購入価格 ¥3780
◆購入動機
バッグに付けていたサブのテールライトを走行中に紛失し、次は何を買おうかと考えていた頃に、ちょうど本製品が発売されました。
こういった製品はボタン電池を使う物が多い中、本製品は充電式である事が決め手になり購入に至った次第です。
3年弱使い込んだのでレビューします。

◆製品概要
小型・薄型・軽量のクリップ式テールライトで、サブライトとしてジャージのポケットやバッグ等に装着する事が想定されているようです。
製品ホームページを見ても、テールライトではなく多目的モデルに分類されています。
クリップ式ライトとしてだけでなく、付属のゴムバンドを使用する事でシートポストに装着する通常のテールライトとして使う事もできます。
本体直径は、スイッチ、クリップ部分の突起を除くと約44mm、厚さはクリップ含めて21mm程度で、重さも20g(クリップ含む)と、充電式ながらかなりコンパクトにまとまっています。
◆外観
丸型のシンプルなデザインで、スイッチは上部、充電端子(micro USB)は下部にあります。
クリップ部分と本体は簡単に分離でき(捻ると外れます)、補修パーツとしてクリップのみの販売がされているので、過酷な使用によりクリップが折れてしまっても安心でしょう。(私は今のところ折れた事はありません)

◆使用感
【明るさ・配光】
最大光量は35ルーメンで、点灯パターンは、ハイ、ロー、点滅、ラピッド、グループライド、デイタイムハイパーフラッシュの6種類があります。
本体はLEDが外側と内側それぞれにリング状に配置された特徴的な作りになっており、ロー点灯時は外側のLEDのみ点灯、点滅モードでは外側と内側のLEDが交互に点滅するなど、点灯パターンもこのLED配置を上手く生かした設計になっています。
明るさは、標準的なボタン電池仕様のセーフティライトと比べると明らかに上ですが、昨今の高輝度な充電式テールライトと比べると劣り、ハイモードにして真後ろから見ても目が眩むほどの強烈な明るさはありません。(それなりに眩しいですが)
しかし、丸型の本体全周にそこそこ強い光が満遍なく放たれるため、実際の被視認性はかなり高いです。
上下から見ても横から見ても真後ろから見ても、どの角度からも同じように目立ちます。

一般的に、ジャージのポケットやサドルバッグに通常のテールライトをクリップライトとして使用すると、ライトの角度が地面に対して垂直にならず、地面や空などのあらぬ方向を照らしてしまい、肝心の後ろからの被視認性が低下してしまう事がありますが、本製品の配光ならそのような心配は要りません。
この辺り、様々な装着角度で使われるクリップライトに最適化された配光だと感じます。
【ランタイム】
公称値は、短い順にハイ1時間、ローとラピッドとグループライドが10時間、デイタイムハイパーフラッシュが13時間、点滅が30時間です。
実際のランタイムは、3年近く使い込んだ現在ではハイで46分程度になっています。
購入当初はほぼ公称値どおりの時間が経過した後、バッテリーオートセーブモード(強制的に点滅に切り替わり、電池残量警告ランプも点滅する)に移行していました。公称値は結構正確な値だと思います。
ちなみにローモードでも十分目立ちますし、こういったサブライトは点滅で使う事も多いので、少々電池が劣化しても私は不都合は感じていません。
満充電から電池残量が減るに従って徐々に暗くなるように感じますが、良い具合に拡散する配光のおかげか最後まで被視認性はあまり変わらず、安心して使用できます。
【防水性】
十分です。
数えきれないくらい雨に打たれていますが、何の問題もなく使えています。
下部の充電端子キャップも、肉厚でしっかりと閉まる感覚があるので安心感があります。
【その他使用感】
本体がとても軽量・薄型のため、ジャージのポケットへ装着してもライトの存在を感じにくいですし、サドルバッグに通常のライトをクリップライトとして装着した時に起きがちな、重みで本体が下を向いてしまう症状も出にくいです。
クリップ先端にはかえしが付いている上に、かえし部分と本体との間にほとんど隙間ができない作りになっているので、ジャージやサドルバッグに付けても外れる可能性はかなり低いと思います。

私はジャージのバックポケットに本製品を付けたまま椅子に座ったり寝転んだりと、相当過酷な環境で使ってきましたが、外れたことはありません。
その分、着脱はやや硬くてやりにくいです。
しかし、個人的には着脱のしやすさよりも走行中外れにくい方が何倍も重要なので全く気になりません。
ちなみに前述のとおり、クリップは本体を捻る事で着脱可能なのですが、設計の妙なのか、外そうとすると簡単に外れるのに通常使用では全く外れないという絶妙な塩梅に仕上がっています。
クリップ破損の際に簡単に交換可能なのはもちろん、実使用の場面でもサドルバッグにクリップを装着したまま本体だけを外して充電できるのでかなり便利です。
また、クリップライトとしてではなく付属ゴムバンドを使用して通常のテールライトとして使っても特に違和感はありません。

↑付属ゴムバンド装着時
性能面では本製品をあえて通常のテールライトとして使う必要性は感じられないものの、デザインにどことなく昔のリフレクターっぽい雰囲気があるので、クラシックな雰囲気のバイクに付けると似合いそうです。(手持ちのバイクにエアロ形状のシートポストがないので未確認ですが、見る限り丸断面のシートポストにしか対応していないっぽい)
充電式でありながらかなり軽量なので、ヘルメットライトとして使用してもあまり重さは感じません。
付属のゴムバンドは張力が強くキツめな作りで、そのまま付けられるヘルメットは限られそうですが、適当な長さのゴムバンドとフックを買ってくれば、多くのヘルメットに装着できそうです。(私は付属バンドでしか試していません)

◆気になるところ
電源ボタンは少し上に飛び出した形になっており、冬場に厚手のグローブをつけた状態でもスイッチ位置がわかりやすいのですが、電源ボタンの感触が結構固めなので上からボタンを押すだけではなかなか操作できず、本体を上下から挟んで押す必要があります。
誤操作防止のため固めになっているのだと思いますが、個人的には少しやりすぎな気もします。
また、電池残量警告兼充電ランプは本体下部の左にあるのですが、充電中、このランプが少し見にくく感じます。
本体のロゴ表記や側面に光が隠れてしまいがちで、明るい部屋で充電していると充電状況が分かりにくいです。
◆まとめ
クリップライトとしてほぼ完成形に近いと思います。
ランタイムの関係上、ブルベ等、超ロングライドのサブライトとしては不向きですが、全体的にとても使い勝手が良いです。
小さいボディながら十分な光量を持ちますし、上下左右広範囲に光が散るので、取り付け角度をあまり気にせず取り付けられるのも美点です。
購入時はサブライトとして考えると少々値段が高い気もしましたが、クリップライトとして最適化された配光、信頼性の高い作り、本体の質感の高さ等、3年近く使った現在では妥当な値段だと感じています。
サブのクリップライトとして使ってよし、メインのテールライトのトラブルに備えてバッグに忍ばせてよし、シートポストに付ける通常のテールライトとして使ってもよし、まさに多目的に使える汎用性の高い製品です。
価格評価→★★★☆☆(サブライトとして考えると若干高いが納得できる性能)
評 価→★★★★★(さらに進化の余地があるとすれば、充電端子をUSB-Cにするくらいか)
<オプション>
年 式→2017
カタログ重量→ 本体のみ16.5g(実測重量 クリップ込20g)