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兵庫県森林管理道粟鹿山線(あわがやません)、通称粟鹿山林道は、天空の城竹田城で有名な兵庫県朝来市にある林道。
25年の歳月を掛け平成28年9月に開通したが、険しい区間を切り開いたりして作られている為ちょくちょく崩落被害に遭うらしい。
林道の由来になっている粟鹿山は標高962m。
粟鹿山林道は森林限界をかすめる800mラインまで上昇するため、ジャンル的にはロングダートヒルクライムコースになる。
景色もとても良いのだが、ロード勢は入口で排除、シクロクロスやグラベルロードでもタイヤの選択によってはそこそこ苦労する(と行ってみて初めて知った)、MTBですら距離と標高差がそれなりにあるのでやる気とテクニックと脚次第。
見た目以上にキツイ道でした。
~スペック~
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山東町側~頂上(北側)
距離 6.8[km]
標高差 597[m]
平均勾配 7.78[%]
県道276号線側~頂上(南側)
距離 3.9[km]
標高差 275[m]
平均勾配 7.05[%]
県道276号線~黒川ダム湖周道路まで(更に南側)
距離 2.3[km]
標高差 149[m]
平均勾配 6.48[%]
山東町側入口標高 203.0[m]
県道276号線交差点標高 約525[m]
黒川ダム湖周道路入口標高 674.0[m]
林道粟鹿山線最高標高 約800[m]
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私は山東町側からアタックしたのでこちらからご紹介。
林道もこちらから少しずつ奥へ伸びていく形で作られていったそうです。
本編はSOMA CAZADERO 650B×42Cを履いたクロモリグラベルロード(もちろんフルリジッド)で走った時の感想です。もっと太くてゴツいブロックタイヤを履いたMTBでアタックすればもう少しイージーだと思います。
入口は北近畿豊岡自動車道の遠坂トンネルの朝来側出口の真上。
こんな所を入っていく。
最初は深い砂利のダート。
タイヤがズブズブ埋まったり流れたり、既に若干面倒な事に(^^;
奥に見えている茶色い建物を右回りに回り込むように曲がると粟鹿山林道のゲートがある。
ここから本格的にヒルクライム開始。
路面は概ねこんな感じ。
比較的硬い地面の上に砂利が敷き詰められており、そこを通る車両によって轍が作られているといった様相。
時々コンクリート舗装もある。
コーナー部分は少しキツイ傾斜になっているうえ、イン側の水流で土が抉られたりアウト側に除けられた砂利が縁石のように盛り上がっていたりする。
ここはかなりマシな方で、イン側半分がガレていてアウト側半分が深い砂利な場所もある。
こういったコーナー部はグラベルロードだとライン取りがシビアな印象だった。ダンシングで切り抜けようとするとリヤの荷重が抜け、敷き詰められた砂利がベアリングの玉のように作用してずるずるずるずる。
平均傾斜は8%弱でそこまでキツくは見えないのに...。
アスファルトなら何の苦労も無いのに...。
何故進まないんだー!!
ダンシングでトラクションコントロールの練習をするか、シッティングでジリジリ上るか、脚が回復するまで大人しく自転車を押すか。
終始この3択のローテーションだった。
見た目はイージーそうな道でしたが例のズルズルで体力がどんどん奪われる。タイヤと路面の相性が合ってない。
でも多分これ、太いタイヤのフルサスMTBなら楽勝。
景色は最初から最後までがクライマックス。
比較的最初の方で現れる展望がこちらです。
木に隠れる区間もあるが比較的開けている為視界は広い。
少し止まるとカッコウの声が遠くから聞こえた。
途中、粟鹿山に抜ける登山道とそのすぐ先に私有地らしき分岐。
登山道はこの私有地に突っ込んで行っている気がしたのだが大丈夫だろうか^^;
粟鹿山へ登るルートはこのような登山道の他、NTT専用道路からも行けるらしい。(専用道なので入っていいかは知らないよ?)
