購入価格 ¥13000くらい
◆購入動機
少し前に普段使いのブロンプトンをハブダイナモ化した際、同時に装着したブッシュアンドミューラーのフロントライト、LUMOTEC IQ2 Eyc T senso plus(レビュー済み)の高性能さに惚れてしまい、遠出用のブロンプトンも立て続けにハブダイナモ化してしまいました…
フロントライトには前回と同じく LUMOTEC IQ2 Eyc T senso plus(以下Eyc) を使うつもりでいたのですが、ブッシュアンドミューラーの違う製品も試してみたくなり、最終的にこのIQ-XS(以下本製品)を選択しました。
◆製品概要
ブッシュアンドミューラー社のダイナモライト製品群の中で最高照度の100ルクスを誇る、IQ-Xというモデルがあります。
本製品はこのIQ-Xを小型化したモデルです。
照度はIQ-Xに劣るものの、それでも70ルクスの明るさを備えています。(Eycは50ルクス)
◆使用感
【明るさ・配光】
自転車ライトとして最適化されたロービーム配光と十分な明るさで、真っ暗な夜道も安心して走れます。
カットオフラインがあるロービーム配光で、対向者(車)へ考慮しつつ遠くをしっかり照らすことができます。
絶対的な光量自体は、昨今の高輝度な充電式ライトと比べてしまうと大した事はなく、キャットアイのVOLT800あたりには負けています。
しかし、1点を集中的に明るく照らすのではなく、程々の明るさで全体を手前から遠方までワイドに満遍なく照らし出す配光は公道走行において非常に見やすく、圧巻です。
走行中に写真は撮れないため今回も照射写真はありませんが、代理店ホームページに掲載されている配光写真は実際のイメージに近いです(実際には写真よりほんの少し暗いかな)
写真では配光ムラがやや目立ちますが、実使用ではあまり目立ちません。
配光は遠方に円盤っぽい形の第1の中心光があり、その手前にタイヤ直前からUの字型に伸びる第2の中心光がある形になっています。
第1、第2の中心光以外の周辺光は少ないのですが、遠方の第1の中心光が2車線程度、手前の第2の中心光が1車線程度の幅を照らすため、手前も遠方もとても見やすいです。
Eycは前輪直前が本製品よりも明るい反面、遠くがやや暗かったのですが、本製品は遠方がEycよりも明るく、遠方と手前の明るさがほぼ同じになっているため、より自然な見え方だと感じます。
ちなみにシマノの3Wのハブダイナモで使用していますが、発進後、大体時速5kmを超えたあたりでチラつきがなくなります。
この程度の低速でも十分な明るさがありますし、時速10kmくらい出ていれば体感的には最大光量に達しているように感じます。
スタンドライト機能が付いており、夜間に信号待ち等で停車してメインのLEDが消灯すると同時にサブのLEDが点灯し、停車時の安全を確保します。(持続時間は大体4分くらい)
このスタンドライト機能、Eycはポジションランプとしてうっすらと光る感じでしたが、本製品はかなり明るく、停車時も結構目立ちます。(写真)
またEycと同様に、メインLEDとサブLEDの出力を変化させて昼と夜とで配光を自動的に切り替える【LIGHT24システム】という機能が搭載されています。(詳しくはEycのレビューを参照)
【操作性】
ライト背面の電源ボタンは大きめで押しやすくクリック感も明瞭で、ボタンの操作性は良いです。
ただ、Eycと同じく、オンオフには注意する点があります。
ライト点灯状態で停車しても、しばらくの間は電源ボタンのLEDが点灯しています。この状態で電源ボタンを押すとボタンのLEDとライトが消灯し、一見電源がオフになったように見えるのですが、これは一時的に消灯させただけであり、電源オフにはなっていません。この状態で走り出すと再びライトが点灯します。
完全にオフにするには、手で前輪を勢いよく回し、ライトが点灯している間に電源ボタンを押す必要があります。
電源オンに関しては本体に微弱な電気が残っていれば操作可能なようで、ライト点灯走行後に上記操作で電源オフにしても、しばらくの間は普通に電源ボタンを押すだけでオンになります。
走行からしばらく時間が経ち、本体に全く電気が残っていない状態から電源オンにする場合は、手で前輪を勢いよく回している間に電源ボタンを押す事でオンになります。
このようにオンオフはやや面倒ですが、前述のように【LIGHT24システム】が搭載されているので、基本的にはオンにしっぱなしで構わないと思います。
私は常時オンで使用しつつ、ダイナモの抵抗が気になる場面でだけ電源オフにして使っています。
【防水性】
時々雨天走行もありますが、レンズが曇ったりボタンの反応が悪くなるような事はありません。
【気になるところ】
本体レンズ左右には被視認性向上のためにスリットが設けられているのですが、ここからの光の漏れが少なく、横からの被視認性はあまり高くないです。
この点においてはEycの方が断然優れていますし、他社の一般的なライトにも負けていると思います。
また、薄く広範囲を照らす配光なので、スポット的な明るさを重視する方はやや暗く感じるかもしれません。
◆まとめ
デザインと機能がバランスよく纏まった素晴らしい製品だと思います。周辺光が少ない代わりに中心光の照射範囲がとても広く、夜間のロングライドでも非常に快適に走れます。
本体の小ささが売りのEycと比べるとさすがに大きいですが(レンズ開口部の幅はEycが約32mm、本製品が約43mm)、それでも一般的なダイナモライトと比べると一回り小さく、ブロンプトンのような小径車への収まりも良いです。
デザインもシンプルで、どんなバイクにもしっくり馴染みそうに見えます。
配光面については、個人的には本製品が「高速走行の多い郊外向き」、Eycが「低速走行が多い市街地走行向き」な気がします。
遠方の明るさや全体的な照射面積は本製品の方が優っていますが、場面によっては前輪近くや真横が明るいEycの方が見やすく感じる亊もあります。
本製品は本体表面仕上げやボタンの感触等、質感がとても高く、高い精度で丁寧に作られているのが伝わってきます。
製品自体が「ライトは光量ではなく配光だ」と無言で語っているようにすら見えてくる職人気質な作りで、単純に大きいルーメン数で明るく照らせば路面が見やすくなるわけではないという事を改めて痛感させてくれる、本当に素晴らしい製品です。
価格評価→★★★★☆(国内価格ですら高いとは思わない)
評 価→★★★★★(使えばハブダイナモ化のデメリットなんて全て忘れ去る高性能っぷり!)
<オプション>
年 式→
カタログ重量→ 不明 (実測重量 未計測)