購入価格: ¥609(税込) ※Merlin Cyclesで購入
標準価格: 不明
『フルクラムのロード用ディスクブレーキ対応ホイールの防水性・防塵性を高めるゴムシール』
■ KIT DRP for industrial bearingsとは
Fulcrum KIT DRPは、水や泥やダストからベアリングを保護するシールのキットだ。DRPキットはフルクラムのロード用ディスクブレーキ対応ホイールのオプションになって扱いになっており、DRPキットを取り付けることでシクロクロスバイクやグラベルロードにも対応できる。現在、Fulcrumのシクロクロス用のホイールはラインアップされていないが、その代わりにDRPキットを用意したと思われる。
KIT DRP for industrial bearingsは、シールドベアリングを採用した以下のモデルに取り付けが可能。現行モデルだけではなくRacing 5 DB(2016)にも対応する。なお、ベアリングの仕様が異なる上位のモデルには別のDRPキットが用意されている。
Racing Quattro Carbon DB
Racing 4 DB、Racing 5 DB、Racing 6 DB、Racing 7 DB
Racing 400 DB、Racing 500 DB、Racing 600 DB、Racing 700 DB ※OEMモデル
Racing 5 DB(2016)
Fulcrum KIT DRP for industrial bearings ※DRPはDirt Road Protectionの略
■ 購入のきっかけ
現在、私はGIANT DEFY1 DISCにRacing 4 DBを取り付けている。その前はRacing 5 DB(2016)も使っていた。どちらのモデルも走行性能は高いが、ハブの防水性の低さが最大の欠点だ。フルクラムのホイールは回転抵抗を減らすためなのかハブには隙間が多く、洗車や雨天走行でハブの内部に水が入るとベアリングにサビが発生する可能性がある。
実際、洗車後にRacing 5 DBのベアリングがサビてしまったことがある。洗車ならハブに水がかからないようにすれば良いが、この防水性の低さでは雨が降りそうな日にはあまり走る気にはなれなかった。その後DRPキットの存在を知り、Racing 4 DBとほぼ同時に購入。DRPキットがあれば防水性に対してあまり神経質になることもなく、Racing 4 DBを気軽に扱えるようになると考えた。
フロントのローター側はベアリングにガスケットが乗っかっているだけ(左)
洗車後にRacing 5 DBのベアリングにサビが発生した(右)
■ 取り付け
(マニュアルのダウンロード)
Fulcruの本国サイトから以下のテクニカルマニュアルをダウンロードし、作業の手順を確認しておく。
・INSTALLATION OF KIT DRP FRONT HUB
・INSTALLATION OF KIT DRP FRONT HUB
(フロントハブへの取り付け)
反ローター側のアダプター、アジャストメントリングナット、シャフトをハブから取り外し、金属製のガスケットをDRPキットの青いゴムシールの付いたガスケットに交換する。マニュアルには書かれていないが、さらに防水性を高めるためにガスケットの内側にはグリスを塗っておいた方が良いと思う。ちなみにRacing 4 DBの金属製のガスケットの内側には最初からグリスが塗られていた。
金属製のガスケットをDRPキットのガスケットに交換
(リアハブへの取り付け)
左右のアダプターを取り外し、アジャストメントリングナットに20mmレンチをかけ、フリーボディーのロックナットを17mmレンチで時計回りに回すとロックリングが緩む。ロックナットは逆ネジで固くしまっているので注意。アジャストメントリングナットと20mmレンチの間には傷つかないようにペーパーウエスを挟む。
17mレンチと20mmレンチ(もしくは薄手のモンキーレンチ)でロックリングを外す ※20mmレンチには傷つかないようにペーパーウエスを挟む
フリーボディーからロックリングとスペーサーを外し、スペーサーの溝に青いゴムシールをはめる。ローター側はアジャストメントリングナットとアダプターを外せば、金属製のシール(フロントのガスケットとほぼ同じ形のパーツ)をDRPキットの赤いシールに交換できる。ここでも防水性を高めるためにシールの内側にグリスを塗っておいたほうが良いと思う。
ローター側の金属製のシールをDRPのゴムシールに交換(左)
フリーボディーのスペーサーにDRPのゴムシールを取り付け(右)
■ 防水性と回転抵抗
DRPキットを取り付け後に、雨天走行やハブに水をかけた洗車などはまだ試していない。ただ、ゴムシールの上にスポイトで数滴の水を垂らしてみたところ、ゴムシールの内側への浸水は見られなかった。これだけでは実際の雨天走行や洗車でどの程度防水できるかわからないが、ゴムシールがなかったら確実にスポイトの水がベアリングにかかるので、DRPキットである程度の防水性は確保できると感じた。ただ、DRPキットだけではハブの隙間を完全にふさいだわけではないので、念のため雨天走行後はベアリングへの浸水をチェックした方が良いだろう。
また、DRPキットを取り付けても、回転抵抗の増大はまったく体感できなかった。シャフトを持ってホイールを回転させても、実際に高いスピードで走行しても、回転の軽さは取り付け前と同様だった。他のデメリットも特に感じなかった。
DRPキットを取り付けた後もRacing 4 DBの回転の軽さは変わらない
■ 総評
ずっとRacing 5 DBの防水性の低さが気になっていたので、Racing 4 DBに買い替える際にDRPキットの存在はありがたかった。ハードな環境を考えれば、DRPキットはシクロクロスバイクやグラベルロードには必須。ディスクロードに取り付ければ、防水性をあまりに気にせずに済む分だけホイールが扱いやすくなる。また、DPRキットで回転抵抗は増えないので、体感できるデメリットはほぼ存在しない。DRPキットでハブの隙間を完全にふさげるわけではないが、ベアリングの上にゴムシールがあるだけで安心感はまるで違う。防水性が気になるなら手に入れた方が良いだろう。
価格評価→★★★★★ (安いので取り付けがオススメ)
評 価→★★★★★ (防水性が高まり回転抵抗も増えない)
<オプション>
年 式→2018年
カタログ重量→ -