は先のアプリでの設定で「マップ画面のみ」にする事が可能。
そうするとマップ自体の画面は広がる。
ナビ使用時は曲がり角200m前くらいになると「ピピっ」と音が鳴り、矢印と「何m先」の表記が出る。
ただ、曲がりによってはその音が出ない、矢印も出ない時もあってはっきりしない。その基準がイマイチわからない。
iGS630はアプリの設定で「道路名ONOFF」の項があるらしいが、BSC300もその項があるのである程度の道路名が出る事を確認。
ただ、あくまでもOSMをカスタム?したモノなので、川の表示が出たりでなかったり鉄道の線が出たりでなかったり。
まあ、必要にして十分と言ったところ。自転車部門を撤退したパイオニアの名機CA600もこんな表記だった。
それと、iGS630の時にあったような「曲がり角等でのナビの線が追従してない」現象に関してはBSC300では見受けられなかったように感じる。
使用してみたのが50km前後のナビの場合だったので、もっと長い距離を走るとその現象が出てくる可能性はある。
ナビの設定に関して。
iGS630はファームウェアの更新によりPCから直接本体をケーブルで繋ぎ、GPXファイル等を移行、認識できていた。
が、BSC300は2023年8月現在直接ケーブルでPCとBSC300を繋いで、PCからBSC300の中を覗く事は出来てもGPXファイル等を入れ込んでも使用不可。
なので、今の時点では自身が過去に走った記録や、RidewithGPSやSTRAVA等から走行データをスマホのアプリに移行、
アプリからBSC300本体にデータを送るという手順を踏む形となる。
(アプリのナビ作成機能でデータを作るという手もあるが、今いる場所から指定した場所に最短で戻る道筋が出来上がる。
どこどこを一周~みたいな、ぐるっと回りこむようなプランが作りにくい)
データを移行というと難しいイメージがついて回るが、実際使用してみると実に快適。
Ridewith~に関してはアプリで開かず、ウェブ上から開いて「GPXトラック」をスマホないしiPhoneに落とす。
落としたファイルをスマホないしiPhoneで展開すると展開先にアプリが出てくるので、それを選べばアプリにコースが入るという形。
結局は慣れの問題、こういうもんだと思えば納得できる。
まとめに入ろうとは思うが、「う~ん」と思う部分もちらほらと。
説明書に関して、これだけの情報量を持つ機種なので紙物に直すとかなりのページ数になるのは分かるが、
先にも書いた様詳細マニュアル」がまるで詳細じゃない部分。皆が皆これで納得できる訳じゃない。
ナビの機能に関しても、マップ上に「⇒」みたいな感じの矢印が進行方向上に付くが特に色分けされているわけでも無く、いまいち分かりづらい。
以前の機種に比べりゃ全然マシだが。
…と、まあ色々とつらつら思いつくままに書いてみたが、なんだかんだ言って満足していることは確か。コストパフォーマンスは非常に高い。
今から何年前になろうか、先にも書いたが同じiGPSPORTの「iGS618」というサイクルコンピューターを
ここcbnでレビュー投稿した時から比べると機種の出来は雲泥の差、単なる一発屋で終らずに凄いメーカーになったものだと素人ながら感心するばかり。
iGS630は発売当初から頻繁にファームアップを行っていて、現在ではまるで別物の様に完成度を高めていると聞く。
BSC300も更なる開発を行って、その完成度を高めてほしいと願うばかりだ。
価格評価→★★★★☆(←価格に対する満足度高し)
評 価→★★★★☆(←満点とは思えないが、十分な出来)
<オプション>
年 式→ 2023年
カタログ重量→ 67g(実測重量 ?g)