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Fulcrum Racing 3 C17


 
baru  2019-4-14 19:14
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Fulcrum Racing 3 C17
購入価格 ¥63500 (定価92340円)

Fulcrumのミドルクラスホイール。今回レビューするのはリムブレーキ用のワイドリムモデルです。


■購入動機
新しくオーダーした、2本目のスチールフレーム。このフレームで組むロードのテーマは「乗り心地の良さ最優先」でした。ブルベ用として、長距離乗っても疲れないようなパーツアッセンブルをするということです。ハンドルやフォークはカーボン製のものを採用し、安定性重視かつ反応性を落としてでも快適性に振ったジオメトリにしました。

乗り心地に最も影響するのは足回りです。これまでロングライド用のホイールは、カンパニョーロのアルミスポークモデル(EURUS、SHAMAL)を愛用してきました。単純にアルミスポークの反応の良さが好きで使っていたのですが、一方で「アルミスポークって実は乗り心地が悪いのでは?」という疑いも持っていました。

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2011年のことですが、元プロライダーの三船雅彦氏がPBP完走直後に東京で開いた報告会に参加。その際にホイールの選択について質問した時に、三船氏はこんなことを言っていたのです。

 「今回はEURUSを使ったけど、アルミスポークの突き上げがキツかった。
  2015年に出るならZONDAを使うと思う。
  あれはステンレススポークだから足に優しい。」
  
そして2015年、実際にZONDAを履いた三船氏は43時間23分という驚異的なタイムで完走します。

 4年ぶりのPBPに挑んだ三船雅彦 過酷な80時間を走り切るための準備とは
 https://www.cyclowired.jp/lifenews/node/178421
 
こちらは2015年の三船氏の装備紹介記事。写真を見ると、実際にZONDAを履いているのが分かると思います。元プロライダーで、金銭的にも総力的にも恵まれているはずの人が、あえて5~6万のミドルグレードのホイールを勝負で投入するというのは、傍目から見ると意外なことです。しかし、実際にそれで結果は出ました。きっと突き上げによるダメージを減らすことが出来たのでしょう。

なお、同じく2015年のPBPには私も参加していましたが、使ったホイールはアルミスポークのユーラス。1000km地点から突き上げによる足裏の痛みに悩まされました。

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以上を踏まえ、ステンレススポークのホイールを試してみることにしました。

今回、購入候補だったのは以下の3つです。

 ①MAVIC KSYRIUM ELITE UST
 ②CAMPAGNOLO ZONDA C17
 ③FULCRUM RACING3 C17

どれもド定番とも言えるミドルグレードホイール。全てワイドリムです。これは、昨今のレーシングタイヤがことごとくワイドリム専用の設計になっていることから。今、ナローリムのホイールを買うと、タイヤの性能が発揮できないと考えます。

①はチューブレス運用を前提として考えていましたが、チューブレスはやはり出先でのパンク修理がしづらいことを考慮し、却下。②と③は最後まで迷いましたが、後発で新基軸がいろいろ採用されている③に魅力を感じ、RACING3を購入することにしました。近所のサイクルキューブさんで、在庫セールをやっており、63500円で購入。


■製品概要
実測重量は、1584g(前輪692g, 後輪892g/シマノフリー)。公称は1560gなので24gプラス。

リムは、チューブレス非対応のクリンチャー専用。2way-fitモデルの展開はありません。ただし、スポーク穴はなく、リムテープは不要。リム高は前27mm、後30mm。

リム内幅は17mmのワイドリムとなっています。リム素材は従来のRACING3とは異なる6082-T6アルミを採用。RACINGZeroと同じ素材になります。


R2と呼ばれる、リムを両サイドから削る新しい切削方式を採用しています。


■使用感

主にブルベ等のロングライドに使用しています。比較対象は、それまでブルベ用に使っていたSHAMAL ULTRA(C15)。600kmブルベ1本を含む1000km程度を走った現在のレビューとなります。

(1) 重量
前述の通り、実測では前後で1584gでした。公称よりは重かったですが、カスタマイズでこれより軽く出来る確信があったので、あまり気にせず。

そのカスタマイズとは、フリーボディの交換です。通常、フルクラムのシマノ用フリーは鉄製のものが使われていました。この鉄製のフリーをアルミ製のものに変えれば、40g軽量化出来るのです。

