購入価格 ¥41040
◆製品概要・購入動機
ブロンプトン社とオルトリーブ社がコラボしたブロンプトン用防水バッグです。
現在は、純正バッグにも防水モデルが多数ラインナップされるようになりましたが、少し前までは、防水モデルはこのOバッグとミニOバッグしか存在しませんでした。
日常の移動手段として天候に関わらず自転車に乗る自分にとって、防水の信頼性が高いオルトリーブ社製+容量20Lという仕様はとても魅力的で、初めてのブロンプトン用バッグとして購入しました。
約5年間使用してのレビューです。
◆使用感
通常、ブロンプトンのバッグは背面内部に金属のフレームが入っており、これで荷物を支えています。
本製品にはこのフレームが使われておらず、その代わり背面、側面、底面が硬質な樹脂のような素材でできており、バッグ全体で荷物を支える構造になっています。(モノコック構造っぽい作り)
この構造の関係上、一般的なブロンプトン用バッグのように使わない時に畳んで保管できないのが欠点ですが、パリッとした見た目で型崩れしにくく、重い荷物を載せても底面が撓まないという長所もあります。(写真)
内部背面にはPCやタブレットが収まるスリーブが、そして前面にはポケットが4個備わっており(ジッパー式が2個、面ファスナー式が2個)、ペンポケットやキーホルダーも装備されています。
(↑背面側)
(↑前面側)
オルトリーブのバッグは、防水性が高い反面、内部が簡素で防水生地剥き出しの物も多いですが、本製品は裏地が施されている上に、収納スペースもしっかりと作り込まれています。
外部背面にはロールトップ式の防水ポケットが2個装備されています。(着脱可能で、必要に応じて付け外しできます。)
このポケット、一見同じ物のように見えますが、実は片側にだけショルダーストラップ用のフックが設けられており、バッグ本体から分離して肩掛けする事が可能になっています。(写真)
肩掛けで使うには小さすぎますし、こうして使う機会は皆無ですが、使い方によっては便利かもしれません。
ちなみに、この背面ポケットの嵌合規格は、オルトリーブのパニアバッグ横につけるアクセサリー類と共通です。
私はこれを利用して、主に夏場は片側をドリンクホルダー(別売)に付け替えて使用しています。(写真)
肝心の防水性ですが、さすがのオルトリーブ製、中の荷物が濡れる事はありません。
ただ、開口部がフラップ式で裏地が施されているため、雨が強くなるとフラップ裏側全体に水が染みてきます。
この点、防水バッグによくあるロールトップ式の方が安心感が高いとは思いますが、フラップ式の方が荷物へのアクセスは格段にしやすいですし、大雨でも中の荷物が濡れる事はないので、私はこの点はあまり気になりません。
細かいところでは、底面の四隅に突起が設けられています。
雨天走行後のバッグを室内に置く時、底面全体が接すると広範囲を濡らしてしまいますが、この突起により置いた場所の水濡れを最小限に留める事ができます。地味ながら結構効果的な装備です。
付属のショルダーストラップも、パッド部分の形状、素材等、よく考えられており、フィット感がとても良く快適です。
◆気になるところ
気になるのは容量面です。
本製品の容量は公称20Lなのですが、体感的には20Lあるようには感じません。
一時期使っていたSバッグ(容量同じく20L)の方が余裕を感じました。
外観はそれなりに大きいバッグに見えるのですが、前面のフラップの両端が横に出っ張っているからそう見えるだけで、実際の本体の幅はそこまで広くありません。
内部の奥行も、外から見るより少なめです。
実測の底面の幅はだいたい35cm、奥行は12cmくらいでしょうか。
このように底面積が狭めな上に、荷物が少しでも上に膨らむと、フラップが閉まらなくなります。
フラップ先端のストラップは、荷物の容量に合わせて長さ調整が可能ではあるものの、可動範囲が狭く、ストラップを目一杯に伸ばしてもあまり容量の拡大には繋がりません。(もちろん少しは効果ありますが)
(↑短くした状態)
(↑伸ばした状態)
日常持ち歩く物を入れる分には何の問題もなく、プラスアルファの余裕もあるので、通勤通学や週末のちょっとした日帰り旅行程度なら十分な容量ですが、ある程度の買い物をしたり、ロングツーリングする場合は少し厳しいです。
また、これは製品の自体の気になる部分ではないのですが、このOバッグ、私が購入した時点ではSハンドルへの装着が不可という扱いになっていました。
しかしその後のカタログ上では、全てのハンドル形状で使用可になり、そして少し前に代理店ホームページを見ると、今度は再びSハンドル装着不可の扱いに戻っていました…
バッグ自体のサイズ変更はないようなので、おそらくSハンドル対応の可否の判断が微妙なのだろうと想像しますが、ユーザーとしては、結局のところSハンドルで使っても良いのかダメなのか、はっきりして欲しいところではあります。(私は一応、Sハンドルでは使わないようにしています)
◆まとめ
内部ポケットやキーホルダー、肩掛けベルト等、細かい部分が細やかに作られていて、中の荷物へのアクセスもしやすく、防水バッグという事をあまり意識せずに、普通のバッグに近い感覚で使えます。
約5年間、かなり過酷な状況で使い込んでも問題なしで、耐久性十分です。
このように、全体的にかなり使い勝手の良い製品ですが、気になるのは価格の高さです。(ブロンプトン純正パーツのレビューでは常に高いと書いている気もしますが…)
私が購入した時は約40000円強で、これでも十分高いと思いますが、現在は50000円を軽く超えます!
以前はブロンプトン用防水バッグでそこそこの容量の物となると、このOバッグしか存在しませんでした。
しかし現在は防水でより容量が大きい Roll Top Waterproof Bag 25L(レビュー済み)
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=16880&forum=108や、実質的に本製品の後継にも見える Messenger Waterproof Bag 20L をはじめ、安い純正防水バッグのラインナップが充実してきた事もあり、本製品の存在意義はなくなってしまったのでしょう。(代理店ホームページからも本製品は消えてしまったようです)
私も少し前に上記の Roll Top Waterproof Bag 25L を購入してからは、そちらを使う機会が多くなりましたが、長期使用時の防水性や耐久性がオルトリーブ並みのレベルにあるのか、正直まだ信じきれていない部分もあります。
販売終了は仕方ないと思いつつも、使い心地の良さや耐久性、質感の高さ等、本製品ならではの魅力もあったと思うので、もう少し価格が抑えられれば販売し続けて欲しかったなと言うのが本音です。
価格評価→★☆☆☆☆(高品質で作り込みも細かいが、それを踏まえても高い)
評 価→★★★★☆(品質は素晴らしい。あと少し物が入れば…)
<オプション>
年 式→2015
カタログ重量→ ?g(実測重量 1.7kg)
(↑約5年使ってもあまりヘタりは感じない)