購入価格 ¥138,000(税別)※試乗のみで買ってません。
Tern社の新型フォールディングバイク。20インチサイズのホイールで、フレームを2つ折り構造とすることで一般的な折り畳み小径車よりも大幅なコンパクト化に成功しています。
近所のショッピングモールにある量販店に、試乗車があったので試乗させてもらいました。自転車に関しての素養を一切持たない素人が短時間の試走で感じたことベースなので、信憑性についてはお察しください。
●すっごくコンパクト、しかも自立する!
折り畳んだ状態の、Tern BYB P8は、ギュッと凝縮された感じの驚くべきコンパクトさです。前後方向は20インチホイールとほぼ同等で、高さはホイール+チェーンリング程度サイズしかありません。
それでいて、しっかり自立する構造になっているのは感心してしまいます。
●よく走る、普通のスポーツ自転車。
走りは軽快です。ペダルを踏めば踏んだだけ、キッチリ前に進みます。ペダリングに、微妙な引っかかりや重さを感じることはありませんでした。走行性能は、明らかにママチャリ以上。スポーツ自転車の走行感覚だと、言い切れると思います。
変速は8段ですが、巡航速度に合わせたギアがキッチリある印象。体感で7~8%ぐらいの坂を登りましたが、ロー側も不足は感じませんでした。
試乗中にストップ&ゴーを繰り返していますが、Vブレーキのストッピングパワーも必要十分だと思います。
またフレームに2カ所のヒンジがあるのですが、レバー式のロック機構でガッチリ固定されます。走らせていて、フニャッとした感じは受けません。剛性はかなり高いのではないでしょうか。
個人的に高ポイントだったのが、ステムがクイックレリーズで固定する方式になっていて、高さや角度が調整できる点。調整幅は限定されていますが、自分の好みに合ったポジションに、少なくとも近づけることは可能です。
●ブロンプトンと比べてどうか。
「走行性能は圧勝。輪行しやすさは微妙」というのが、正直なところ(個人の感想です)。
Tern BYB、本当によく走ります。ブロンプトンと乗り比べたら、明らかに差を感じてしまうでしょう。自分のブロンプトンは、6段変速。8段変速のBYBと比較して、2段しか差がありません。なんですがブロンプトンだと、どのギアを選んでいても「微妙に重い/微妙に軽い」という感覚が抜けきれません。それに対して、Tern BYBは状況にあったギアがキッチリ選べている印象。Tern BYBには、11速のS11もラインナップされていますが「残り3段どう使いこなすの?」と思ってしまいました。
ですが「輪行して駅構内を移動する」という利用シーンを考えたときには、ブロンプトンのコンパクトさが際立ちます。
Tern BYBは、折り畳んだ状態で明らかに縦長ですが、ブロンプトンはかなり正方形に近いサイズ感に収まります。
また、重量についても
<Tern BYB>
S11 12.7kg
P8 14.3 Kg
<ブロンプトン>
S6L 11.6kg
CHPT3 V2 10.48kg
という差があります。ここは個人の感覚に寄るところが非常に大きいですが、2kgの差は持ち運びのストレスにかなりの差になると思います。
またBYBの折り畳み・組み立ては試せていないので「折り畳みのしやすさ」については明言できません。ただし、BYBの方が手順は明らかに多いです(折り畳んだステムをベルト状の器具で固定したり、ワイヤーの調整機構を作動させたりする行程があります)。
驚くほどコンパクトに折り畳めて、走行性能が明らかに高いTern BYB。重量とコンパクトさが、アタマひとつ抜けているブロンプトン。どちらも素晴らしくよくできた自転車なのは間違いの無いところなので、これから買うとなるとアタマを抱えてゴロゴロ転がるくらい悩むと思います。いずれにしても、乗り比べて選ぶのが必須でしょう。
価格評価→★★★★★(ブロンプトンに比べれば…)
評 価→★★★★★(よく走って驚くほどコンパクトに)