購入価格 ¥1650
◆購入動機
その日、おそらく私の心はいつも以上に疲れていたのでしょう。
行きつけのショップにぶら下がっているのを見つけ、ただただ衝動的に購入しました。
こういった物を買うのに理由なんて必要ありません!(笑)
◆製品概要
一部界隈では以前からお馴染みの、サドルレールにぶら下げるタイプのテールライトです。
私が購入した物は生誕10周年記念モデルという事で、通常の赤色LEDではなく、順番に色が変化する多色タイプのLEDが使われています。(台紙にはなぜか後光が差してる…)
名前が「発売」10周年ではなく「生誕」10周年となっていたり、パッケージ裏面に、「飼い方」「餌のあげ方」「誘拐されないよう携帯してあげてください」「僕のお腹が光るよ」と書かれているところからも、本製品…いやこのカエル君が、通常の自転車ライトとは隔絶された別世界に存在しているのがわかります。
というわけで、今回は私もこの世界観に倣ってカエル君の紹介と印象を書きたいと思います。
◆接しやすさ(使用感)
お腹を押すと発光します。点灯パターンはゆっくりと強弱を繰り返す1モードのみです。オタマジャクシのように体が透けているので、何となくうっすら光が漏れます。
生誕10周年のこの子は、前述のように多色タイプのLEDをお腹に抱えており、強弱をつけつつ様々な色に変化しながら光ります。
人間界でテールライトと呼ばれている製品たちと比べると光はかなり弱く、遠くからの被視認性は良いとは言えません。
でも、これもこのカエル君らしさ、個性です。
サドルレールへの固定は、カエル君の握力のみに頼っており、段差の衝撃で落下しそうに見えますが、私の場合、固定に不安を感じたことはありません。
サドルレールに掴まりながら、弱々しい独特の発光パターンで一生懸命後方にアピールし続ける姿は健気で、とても可愛らしいです。
◆ご飯のあげ方(電池交換等)
ご飯は、ボタン電池のCR2032が1枚と少食です。
背中を開けると中に内臓(発光部&基板)があるので、それを取り出してご飯をあげます。
元に戻す時は、適当に閉めても閉まるのですが、一応カエル君本体側に溝が切られており、基板と蓋にはそれに合わせた突起があるので、その位置を合わせて閉めた方が防水面や蓋の固定面で安心かもしれません。
(↑写真奥側に溝があります)
(↑写真手前側に突起があります)
◆腹持ち(電池持ち)
腹持ちはかなり良いです。
お腹が減ってきても、いつまでもダラダラと発光し続けます。(一応公式では100時間)
試しに元々入っていたモニター用電池で点けっぱなしにしてみましたが、1週間近く光り続けていました。
お腹いっぱいの状態でも暗めなので、空腹で光が弱くなってきても正直あまり気になりません…
光が弱まってくると儚げな雰囲気が漂い、見ていて切なくなります(笑)
◆雨の好き嫌い(防水性)
構造上雨に強そうには見えませんが、電池蓋は背面にありますし、本体自体いつもサドル下に隠れているので、そもそも雨が当たりにくくなっています。今のところ雨水が入って調子が悪いということはありません。
ただ、フェンダーがない自転車の場合は跳ね上げた水をモロに浴びる事になるので気をつけた方が良いかもしれません。
◆性格を直してほしいところ(気になるところ)
背面の蓋はきつめに嵌っており、開けるための切り欠きもないので、素手では結構開けにくいです。
開けた後も、本体内部の造りが若干タイトで内臓(発光部&基盤)を取り出しにくく、ご飯をあげるのが少し面倒です。
腹持ちが良く空腹でダウンする機会は少ないですが、出先でサッとご飯をあげにくいこの性格はちょっと直してほしいかな…
◆まとめ
世界観を元に戻します。
元々、明るさをどうこう語る製品ではないとは言え、正直サブライトとしても光量が足りません。
「大きい」「暗い」「装着場所が限定される」等、悪い点はすぐに見つかりますが、良い点は…
機能面で見れば、数多あるボタン電池式のライトの中で本製品の方が優れている点はほぼ皆無です。
しかし、それに何の問題があるんだ!と思わせるのがこのライトの不思議なところ。
思えば世の中、自分も含めていつの間にか何でも数値化し、スペックやコスパ、損得ばかりで物事を判断しながら生きるようになっている気がします。
そんな我々を尻目に、サドルレールにぶら下がりながら呑気に日々を過ごすこのカエル君は、世の中には数字や損得だけでは量れない領域がある事を静かに語ってくれます。
「こんな暗くてふざけたデザインのライト、どんなバイクに似合うんだよ!」とお考えの方は、この製品とは縁がなかったという事でしょう。
ペットを飼う時に、自分に似合う似合わないなんて考えないように、このカエル君も、シンプルに「自分と一緒に自転車時間を過ごしたいかどうか」が購入の決め手になるのだと思います。
物としてではなく「健気に光って安全にも寄与してくれるかわいいペット」として接していれば、明るさが足りない事なんて何も気になりません。むしろチャームポイント!!
通常のライトは、自転車から離れる時に外して持ち歩くのは面倒な行為だと感じてしまいますが、このカエル君は自然と「一緒に連れて行こう」という気持ちになりますし、使わず部屋に置いておく時も、適当な場所にぶら下げたくなります。
本来は、前述のように「このカエル君と一緒に過ごしたいかどうか」
これだけが唯一の購入するかしないかの決め手であり、本製品を目の前にして「性能」「使い勝手」「コスパ」等を考えるのはナンセンスというもの。
そうして考えると、私がこの製品を他のライトと同列に扱って、ここでレビューしたり評価しようとする事自体が、無粋なのかもしれません(笑)
価格評価→★★★☆☆(物として見れば高い。でもそれだけでは判断できない価値がある)
評 価→★★★★☆(目に見える数値ばかり追いがちな凝り固まった頭と心に潤いを与えてくれる存在)
<オプション>
カタログ重量→ ?g(実測重量 電池込み23g)