……が、今回のRACING3に付いてきたフリーボディは、アルミ製(PEO処理)でした。どうやらC15→C17に切り替わる段階で、フリーボディがアルミ化されたようです。SHAMALがC15→C17になる時にフリーボディがアルミ化されたのは知っていましたが、まさかミドルクラスのRACING3までアルミ化されていたとは。

理由として推測されるのは、ワイドリム化による重量増を数字上で誤魔化すため。カタログ公称値こそ、C15→C17で10gの重量増しかありませんが、実際にはフリーボディで減らした40gを足した50g重くなっているということです。そしてそのほとんどはリムの増分だと思われます。2mmリム幅を増やした上、前輪はリム高が1mm上がっています。「リム切削の新技術で重量増を抑えた」みたいな紹介をされることは多いのですが、実は重量が減っていたのはフリーボディで、リムは着実に重くなっていると言えます。

そして、ホイールの中心部分であるフリーボディと、ホイールの外周にあたるリムでは増分の影響が数字以上に出るはずです。これは、もう少し正直に重量変更の理由を書いてほしいですね。

(2) 走行性能
重量については不満ですが、走行性能には非常に満足しています。ただ、「レース用ではなくロングライド用として満足」という注釈が付きます。

反応性は、アルミスポークのSHAMALに比べると一段落ちます。スポーク素材の影響なのか、リムの重量増に起因するものかは分かりません。信号発信は1テンポ遅れる感じはありますが、ブルベならばそこまで気になるほどではないと思います。

ハブはCULTでもUSBでもありませんが、よく周ります。空走距離も長く、下りでは足を休ませることもしばしば。

快適性は、想像以上の変化がありました。SHAMALに比べ、明らかに段差を乗り越えたときの衝撃が小さいのです。タイヤの空気圧を1気圧以上下げたくらいの差があります。手・尻・足裏といった衝撃を受け止めるポイントのダメージも実際に減りました。600kmブルベでの身体ダメージがこれほど少なかったのは初めてかもしれません。三船氏がわざわざZONDAを使った意味が分かりました。ワイドリム化すると乗り心地が悪くなるという話も聞いていたのですが、杞憂でした。

コーナーリング性能もニュートラルでクセがなく、使いやすいと思います。

(3) 見た目

ダークラベルと、控えめな赤いフルクラムロゴというシックな見た目。フレームを選ばないホイールだと思います。個人的には、久々にRACING3で赤の差し色が復活したのは嬉しかったです。前作のC15は完全な白黒でしたので。


ハブも、マット地にグロスでフルクラムロゴを描く渋い演出がされています。

(4) その他
フリーの空転音は随分静かです。使うにつれてより静かになっている印象があります。


■まとめ
快適性が高く、巡航・反応性も高水準で纏まっているミドルグレードホイール。ロングライド用ホイールとしては、私の中で理想に近いスペックでした。一方、「レース用途に使いたいか?」と言われると微妙なところ。RACINGZeroを買えるお金があるならば、私はそちらを使うだろうと思います。

欲を言えば、チューブレスレディ対応になっていれば完璧でした。ライバルであるMAVICがUSTを推し進めている真っ最中の2018年に出たのに、まさかのクリンチャー専用。クリンチャー専用のほうがタイヤは付けやすいというメリットはあるものの、最近のチューブレスを試してみたい気持ちもありました。その後、発表されたディスク用のRACING3はチューブレスレディ対応でしたね……それをリムブレーキ用でもやって欲しかった。

しかし、スポーク素材でここまで変化があるとは驚きでした。どうも「アルミスポーク=高級モデル」「ステンレススポーク=廉価モデル」という捉え方しかしていなかったのですが、単純な上下関係ではなかったことに気づくことが出来ました。元プロライダーがあえて使った意味も今なら分かります。

2019年のPBP、私はこのRACING3で走る予定です。


価格評価→★★★★☆(性能の割りに安いが、定価だと・・・)
評   価→★★★★★(ロングライド用としての評価)
<オプション>
年   式→2018
カタログ重量→ 1560g(実測重量 1584g)
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