関東平野の北端に近い栃木県宇都宮市には、古くは自転車世界選手権、その後にJapan Cupの舞台となる古賀志林道を有する古賀志山をはじめ、いくつかの山塊が点在します。すべて、杉が植林された山で、それぞれ林道が敷設されていますが、市内には地道の面白い林道というのは少なく、大抵、舗装路。そんな舗装林道の中でも、相応に荒れた、しかも起伏のある周回コースが取れるという、なかなか面白い道が篠井富谷連峰にあります。
ちょっと地勢を確認してみます。
これは、宇都宮市街から北西方向にある日光市の霧降高原から俯瞰した宇都宮市方面の山々。主だったものを挙げると、左から
羽黒山(はぐろさん)
篠井富谷連峰(しのいとみやれんぽう)
半蔵山(はんぞうやま)
鞍掛山(くらかけさん)
古賀志山(こがしやま)
軒並み、400~500mの低山です。
撮影場所は日光霧降高原で標高は1380mほど。ここから画像左端の羽黒山までの直線距離は28km程度です。白地図にそれぞれを配置すると次の通り。
なお、茨城県で二番目に高い山、筑波山はこれらの先にあります。先ほどの画像で右奥に薄く見えるのが筑波山です。その左に栃木・茨城県境の低山もうっすらですが、ズラリと見えています。
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というわけで篠井富谷連峰。
この山塊は低山連峰ではあるものの、「宇都宮アルプス」と呼ぶ人もいるほどで、全山縦走(もちろん歩いて)すると7時間ほど楽しめます。この山塊の南半分をグルッと周回する舗装林道がなかなかイイ感じ、というわけです。RouteLabは以下の通り。数字は距離と総登坂量です。
Route1 林道篠井線 基本周回コース1 … 9km / 320m
https://yahoo.jp/upWI20Route2 林道篠井線 基本周回コース2 … 11km / 350m
https://yahoo.jp/8_UNedRoute3 林道篠井線+大畑林道縦貫コース … 10km / 420m
https://yahoo.jp/LPflKy最高標高地点前後は杉の枯枝などが堆積しており、MTBやグラベル・ロードなどが適当で、ノーマルなロードでは押しが入る場面となります。
Route2は最初の登坂の路面が荒れており、一部、地道となります。
Route3は、6kmポイントで大畑林道に合流し、そこから登坂して反対側の集落に下るルートです。
数字を見るだけでちょっと面白そうですが、実際、なかなか楽しいコースです。杉植林じゃなくて天然林だったらなあ、とは思いますが。私は週末の朝5時台に時々、ここを走りますが、この時間に動物の気配はあっても、人に遭遇したことがありません。冬の時期、月明かりすらなかったりすると、振り返ればまさに、漆黒の闇、です!
やれやれ、少年時代の深夜徘徊癖がなかなか抜けないようで。なお、宇都宮市街地から往復で40km弱のコースです。競技志向の本気MTBerやCyclocross riderには全く物足りないコースだと思いますが、公道なので、特に下りは本気で走るわけにもいきません。安全最優先!
宇都宮近郊にお住いの方、如何でしょうか!?
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注意事項。
公道です。特に登山道との交差点では注意してください。もし、歩行者が現れた場合はすぐに減速し、すれ違う際は最徐行してください。ライトは昼間も点灯しましょう。夜間や早朝など、暗い時間に走る場合、ライト光軸は路面ではなくほぼ正面に設定します。路面を照らしていると上から垂れている枝や、法面上段から道路に覆いかぶさる倒木を見落として、非常に危険です。
この山域は、非常に稀ですがクマの目撃事例がありますので相応の注意が必要です(が、コケて怪我をする確率の方がはるかに高いと思います)。なお出会う確率が高い危険な動物はスズメバチやイノシシです。
厳冬期のこの辺りの明け方は氷点下10℃を割り込む場合もまれにあり、落車して動けなくなった場合、そのまま凍死する可能性が非常に高いので、そういった事態に至るトラブルは絶対に避けなければなりません。また、登山者などとの事故も同様です。そのため、十分な走り込みによりルートを熟知しておく必要があります。なお、山道ではケータイ電波が届かないところが多数ありますので、ご注意ください(って、MTBな人やグラベルな人は良くご存じだと思いますが)。
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スタート地点…前半の林道の正式名称は「毘沙門・高舘線」だそうな(2015年4月12日)
50mほど登坂すると、右手に「アルプスゲート」というcafeがありますヨ
大体、この程度の荒れ方(2015年4月12日)
Route3後半の大畑林道はロードでも大丈夫
登坂中、振り返ると新緑に映えるピラミダルな飯盛山が見える
この辺りは美しい広葉樹林(2012年5月5日)
登山道標に何度も遭遇します(2018年12月28日朝5時30分)
東日本大震災で崩落した道路も今では復旧済(2013年3月12日の画像)
あそうそう、コレ、すごく楽ちんで楽しいです
自転車はやっぱり、サイズ選択が重要ですよねぇ(2015年4月19日)
初めてココを走ったのは2001年10月・・・30万画素セピア色の思い出(笑)
ロードで走るのは無謀と思い知ったあの日
これは2004年に山歩きで訪れた篠井富谷連峰の最高峰「本山(ほんざん)」
木製山名板は着実に朽ちるのが世の習いで、この山名板、今はありません…完全に余談
真っ暗なうちから登山するとこんな風景にも出会えます
本山から奥日光の山々と月を望む…完全に余談(2018年11月25日)
評 価→★★★★☆
年 式→2019