購入価格 ¥7,884
思わず膝を打つアイディアと痒いところに手が届きまくる製品ラインナップで、善良なサイクリストたちを次々とマウント沼に放り込むレックマウント社製のサイコンマウント。
Garmin用マウントの下部に、CATEYEのライトが装着できるアダプターがセットになったバージョンになります。
この「Type17」の特徴は、その装着方式。ハンドルバーをクランプで締め付ける一般的なアウトフロントマウントと異なり、ステムボルトにマウントを共締めして装着します。この装着方式にはメリットを感じる点が多くありますが、デメリットもあり必ずしも100点満点ではありません。
メリットは、装着部分のスッキリした見た目。クランプがハンドルバーに存在しないうえに、サイコンの下部にライトやカメラまで装着可能。なので、ハンドル上から後付け感を感じさせる、あらゆるものを排除可能です。
しかもステムボルトという左右の中心にもほどがある場所に設置できるので、フレームとマウントが左右センターに一直線で配置できます。高い位置にあるそれなりの重量物をきっちりセンターに配置できるということは、重量バランス的にだって良いことはあっても悪いことはありませんよね。サイコンやライトを装着したときの見た目にだって、良い方向にしか転びません(ここは個人の好みが大きい部分ですが)。
また、このステムボルト共締め方式だと、マウントと車体を接続するバーの大部分がサイクルコンピュータ本体に隠れます。走っているときの視界に、マウントを意識する要素がほとんど無くなくなってスッキリ感は倍増です。素晴らしい!
デメリットに感じるのは、「サイクルコンピュータやライトなどの重量物による負荷を、ステムボルトに思いっきりかける」というリスクを伴う点。重量と振動による金属疲労によってボルトが最悪破断…とか、考えられなくもないシナリオです。まあ2本のボルトが同時に破断することは考えにくいですし、仮にそうなったとしても4本のうちの2本なのでハンドルが脱落したりはしないでしょう。けれど、サイコンとライトが走行中に落下。それと同時に思いっきりハンドルが上や下を向いたりしてしまう、とかはあり得なくもないかも。そうなると最終的には、ハンドルから手が離れてしまう→落車というケースに至ることだって、考えられなくもありません。
なので「想定し得るリスク要因が増える」というのは、間違いないところでしょう。とはいえ、じゃあそのリスクが差し迫ったものなのかというと、現状は「考えられる」というだけとしか言えない状態。それだけといえば、それだけ。どれだけ大きなリスクだと判断するかは、非常に難しいところです。
それはさておき、本品のもうひとつの特徴はステムボルトの角度に関わらず、マウント側で角度を変更できる点。ステムボルト共締め方式を採用している、同社の他のシリーズはマウントの設置角度がステムボルトの角度に依存します。ステムボルトが斜めの場合も、水平の場合も好みの角度に調整可能です。そのせいで、マウント脇のボルトがせっかくのスッキリ感をかなり損なってはいますが、ここは背に腹かえられないですね。
価格評価→★★★★★(このニッチさで、この品質。普通に適正価格では)
評 価→★★★★☆(ボルトの耐久性情報とか公開されるとよいのですが)