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やまなみハイウェイとは、大分県道・熊本県道11号線 阿蘇一の宮(JR宮地駅前)から大分県別府市の別府港に至る一般県道とその付近の道の俗称である。
有名な区間は阿蘇一の宮から由布院の水分峠の間であるが、やまなみハイウェイの定義には周辺道路も含まれており、Googleマップで確認すると阿蘇外輪山にも九重連山付近にも別府の金輪地獄湯めぐりの辺りにもやまなみハイウェイと表示されている。
紹介しているHPや書籍によっても説明がバラバラなので、とりあえず県道11号を阿蘇から別府に向かって端から端まで走ってみました。
なお、由布院付近のみGoogleマップに従い県道11号を離れるルートを取っています。
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全長 102km
起点標高 4m (大分県別府市 九州横断道路入口交差点)
終点標高 537m (熊本県阿蘇市宮地駅前)
最高地点 1330m (大分県玖珠郡九重町 牧ノ戸峠)
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2020年8月8日に豊肥本線が全線開通したので、宮地駅までは輪行。
立野のスイッチバックでは、電車の進行方向が変わる際に運転手さんがブレーキレバーと運航表を手に車内を歩いて移動する。
輪行時は邪魔にならないよう自転車の配置に注意。
転車台がある事で有名な宮地駅に到着。
輪行を解除して走り出せば自動的にやまなみハイウェイに突入するのだが、その前に寄り道。
目的地はすぐそこの阿蘇神社である。
わざと空のまま持ってきたボトルに水を入れていく。
やまなみハイウェイに戻りしばらく進むと早速最初の坂登場。
外輪山の上へ向かう。
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阿蘇外輪山への上り
距離 4.7[km]
標高差 284[m]
平均勾配 5.8[%]
標高497⇒781m
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傾斜は序盤の方が緩めで上に行くほどキツイ、阿蘇外輪山によくあるパターン。
森の中の展望はちらほらって感じ。
城山展望台を過ぎると草原地帯に入ります。
ここから瀬の本レストハウスまで約13km、アップダウンを繰り返しながら958mまでゆっくりと高度を上げる。
最初の方は下り基調で窪地のようなところを通ったり道自体が周りの土地より少し低かったりで少し見づらいが、牧草地帯の原野の景色を楽しめる、やまなみハイウェイを代表する区間の1つとなっている。
比べるものが少ないせいかだんだん平衡感覚が狂ってきて、今走っているのは上りなのか下りなのか平坦なのか分からなくなってくるのが面白い。
瀬の本レストハウスを通り過ぎると本格的なヒルクライムに突入。
登坂開始後すぐに大分県に入ります。
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牧ノ戸峠への上り
距離 7.5[km]
標高差 371[m]
平均勾配 4.9[%]
標高958⇒1330m
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牧ノ戸峠は大分県の舗装路の最高地点らしいのですが、傾斜的には阿蘇外輪山の坂と比べると楽なものです。
最初は森の中なので景観は少ないものの、途中のやまなみハイウェイ展望台からはここまで走ってきた阿蘇外輪山の草原と阿蘇五岳を望む事が出来る。
若干ガスってますが肉眼では見えてます。
阿蘇の景色はここが見納め。
ここから先は九重連山のエリアになります。
牧ノ戸峠到着。
登山客の往来が激しい。
展望は正直あまりないが、レストハウスがあるので小休憩にはちょうどいい。
反対側の下りには何か所か登山道の入り口があるらしく、登山客の路駐が多い。
歩行者も居るので慎重に。
木々の間からは長者原が見えるのだがここぞという撮影ポイントを探しているうちに着いてしまった。
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牧ノ戸峠~長者原ビジターセンター
距離 5.2[km]
標高差 294[m]
平均勾配 5.7[%]
標高1330⇒1036m
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さらに増える観光客。
だが、食堂も多いし昼食には丁度いいエリアだ。
右後方を振り返れば九重連山。
長者原の湿原横の長い直線を進んで振り返ったところが写真撮影のお約束アングルとなっています。
ここから水分峠までは24.4km。