道中にはこのような印がいくつもあり、年号の数字がだんだん増えていく。
最初の方は識別できないほど古い。
少しずつ工事が進められた年表のようである。
こんな感じの道をせっせと上って行くと、
粟鹿山頂上の電波塔群の下を通過。
いよいよ粟鹿山林道の頂上だ。
頂上には石碑がある。
完成時にはここで大々的な式典が行われたとこの林道を手掛けた会社のHPに載っていた。
木の間からは朝来の街が見渡せる。
ちなみに竹田城がある山は発見できず。(多分手前の山の陰。)
今走ってきた方向。
入口からここまでほぼ全てが見渡せる。
左の木に隠れかけている茶色い土の辺りがスタート地点だ。
今から走る方向。
うおおおおお!!
まだまだ道があるぞー!!
反対側に向かって下り始める。
こちらの道の方が新しいので心なしか走りやすい。
さて、県道との交差点まで下ってきました。
えげつない角度の激坂です。余裕のある方はどうぞ。私は全力で遠慮します。
この先には与布土ダムがあり麓に下りられるようになってますが、ダムの工事により通行止めという情報あり。
さて再び、上り始めます。
路面は相変わらずですが、私の脚のライフはほぼゼロよ。
当然のように給水ポイントも無いのでボトルの水ももうゼロよ。
梅雨入り直前にコレなので真夏に来たら真面目にヤバイかも。
この辺りは景色と地形が同じようなパターンを繰り返す。急斜面を切り通した部分も多く、通行止めになるとしたらここだろうなという印象を受けた。
また、森が一番深い部分なので動物も多く、鹿やら猿やら色々見つけた。
最後は少しだけ下って黒川ダム湖周回道路に合流。
このレビュー投稿時点では、左折すると崩落多数で通行止め、右折すると普通に走れる。
黒川ダム湖は大変クリアな水質の湖で、時折岸際でごぽんごぽんという音が聞こえてたので何かデカい魚も居るっぽいです。雨に降られて撮影できませんでしたが、黒川ダムはド迫力のロックフィルダムで見ごたえ十分。
帰りはこの辺りでは激坂として悪名名高いけどさっき超えてきたダートヒルクライムと比べると大したことないかなとご乱心してしまいそうな青垣峠を下って丹波市方面へ行くか、生野方面へ下るかの2択となる。
冷静に考えると青垣峠から黒川ダムを通って粟鹿山林道に入る北上ルートの方がイージーかもしれない。
ただ、青垣峠もダムサイドの坂もなかなかの激坂なんですが…。(滝汗)
雨の青垣峠。
狭いし倒木あるし意外と交通量もあるしで中々の絶叫マシンでしたw
【留意点】
粟鹿山林道はシークレットでも何でもない普通に地図にも載っている割と有名な道なのでそれなりに交通量があります。アタック当日は林道の維持管理をされている会社の方のトラック&コンパクトカーの他、オフロードバイク(エンジン付き)6台。オフロードバイクは割と高速でカッ飛んでくるので轢かれないようご注意を。
オフ車の轍。
あと当たり前ですが大型野生動物(鹿とか)が普通に道端で食事してるのでこちらにもぶつからないようご注意ください。
次に地図によるルート確認に関してですが、Googleマップには載っていますが途中にトンネルがある事になっているという謎の誤表記があります。(元々何かあったのだろうか...。)
ストリートビューは当然のように非対応。
航空写真は問題なく確認出来ます。
地理院地図にはまだ反映されておらず、林道は途中で切れています。
兵庫県や朝来市などからの通行情報や、アタックされた方の記録をあらかじめ確認されることをお勧めします。
【総評】
・景色最高
・関西では比較的距離長め
・標高差600m
・山東町側から入ると延々とダートヒルクライム
・黒川ダムから入ると激坂の青垣峠とダムサイドの坂と湖周道路の坂がオマケで付いてくる
・タイヤの選択肢を間違えると苦労する
・途中に補給などある訳がない
という楽しい林道。
かなりキツかったのでしばらく遠慮したいけど、タイヤ変えたらまたリベンジしてみたいかも。
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★★