アップダウンを繰り返す若干下り基調の道になります。
朝日台までは見晴らしのいい牧場地帯ですが、その後はずっと森の中。
相変わらずアップダウンは続く。
山下池の入口を過ぎてからやっと本格的な下りに入ったと思えば水分峠だ。
水分峠の標高は708mなので実はほとんど下っていない。
名前の通りここが分水嶺となっていて、由布とは反対側に向かえば久留米まで下り基調の道が続いている。
水分峠から数百mの距離を下ったところで県道11号と一旦別れ、国道210号線⇒大分県道216号線と繋いで由布院の街へ下ってゆく。県道11号は旧道区間っぽい感じの道で訪れた当時は土砂崩れで通行止め。やまなみハイウェイの表記も無く由布院の温泉街からも外れます。県道11号は後で合流します。
国道210号と県道216号の分岐。
左の道が県道216号でこちらへ進みます。
由布院の街は県道216号の一本隣りが湯の坪街道という観光通りなのですが、自転車を押して歩く隙間もない程度に混んでいたので敢え無くスルー。
由布アート系の施設が多くて、個人的には九州自動車歴史館とか行きたかったんですけどね…。
県道216号は竹藪と広葉樹針葉樹が混ざった森の間をゆっくりと上りはじめます。
すると急に景色が広がって由布岳の草原地帯に入ります。
そのうち県道11号も横から合流してきます。
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由布院~由布岳登山口
距離 5.5[km]
標高差 303[m]
平均勾配 5.5[%]
標高472⇒775m
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ここの坂も脚さえ残っていれば比較的楽勝。
草原を歩く牛や由布の街を眺めているうちに狭霧台の展望台に着きます。
しかし、由布岳はデカい。(1583mの単独峰)
狭霧台からもうちょっと進むと頂上です。
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由布岳登山口~別府港
距離 18.2[km]
標高差 771[m]
平均勾配 4.2[%]
標高 775 ⇒ 4m
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あとは別府湾まで駆け降りるのみ。
下り始めてすぐに、猪ノ瀬戸湿原、城島高原パークの横を通過。
ここまでは大きく下りません。
本格的下りは城島高原パークの辺りからになります。
坂の中央ぐらいに別府ロープウェイの乗り場があって休憩出来ます。
隣には九州焼酎館もあります。
飲んだら自転車に乗らないダメゼッタイ。
途中1か所だけ細かい縦溝が掘られたヘアピンがあるので路面に注意。
さらに下るとそこら中から水蒸気が噴出しているのが見え始め別府の街に突入。
別府ICから完全に街中に入りますがまだまだ海は下。(標高277m)
まっすぐ進んでいくと金輪地獄湯めぐりのエリアになります。
物騒な名前の公園があった。
全部見てると日が暮れるので、みゆき坂といでゆ坂を通ってまたやまなみハイウェイに復帰。
ここまで来ると国道500号になっている。(県道11号重複)
坂を下り切ると別府港。
『九州横断道路入口』というカッコいい名前の交差点がやまなみハイウェイのゴール(起点)です。
ちょっと港に入ってみるとさんふらわぁ号が停泊していた。
この船を利用すれば関西からフェリーに乗って朝イチに別府に上陸してやまなみハイウェイを逆方向に走って熊本から新幹線で帰るという剛脚弾丸ツアーも出来ますw
宮地までたどり着けたら二重峠以外は下りですし豊肥本線で輪行も可能です。
熊本駅より手前に熊本空港もありますよ。
~総評~
阿蘇から九重連山と由布院を経由して別府に至る壮大な観光ツーリングルート。
私は宮地をスタートにしましたが、朝フェリーで別府に着いてそのまま阿蘇や熊本へ行くのも大変良いプランだと思います。
並行する観光道路や旧道に寄り道するのも大いにアリ。
阿蘇~由布間の有名区間ももちろん良いですが、由布岳の横と別府も物凄く良かった。
気を付ける点は、
・補給場所が観光施設と市街地に限られる
・由布と牧ノ戸峠の高低差
・他にも細かいアップダウンが延々と続く
といったところ。
極端な傾斜は出てこないのでじっくり攻めれば攻略できます。
たっぷり時間を取って楽しみたい道です。
価格評価→★★★★★(通行無料です)
評 価→★★★★★
<オプション>
走行後の別府の共同浴場、大変良き湯でございました。(入浴料100円)
最初の方に出てきた阿蘇外輪山の坂の麓にある、一の宮温泉センターもおすすめです。(入浴料200円)
牧ノ戸峠の阿蘇側の麓、瀬の本レストハウスの近くには黒川温泉や筋湯温泉もあります。
由布院(湯布院)は有名過ぎて説明不要ですね。
このように、やまなみハイウェイは温泉選び放題ルートでもあります。
時間が合えばこちらも是非。